イチローズモルトの中でも人気の高い「イチローズモルト ワインウッドリザーブ(Wine Wood Reserve)」が、近年「終売したのでは?」という噂で話題になっています。
店頭やオンラインショップでほとんど見かけなくなり、「もう買えないの?」と心配する声も多いこの一本。
しかし、実際にはどうなのでしょうか? 本当に終売なのか、それとも一時的な品薄なのか。この記事では、その真相と再販の可能性について、できるだけわかりやすく解説します。
イチローズモルト ワインウッドリザーブとは
まず、このボトルがどんなウイスキーなのかを改めて整理しましょう。
「イチローズモルト ワインウッドリザーブ(WWR)」は、秩父市のベンチャーウイスキーが手掛けるイチローズモルト・リーフシリーズの一つ。
赤ワイン樽で後熟させたブレンデッドモルトで、アルコール度数46%・700mlボトルが基本仕様です。
価格は定価で税込8,800円ほど。シリーズの中でも「赤い葉ラベル」で知られています。
味わいは、赤ワイン樽由来のベリーやチェリーを思わせる甘酸っぱさと、ビターチョコやスパイスの余韻が特徴。
飲みやすさと奥行きの両方を兼ね備え、ウイスキー初心者からマニアまで幅広く支持されています。
「終売」の噂が広まった理由
ここ数年、SNSやウイスキーブログなどで「イチローズモルト ワインウッドリザーブが終売した」との声が目立つようになりました。
しかし、その多くは「公式発表」ではなく、体感的な情報――つまり「どこにも売っていない」「抽選すらない」という流通状況から生まれたものです。
実際に調べてみると、いくつかの理由が重なって“終売っぽく見える”状態を作り出していることが分かります。
1. 生産量が圧倒的に少ない
秩父蒸溜所は小規模生産のクラフト蒸留所であり、リーフシリーズもすべて少量仕込み。
特にイチローズモルト ワインウッドリザーブは、赤ワイン樽での後熟に時間がかかるため、同シリーズの中でも出荷本数が限られています。
需要が爆発的に伸びた今、供給が追い付かないのは当然の流れと言えるでしょう。
2. 国内外での人気急増
イチローズモルトは今や世界的ブランド。イチローズモルト ワインウッドリザーブはその中でも「日本のクラフトウイスキーらしさ」を象徴する銘柄として、海外バイヤーやコレクターにも注目されています。
その結果、国内分の流通量が圧迫され、日本の一般小売店にほとんど回ってこない状態になっています。
3. 二次流通・転売市場の影響
定価8,800円のボトルが、オークションや中古市場では1万円以上で取引されるケースが多発。
転売目的での買い占めも起こり、結果的に一般の愛好家が入手できなくなってしまいました。
これも「店頭で見かけない=終売では?」という誤解を生む要因になっています。
公式発表の有無と実際の真相
では、ベンチャーウイスキー側は何か公式に「終売」を発表したのでしょうか?
結論から言うと、2025年現在、イチローズモルト ワインウッドリザーブの終売に関する公式発表はありません。
むしろ、同社はリーフシリーズ(ミズナラウッドリザーブ、ダブルディスティラリーズ、イチローズモルト ワインウッドリザーブ)の生産を継続しており、商品ラインナップとしても依然現役の位置づけです。
実際、公式サイトや海外正規販売ルートでは「In stock(在庫あり)」と表記されるケースもあります。
つまり「完全終売」ではなく、**“極端に入手困難な現行品”**というのが現状の正しい理解といえます。
なぜ「終売と誤解される」状況が続くのか
では、なぜここまで“終売説”が根強いのでしょうか。背景には次のような要素が重なっています。
原酒の制約
イチローズモルトは羽生蒸溜所から受け継いだ原酒と、秩父蒸溜所の新しい原酒をブレンドしています。
羽生原酒はすでに生産終了しており、残量が限られているため、ブレンド構成の調整が常に必要です。
そのため仕込みや熟成のバランスを維持するのが難しく、安定供給が困難になっています。
特殊な熟成樽の確保
イチローズモルト ワインウッドリザーブで使われる赤ワイン樽は、フランス産の上質なオーク樽で、入手や管理にもコストがかかります。
樽の仕入れ状況や熟成期間の違いによって、生産ペースにばらつきが出ることも珍しくありません。
結果として「出荷時期が不定期」「いつ再販されるか読めない」状態が続いています。
ブランド戦略としての希少性維持
イチローズモルト全体として、あえて“数量限定・抽選販売”を続ける方針を取っているとも言われています。
これは単なる供給不足ではなく、ブランド価値を守るための戦略。
「希少だからこそ価値がある」というプレミアム性を維持するため、流通を意図的に絞っている可能性があります。
再販・再入荷の可能性について
現時点で、イチローズモルト ワインウッドリザーブが完全に姿を消す予定は確認されていません。
むしろ、秩父蒸溜所では継続的にリーフシリーズをリリースしており、年ごとに限定ロットが市場に出ています。
ただし、以前のように「一般販売店で普通に買える」状況に戻るのは難しいでしょう。
再販があっても、次のような形になると予想されます。
- 抽選販売や会員限定販売
- 蒸留所直販、もしくはイベント限定リリース
- 少量出荷による即完売パターン
つまり、“再販はあるが、手に入るかどうかは別問題”というのが現実です。
現在の市場価格と購入時の注意点
二次流通市場では、2025年現在でもイチローズモルト ワインウッドリザーブはプレミア価格で取引されています。
一時期は2万円前後まで高騰しましたが、最近は落ち着き、1万円前後で推移しているという報告もあります。
それでも定価を上回るため、購入時には価格と信頼性のバランスを見極めることが重要です。
また、人気ゆえに偽物や転売トラブルも散見されます。購入時は次の点を確認しましょう。
- 正規販売店・信頼できる通販サイトを利用する
- ラベルや封印の状態をチェックする
- 「箱なし・開封済み」などの表記には注意する
特にコレクター用途での購入を考えている場合、未開封・箱付きが高い価値を保ちます。
再販を待つか、今買うか
「また手に入るのを待つべきか」「プレミア価格でも今買うべきか」――悩む人も多いでしょう。
この判断は、あなたが「飲みたいのか」「保管したいのか」によって変わります。
- 飲みたい派:見つけたら購入してOK。再販は未定なので、一期一会です。
- 保管・コレクション派:状態重視で。将来価値を考えるなら、信頼できる販売元から入手することを優先しましょう。
イチローズモルトはシリーズ全体で希少性が高く、時間が経つほど市場在庫が減っていく傾向があります。
そのため、「次に出会える保証はない」という前提で行動するのが賢明です。
まとめ:イチローズモルト ワインウッドリザーブは“実質入手困難な現行品”
ここまでの内容を整理すると、次のように結論づけられます。
- 公式に「終売」したという発表は一切ない
- 生産は継続中だが、流通量が極端に少ない
- 限定出荷・抽選販売により、実質的に店頭では見かけない
- 再販はあるが、手に入るかどうかは運次第
つまり、「終売」と言われるのは誤解であり、正確には“極度の品薄”状態です。
ただし今後も入手難が続く可能性は高く、見つけた際は迷わず確保しておくのが得策でしょう。
イチローズモルト ワインウッドリザーブ終売の理由と再販の可能性まとめ
イチローズモルト ワインウッドリザーブは、日本のクラフトウイスキー文化を象徴する一本です。
「終売では?」という噂に惑わされず、ブランドの現状を冷静に理解しておくことが大切。
限定生産ゆえに出会える機会は限られますが、その分だけ一口の価値も特別なものになります。
もし再販や新ボトルの情報が出た際は、蒸留所の公式発表や信頼できる販売ルートをこまめにチェックしておきましょう。
希少な一杯を楽しむ準備を、今のうちから整えておくのがおすすめです。

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