「イチローズモルトDDが終売したらしい」──そんな噂を耳にした方も多いのではないでしょうか。
日本を代表するクラフトウイスキーとして世界的にも人気を誇るイチローズモルト。その中でも「ダブルディスティラリーズ(Double Distilleries)」は、羽生蒸溜所と秩父蒸溜所、2つの原酒をブレンドした特別なボトルです。
この記事では、この「イチローズモルトDD」の終売情報や味わい、現在の価格、そして入手方法について詳しく解説します。ウイスキーファンだけでなく、これから初めて飲んでみたいという方にもわかりやすくまとめました。
イチローズモルトDDとは?希少性の理由
「イチローズモルトDD」は、ベンチャーウイスキー社が手掛ける「イチローズモルト リーフシリーズ」のひとつ。緑色の葉を模したラベルが印象的で、「ダブルディスティラリーズ=二つの蒸留所」の意味を持ちます。
その名の通り、羽生蒸溜所の原酒と秩父蒸溜所の原酒をブレンドして造られたボトル。
羽生蒸溜所は2000年に閉鎖されており、当時の原酒は今では貴重な存在です。つまり、羽生の原酒が尽きれば、この「DD」現行仕様は造れなくなるということ。これが“終売の噂”の根本的な理由です。
イチローズモルトの創業者・肥土伊知郎氏は、羽生蒸溜所の原酒を救い出し、秩父で再び命を吹き込んだ人物として知られています。その象徴とも言えるのがこの「ダブルディスティラリーズ」なのです。
味わいの特徴:甘くフルーティーで複雑な余韻
DDの魅力は、なんといってもその香りと味わいの多層性にあります。
まず、グラスに注いだ瞬間に広がるのはバニラやハチミツのような甘い香り。そこに熟した桃やメロン、リンゴの果実香が加わり、時間とともにシェリー樽由来の落ち着いた香りへと変化します。
口に含むと、滑らかな舌触りとともに甘みが広がり、ビターチョコレートやシナモンのようなスパイス感が顔を出します。加水するとフルーティーさがより際立ち、軽やかで奥行きのある風味に。ストレートでは深みと重厚感が強調され、樽の香ばしさやウッディさも感じ取れます。
余韻は長く、フルーツとオークが心地よく残る。全体として非常にバランスの取れた味わいで、「これぞイチローズモルト」と評される理由がよく分かります。
イチローズモルトDDは本当に終売したのか?
ここが多くの人が気になっている点でしょう。
結論から言うと、現時点(2025年10月)で公式に「終売」と発表されたわけではありません。
ただし、以下のような背景から「実質的な終売」と見られているのが現状です。
- 羽生蒸溜所の原酒が枯渇しつつある
2000年に閉鎖された羽生蒸溜所の在庫は限られており、今後新たに生産できる見込みはありません。 - リリース数の減少・流通制限
近年、販売数が明らかに減少。抽選販売や限定入荷の店舗が増えています。 - 価格の高騰と在庫薄
実売価格が定価の2倍以上に跳ね上がっており、一般的な酒販店での入手がほぼ不可能に。 - 仕様変更の可能性
メーカー側が「今後のブレンドを変更する可能性がある」としており、同じレシピのDDは近い将来なくなる可能性が高いとみられています。
このため、「現仕様(羽生+秩父ブレンド)のDDは終売間近」と言われているのです。
定価と現在の市場価格の違い
イチローズモルトDDの定価は8,800円(税込)。
しかし現在の市場価格は大きく乖離しています。
・通販サイトでは20,000円〜25,000円前後が相場
・オークションやフリマでは30,000円超えも珍しくない
・一部専門店では“終売ボトル扱い”として高値販売
この価格差の要因は単なる人気ではなく、原酒の希少性と供給制限にあります。
また、転売需要や海外コレクターの買い占めも影響しており、在庫が一気に減少。結果として、一般の愛好家が手に入れづらい状況が続いています。
イチローズモルトDDの入手方法と注意点
1. 正規販売店・抽選販売を狙う
現在、正規取扱店では「抽選販売」「会員限定販売」などが主流です。
店舗やオンラインショップでメール登録をしておくと、再入荷情報を受け取れることもあります。
定価で購入したいなら、このルートが最も確実です。
2. 信頼できるオンラインショップを利用
Amazonや楽天などにも出品はありますが、販売価格や出品者の信頼性には注意が必要です。
ラベルの状態・箱付きかどうか・正規輸入品かを必ず確認しましょう。希少品ゆえに偽物も出回るリスクがあります。
3. BARやウイスキー専門店での試飲
ボトルを買わなくても、バーで1杯から楽しむという選択もあります。
「終売前に味を覚えておきたい」「現仕様を今のうちに味わいたい」という方におすすめです。
特に秩父系のボトルを扱う専門バーでは、開栓済みのDDを提供していることもあります。
4. ふるさと納税の返礼品として
一部自治体では、イチローズモルト リーフシリーズがふるさと納税の返礼品に採用されたこともあります。
数量限定のため、早期に終了することが多いですが、タイミング次第では手に入るチャンスも。
終売の背景にある「羽生原酒の限界」
イチローズモルトDDが特別とされる理由は、羽生蒸溜所の原酒がブレンドされていること。
しかし、その羽生原酒はすでに約20年以上前に蒸溜されたもので、当然ながらストックは有限です。
羽生原酒を使ったボトルは、今後増えることがなく、むしろ消費される一方。
このため、羽生+秩父の組み合わせを維持できなくなれば、DDは別仕様(秩父のみなど)に移行する可能性が高いと考えられています。
つまり、「羽生原酒を使ったDD」は実質的に終売が避けられない状況にあるのです。
コレクター・投資家目線での価値
イチローズモルトシリーズは、国内外で人気が高く、特に羽生原酒を含むボトルはオークション市場でも常に注目されています。
・「イチローズモルト カードシリーズ」はすでに数十万円の取引も
・DDも将来的にはプレミア化が進む可能性あり
・ただし市場の変動が大きく、投資目的での購入にはリスクも
投資目的で買う場合は、真贋確認・保存状態・市場動向をしっかり把握することが重要です。
また、酒類の転売には法的制限もあるため、個人間売買には十分な注意が必要です。
イチローズモルトDDを味わうなら今
もしあなたが「飲むために買うか迷っている」なら、今がベストタイミングかもしれません。
このボトルは、単なるコレクションではなく、味わってこそ真価を発揮するウイスキーです。
現仕様の羽生原酒ブレンドを体験できるのは、あとわずか。
終売が公式に発表される前に、ぜひ一度グラスを傾けてみてください。
その香りと余韻は、きっと忘れられない一本になるはずです。
まとめ|イチローズモルトDD終売と今後の動向
イチローズモルトDDは、羽生と秩父という2つの蒸溜所を繋ぐ特別なウイスキー。
現時点では正式な終売発表はないものの、羽生原酒の枯渇や流通制限などから、実質的に終売が近いと考えられています。
・定価:8,800円(税込)
・市場価格:20,000円〜
・終売の要因:羽生原酒の在庫限界
・入手方法:抽選販売・正規店・BARでの試飲など
ウイスキー市場は常に動いています。
新しいバージョンや限定リリースが登場する可能性もありますが、「羽生+秩父」の奇跡のブレンドを味わえるのは今だけ。
希少ボトル「イチローズモルトDD終売」の真相を知った今、あなたはこの一杯をどう楽しみますか。

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