「ストーンズ ジンジャーワイン、最近見かけないけど終売したの？」
そんな疑問を持った方も多いかもしれません。かつて独特の甘さとスパイシーな香りで人気を集めたこのイギリス生まれのワイン、実は国内では販売が終了しています。
では、なぜ終売となったのか。この記事ではその背景や再販の可能性をわかりやすく整理していきます。
ストーンズジンジャーワインとは？英国発祥の歴史あるお酒
ストーンズジンジャーワイン（Stone’s Original Green Ginger Wine）は、1740年にロンドンで誕生した歴史あるジンジャーワインです。
乾燥させた生姜を白ワインや強化ワインに漬け込み、香りと甘味を引き出す製法でつくられており、アルコール度数は13％前後。飲み口は非常にまろやかで、冷やしてもホットでも楽しめるのが特徴です。
甘口で飲みやすく、カクテルのベースやデザートワインとしても人気がありました。英国では冬の定番として長く愛され、日本でも一部の酒販店で根強いファンがいました。
日本での流通と販売終了の経緯
日本では長らくサントリーが輸入・販売を担当していました。
しかし現在、サントリー公式サイトの「製造終了商品一覧」にストーンズジンジャーワインの名が掲載され、主要通販サイトでも「販売終了」「在庫なし」の表示が相次いでいます。
ヨドバシ・ドット・コムでは「販売を終了しました（販売開始日：2019年6月25日）」との記載があり、酒類専門店でも「終売」「再入荷未定」と明記されていることから、国内での正式な取扱いはすでに終了したと見て間違いありません。
なぜ終売となったのか ― 5つの背景要因
ストーンズジンジャーワインが日本で終売となった理由は、ひとつではありません。
複数の要素が重なり、結果的に「採算が取れない」と判断された可能性が高いと考えられます。
1. 輸入元（サントリー）の取扱終了
最も直接的な理由は、輸入・販売を担っていたサントリーが取り扱いを終了したことです。
輸入元が撤退すれば、国内流通網が断たれます。サントリーは多くの輸入酒ブランドを扱っていますが、販売規模が小さいものや採算の合わない商品は整理する傾向があります。
ストーンズジンジャーワインもその一環としてラインナップから外れたとみられます。
2. 日本市場での需要縮小
お酒離れが進むなかで、特にニッチなカテゴリーである「ジンジャーワイン」は販売ボリュームを維持するのが難しかったと考えられます。
甘口で個性的な味わいは一部ファンに支持される一方、日常的に飲む層が限られていました。
多くのスーパーや量販店では扱われず、専門店や通販に限定されていたため、販路拡大も難しかったといえます。
3. 輸入コストと為替の影響
近年の円安や物流コストの上昇も、輸入酒全般に大きな影響を与えています。
小規模な輸入商品ほど仕入れ価格や関税、輸送コストの変動を吸収しづらく、採算が悪化しやすい状況です。
結果的に、販売価格を維持できない、または消費者価格が上がり過ぎることで需要がさらに落ちる――という悪循環に陥った可能性があります。
4. 製造元のブランド再編
ストーンズジンジャーワインブランドを展開していた英アコレード・ワインズ社は、近年ブランド再編や事業売却を進めています。
2023年には、カリブ海地域の企業グループがストーンズジンジャーワインブランドを買収するとの報道もありました。
こうした国際的なブランド移管の過程で、日本市場向けの輸出が一時的に停止、または優先順位が下がった可能性も否定できません。
5. 流通上の課題とリスク
ストーンズジンジャーワインは甘口のリキュールに近い性質を持ち、温度管理や長期保管に注意が必要です。
輸入酒の中でも在庫劣化リスクが高く、特に夏場の輸送では液漏れや品質変化のリスクもあります。
流通コストに加え、こうした品質管理の負担も、取扱終了の判断材料になったと考えられます。
海外では今も販売継続 ― 日本との違い
興味深いのは、イギリスやオーストラリアなどでは現在もストーンズジンジャーワインが普通に販売されていることです。
ブランド公式サイトでも現行商品として紹介され、同じレシピで製造が続いています。
つまり「製造自体の終了」ではなく、「日本国内での販売終了」である点が重要です。
輸入を再開するには、国内販売業者が新たに契約を結び、輸入・通関・流通体制を整える必要があります。
採算が取れない限り、すぐに再販が実現する見込みは低いですが、世界的にブランドが生き続けている以上、将来的な復活の余地は残されています。
再販の可能性と今後の見通し
では、再販の可能性はあるのでしょうか。
現時点ではサントリーが再び取り扱う動きは見られませんが、別の輸入代理店が新たに契約を結ぶ可能性は理論上あります。
ただし、次のようなハードルが存在します。
- 輸入元契約の新設や認可取得
- 為替や関税などコスト上昇への対応
- 市場規模の再評価と販売ルートの確保
- 消費者ニーズの回復
これらをクリアしない限り、再登場は難しいでしょう。とはいえ、ジンジャーワインという独自ジャンルへの関心がSNSなどで再燃すれば、少量限定での再輸入やクラフトメーカーによる復刻も考えられます。
入手方法と注意点
現時点で国内正規流通は終了していますが、海外通販や並行輸入品として販売されているケースがあります。
ただし、個人輸入では酒税や通関の手続き、品質保証などにリスクが伴います。
また、転売品や長期在庫品は風味が劣化している可能性もあるため、購入の際は信頼できる販売元かどうかを必ず確認してください。
どうしても味わいたい場合は、同系統のジンジャーリキュールや国産クラフトワインなど、似た風味の代替商品を探すのも一つの方法です。
「ジンジャーリキュール」「スパイスワイン」「ホットワイン ベース」などのキーワードで探すと近い味わいに出会えることがあります。
消費者としてできること
お気に入りの商品がなくなったとき、ファンとしてできることは限られています。
しかし、SNSやレビューサイトなどで「再販してほしい」という声が一定数集まれば、メーカー側の判断が変わることもあります。
過去にも、長年終売していた酒類がファンの声で再発売された例は少なくありません。
ストーンズジンジャーワインも、そうした復活を願うファンの熱量が再び動かす日が来るかもしれません。
ストーンズジンジャーワインが終売の理由はなぜ？再び味わえる日は来るのか
まとめると、ストーンズジンジャーワインの終売は「輸入元の取扱終了」「需要の減少」「コスト増」「ブランド再編」など複合的な要因が重なった結果です。
製造自体は継続しているため、世界的にはまだ現役のブランド。再販の可能性は低くはあるものの、完全に消えたわけではありません。
かつての独特な甘さとスパイシーな香りを懐かしむ人が増えれば、いつか再び日本の店頭に並ぶ日が来るかもしれません。
それまでは、代替となるジンジャー系リキュールやクラフト酒でその余韻を楽しみながら、静かに再会の日を待ちたいものです。
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