「アスフェリック UV エアが終売になった」という情報を見かけて驚いた方も多いのではないでしょうか。高酸素透過性とUVカット性能を兼ね備えた人気のハードコンタクトレンズとして、多くのユーザーに支持されてきた製品だけに、その販売終了は大きな話題になっています。この記事では、終売の背景や理由、そして今後の代替品についてわかりやすく解説していきます。
アスフェリック UV エアとはどんなレンズだったのか
まずは「アスフェリック UV エア」がどんな特徴を持っていたのかを簡単に振り返ってみましょう。製造販売元はアイミー株式会社。長年にわたりハードコンタクトレンズを手掛けてきたメーカーです。
アスフェリック UV エアは、「高酸素透過性」「UVカット」「非球面設計」という3つの要素を兼ね備えたモデルでした。
具体的には次のような特徴があります。
- Dk値136という非常に高い酸素透過性
- 紫外線吸収剤を素材に配合し、UV-A・UV-Bをカット
- 非球面(アスフェリック)デザインで、歪みの少ないクリアな視界を実現
- 目へのフィット感を高めた設計で、長時間装用でも快適
このように、目の健康と快適性を両立したハードレンズとして高い評価を得ていた製品でした。
終売の正式発表と販売終了時期
アイミーの公式サイトによると、アスフェリック UV エアは2023年9月30日(土)をもって販売終了となりました。
この情報はメーカーの「販売終了のお知らせ」に明記されており、すでに公式製品一覧でも“販売終了製品”として掲載されています。
販売店や通販サイトでも同時期から「在庫限り」「製造終了」との表示が出ており、現在ではほとんどの店舗で取り扱いが終了している状態です。眼科を通じて購入していた方も、すでに注文が難しくなっているケースが多く見られます。
アスフェリック UV エアが終売になった理由
では、なぜ人気の高かったアスフェリック UV エアが終売となってしまったのでしょうか。
メーカーからは明確な「理由説明」はされていませんが、公式発表には次のような記載があります。
「誠に勝手ながら2023年9月30日(土)をもって販売を終了いたします。なお、後継製品『アスフェリック UV エアⅡ』を10月2日(月)より販売開始予定です。」
この文面から判断すると、主な理由は**製品リニューアル(モデルチェンジ)**によるものであると考えられます。
つまり、製品不具合や販売不振ではなく、技術進化に伴う自然な切り替えです。
考えられる背景をいくつか挙げてみましょう。
- 新素材・新設計への移行
コンタクトレンズ業界では酸素透過性や装用感をさらに高めるための素材改良が続いており、旧モデルを刷新するタイミングが訪れた可能性があります。 - 製造・管理体制の最適化
医療機器としての承認更新や製造ラインの見直しなど、品質管理の面でも新モデルへの移行が合理的だったと考えられます。 - 市場トレンドへの対応
ソフトレンズや使い捨てタイプの普及が進む中、ハードレンズはより高性能・高付加価値を求められる時代に入りました。その流れに合わせ、機能性を高めた新モデルへリニューアルしたとみられます。
このように、アスフェリック UV エアの終売は“後継モデルへの世代交代”というポジティブな理由によるものでしょう。
終売による影響と注意点
すでにアスフェリック UV エアを使用していた方にとって、終売は少し不安なニュースです。
しかし慌てる必要はありません。以下の点を押さえておけば、スムーズに移行できます。
1. 在庫分はすでに限られている
メーカー出荷が終了しているため、店頭や通販に残っている分が最後の在庫となります。購入を検討している場合は、在庫状況を確認のうえ早めの手配が安心です。
2. 保証・アフターサービスは継続
販売終了後も、購入済みの製品については通常どおり保証・サポートが受けられます。
ただし、長期使用中のレンズについては、定期検査やレンズ状態の確認を欠かさないようにしましょう。
3. 後継品へ切り替える際は眼科で相談を
同じブランドの後継品に切り替える場合でも、ベースカーブ(BC)や直径(DIA)など細かな仕様が異なる可能性があります。
必ず眼科で装用検査を受け、適合を確認した上で購入するのが安全です。
後継モデル「アスフェリック UV エアⅡ」との違い
メーカーが公式に後継品として発表しているのが**「アスフェリック UV エアⅡ」**です。
従来の魅力を引き継ぎつつ、さらに快適性と安定性を追求した新モデルとなっています。
主な変更点・改良点は次の通りです。
- 前面非球面デザインを採用し、より自然で安定した見え方を実現
- 酸素透過率(Dk値)は100で、十分な通気性を確保
- 新しいエッジ形状「シルキータッチベベル」により装用感を向上
- 従来同様にUVカット機能を搭載
見え方の精度、涙液の流れ、装用時のフィット感など、細部のチューニングが進化しています。
旧モデル愛用者にとっても自然に移行できるよう配慮された設計といえるでしょう。
代替品・他メーカーの選択肢を考える
アスフェリック UV エアの在庫が入手できない場合、他メーカーの高酸素透過性ハードレンズを検討するのも一つの方法です。
例えば、メニコンの「ティニュー」「EXシリーズ」、ボシュロムの「メニコンZ」などは同じ高透過素材を採用しており、性能的にも近い選択肢として知られています。
ただし、装用感や視界の微妙な違いがあるため、やはり眼科での相談は欠かせません。
また、「UVカット」「非球面」「高酸素透過性」という条件を満たす製品は限られるため、同等レベルの代替品を探す場合には専門家のアドバイスが重要になります。
終売をきっかけに見直す、あなたのレンズ選び
長年同じハードレンズを使用している方の中には、「終売」というニュースをきっかけに、自分の視力や装用スタイルを見直す人も少なくありません。
特に、ソフトレンズや1日使い捨てタイプの技術も進化しているため、ライフスタイルに合わせて最適な選択肢を探す良い機会になります。
ハードレンズは長寿命で経済的というメリットがある一方、装用感やケアの手間に課題を感じる人もいます。
一度眼科で相談し、自分の目の状態や日常生活に合ったレンズタイプを選び直すのもおすすめです。
まとめ:アスフェリック UV エアの終売は新しい進化の始まり
アスフェリック UV エアの終売は、決してネガティブな出来事ではありません。
むしろ、技術革新によってさらに快適な「アスフェリック UV エアⅡ」が登場することは、ユーザーにとって前向きなニュースです。
旧モデルを愛用してきた方は、早めに在庫を確認するか、後継モデルへの切り替えを検討しましょう。
これから購入を検討している方は、新モデルを中心に比較してみるのが良いでしょう。
アスフェリック UV エアという製品は、非球面設計の快適さとUVカット性能を組み合わせた名作でした。
その思想は新モデルにも確実に受け継がれています。
「終売」という言葉の裏には、より良いレンズへの進化がある——そう考えれば、この変化もきっと前向きに受け止められるはずです。

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