「ピース・アロマ・インフィニティ」が終売になった――。
愛煙家の間では、そんなニュースが静かに、しかし確実に広がりました。長年のファンにとっては「またひとつ名銘柄が姿を消すのか」と感じた人も多いでしょう。この記事では、アロマインフィニティの終売理由や背景、そして今後どうすれば手に入れられるのかを、できるだけわかりやすく解説していきます。
ピース・アロマ・インフィニティとは?香りに特化した“上質系ピース”
「ピース・アロマ・インフィニティ」は、2006年10月にJT(日本たばこ産業)から発売された紙巻きたばこです。翌2007年に全国展開され、以来「香りのピース」として長く親しまれてきました。
スペックは、20本入り・630円(税込)・タール8mg・ニコチン0.7mg。
特徴は、上質なバージニア葉をふんだんに使用し、香りを徹底的に追求している点。さらにLSS(Less Smoke Smell)技術で煙臭を軽減しつつ、AFTフィルターによるなめらかな吸い心地を実現していました。
シリーズ名の“アロマ”が示す通り、「香り」をテーマに設計されたピースブランドの中でも異彩を放つ存在。まろやかで気品ある香り、軽やかな吸い口ながら深みのある味わいが特徴で、「癒し系ピース」として根強い人気がありました。
終売発表は2024年12月上旬、シリーズ3銘柄が同時に姿を消す
2024年秋、愛煙家の間で衝撃的なニュースが駆け巡ります。
それが「ピース・アロマ・インフィニティ」「ピース・アロマ・ロイヤル」「ピース・アロマ・クラウン」――アロマシリーズ3銘柄の同時廃止でした。
JTからは「2024年12月上旬をもって出荷終了」との案内が出され、各たばこ専門店でも「在庫限りで販売終了」「最終入荷のお知らせ」といった掲示が次々と見られました。大阪京橋のたばこセンターこだまなど、専門店のブログでも「12月上旬でアロマシリーズ3種廃止予定」と明記されており、終売が公式に確定したことが確認できます。
SNS上でも、「#ピースアロマインフィニティ 最終入荷」「ラストカートン確保した!」といった投稿が相次ぎ、在庫を求めるファンが駆け回る姿が印象的でした。
終売の理由は?販売数減少と市場構造の変化
なぜ、人気のアロマインフィニティが終売になってしまったのか。
JTの発表によると、主な理由は「販売数量の減少」と「品質維持・管理の難しさ」です。
長年のたばこ市場の流れを見れば、この背景は理解しやすいでしょう。
- 喫煙人口の減少
年々、紙巻きたばこを吸う人の数は減少しています。特に若年層で顕著です。 - 加熱式たばこ・電子たばこへのシフト
アイコスやプルームXなど、加熱式たばこが主流化。香り系や重厚な味わいを求める層もそちらへ流れています。 - 軽量化・低臭志向の高まり
周囲への配慮が求められる時代になり、「重たい香り」「煙の多い銘柄」は選ばれにくくなっています。 - ブランド再編と供給体制の整理
JTはここ数年、「メビウス」「セブンスター」「ピース」といった主力ブランドを中心にラインナップの最適化を進めています。その一環として、販売数が少ない派生銘柄を整理した形です。
アロマシリーズは高品質なたばこ葉や香料を使用し、安定的な供給にもコストがかかる銘柄でした。販売本数が減る中で、品質を維持しながら生産を続けることは難しかったとみられます。
アロマシリーズ全体の終了とピースブランドの今後
ピースブランドは、戦後から続くJTの象徴的存在です。
「ピース(Peace)」の名を冠した銘柄は、深い香りと贅沢なたばこ葉のブレンドで知られ、国内外にファンを持ちます。その中でアロマシリーズは2000年代に登場した新潮流で、「香りこそがピース」というブランド哲学を体現していました。
しかし、今回の終売によってアロマ・ロイヤル・クラウン・インフィニティの3本柱が消滅。
今後は「ザ・ピース」「ピース・ライト・ボックス」といったクラシックライン中心の展開へと戻る形になります。
ブランドとしての香り・上質さのDNAは「ザ・ピース」などに引き継がれていますが、アロマ特有のまろやかな香りや柔らかさを求めていた層には寂しいニュースです。
現在の入手状況:在庫限り、専門店を中心に探すしかない
2025年現在、公式出荷はすでに終了しています。
つまり、新たに製造された「ピース・アロマ・インフィニティ」は市場に存在しません。
一部のたばこ専門店では「ラスト入荷」「在庫僅少」として販売を続けていましたが、2025年秋の時点ではほとんど完売。ブログでも「ピース・アロマ・インフィニティ完売のお知らせ」という投稿が増えています。
それでも、次のような方法で見つけられる可能性はあります。
- 個人経営のたばこ専門店に直接問い合わせる
チェーンよりも在庫を抱えている可能性が高く、電話で確認すると意外に残っている場合も。 - SNSで「#ピースアロマインフィニティ 在庫」「#たばこセンター」などを検索
店舗が在庫情報を投稿しているケースがあります。 - オークション・フリマアプリでの出品
ただし価格高騰・保管状態不明・法令遵守の観点から慎重な判断が必要です。
在庫を確保できた場合は、湿度・温度に気を配って保管するのがおすすめです。たばこは劣化が早く、香りが命のアロマシリーズは特にデリケート。密閉容器+加湿シートで保存する愛好家も多いようです。
代わりになる銘柄は?香り系・上質系の選択肢
「もう二度とあの香りは吸えないのか…」
そんな声も多いですが、完全にゼロというわけではありません。
アロマインフィニティの代替として、比較的近い吸い心地・香りを持つ銘柄としては以下が挙げられます。
- ザ・ピース
ピースブランドの最高峰。芳醇で深い香りとコクがあり、香り系ピースの系譜を感じられます。 - ピース・ライト・ボックス
アロマより軽やかで日常使いしやすいが、ピース特有の甘い香りを楽しめる。 - メビウス・プレミアムメンソール系
方向性は違いますが、香りを重視した味設計で満足感が高いという声もあります。
とはいえ、アロマインフィニティ独自の「柔らかく、深く、ほのかに甘い香り」は唯一無二。似た銘柄はあっても、完全に同じ体験を再現するのは難しいでしょう。
再販・復刻の可能性はある?
過去を振り返ると、ピースブランドでは限定復刻や特別版の発売が何度かありました。
たとえば「ザ・ピース・リミテッド」「ピース・スーパーライト」など、一時的に姿を消した銘柄が数量限定で復活した例もあります。
そのため、「ピース・アロマ・インフィニティ」も将来的に特別版や復刻の形で戻ってくる可能性はゼロではありません。
特にファンの声が根強く、SNS上でも「復活希望!」のコメントが多数見られることから、JTがその需要を把握していれば何らかの展開があるかもしれません。
とはいえ、現時点でメーカーから公式な再販発表はなく、期待するにしても長期的な目線が必要です。
まとめ:アロマインフィニティ終売は時代の転換点
「ピース・アロマ・インフィニティ」の終売は、単なる銘柄終了ではなく、
“紙巻きたばこの時代”から“加熱式・低臭時代”への象徴的な転換と言えます。
香りを楽しむ文化や時間を大切にする感覚が薄れていく中で、アロマインフィニティはその「香煙の余韻」を教えてくれた最後の一本だったのかもしれません。
今も在庫を手にしている人は、ぜひ丁寧に味わってください。
そして再販の可能性に期待しつつ、同ブランドの他銘柄で“香りのピース”の精神を引き継いでいくのも一つの楽しみ方です。
アロマインフィニティ終売後も、香りを愉しむ選択を
時代が変わっても、香りを愛する人たちがいる限り、その精神は生き続けます。
ピース・アロマ・インフィニティが教えてくれた「たばこの香りを味わう時間」は、きっと多くの人の記憶に残り続けるでしょう。

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