「最近、クラフトスパイスソーダを見かけなくなった…」
そんな声がSNSでもじわじわ増えています。サッポロビールが手がけたこの無糖系スピリッツは、一時期「食中酒ブーム」の流れに乗って注目された存在でしたが、現在は販売終了(終売)を示す情報も見られます。
この記事では、なぜクラフトスパイスソーダが終売となったのか、その背景や今後の可能性について徹底的に掘り下げていきます。
クラフトスパイスソーダとは?スパイスの香りを活かした“食中酒”
まずは、改めてクラフトスパイスソーダの特徴を振り返りましょう。
この商品は、サッポロビールが「食事を引き立てるお酒」をコンセプトに開発した無糖チューハイ系飲料です。レモンピール、ジンジャー、カルダモン、ローレルなど、複数のスパイスを組み合わせて作られた“スパイススピリッツ”をベースにしており、果汁ではなくスパイスの香りと爽快感で楽しむタイプ。
「甘くない」「食事と合う」「スパイスの刺激が心地よい」といった評価が多く、発売当初は“クラフト感”のあるチューハイとして注目されました。
アルコール度数は6%、すっきりとした味わいながらも飲みごたえがあり、他の缶チューハイとは一線を画す個性派ドリンクでした。
リニューアルが行われた2024年春 まだ終売ではなかった?
実は、クラフトスパイスソーダは2024年5月29日付でサッポロビールから「中味とパッケージのリニューアル」が正式に発表されています。
同年6月製造分からは、ブラックペッパーやジンジャーの香りを強化し、よりスパイス感を引き立てた仕様に変更。パッケージも爽やかな青系デザインへ刷新されました。
つまり、2024年夏までは明確に販売継続フェーズにあったということです。
そのため「終売」という言葉だけが一人歩きしている可能性もあり、完全な販売終了と断定するのは早計かもしれません。
ただし、その後一部の通販サイトや店舗では「在庫限り」「取り扱い終了」の表示が見られるようになり、出荷数が減少したことは確かです。結果的に「終売なのでは?」という憶測が広がったと考えられます。
公式サイトに掲載された「製造終了リスト」とは?
サッポロビール公式サイトの「製造終了商品一覧」ページに、クラフトスパイスソーダの名前が掲載されていることも確認されています。
このページに掲載される商品は「すでに製造を終えたもの」や「リニューアルなどで生産切替が行われたもの」も含まれます。必ずしも“完全撤退”を意味するものではありません。
しかし、多くの消費者がこの一覧を見て「もう買えないのか」と感じるのも自然なこと。
メーカーがリニューアルを経て再販売しているケースもあるため、「製造終了リスト=終売」とは限らない点に注意が必要です。
クラフトスパイスソーダが“見かけなくなった”理由
もし店頭でクラフトスパイスソーダを見かけなくなったと感じるとすれば、いくつかの要因が考えられます。
1. スパイス系無糖チューハイの市場がニッチだった
「甘くないチューハイ」「スパイスが香る」というコンセプトは魅力的ですが、一般的な嗜好からはやや外れます。
口コミを見ても「おいしいけどクセがある」「食事には合うけど単体では物足りない」といった声があり、ファン層が限られていた可能性があります。
2. 販路の限定や在庫整理
通販サイトでは「在庫わずか」「取り扱い終了」との表示が増えており、流通量が減ったことが伺えます。
リニューアルや生産切替のタイミングで一時的に店頭から姿を消した、あるいは販路を絞ったという可能性も高いです。
3. コストや製造効率の問題
クラフトスパイスソーダは複数のスパイス原料を使用しているため、一般的なチューハイよりも原価が高いと考えられます。
また、無糖で味のバランスを保つための調整も難しく、製造効率の面から見ても採算が取りづらかったのかもしれません。
4. ブランド整理によるラインアップ再編
サッポロビールは「濃いめのレモンサワー」や「99.99(フォーナイン)」など、複数のRTD(Ready To Drink)ブランドを展開しています。
競合他社との激しいシェア争いの中で、リソースを主力商品へ集中させるため、クラフトスパイスソーダが整理対象になった可能性も考えられます。
消費者の反応 「再販してほしい」の声も
SNSやレビューサイトでは、「無糖で食事に合うお酒として最高だった」「あのスパイス感は唯一無二」といった再販希望の声が複数見られます。
特に「甘くないお酒を探している層」「クラフト系の風味を好む層」からの支持が強く、終売が事実であれば惜しまれる存在といえるでしょう。
中には、リニューアル版を飲んだ感想として「以前よりスパイス感がマイルドになった」「初期版のほうが好みだった」との意見もあり、ファンの間で議論が分かれています。
それだけこの商品に対する注目度が高かった証拠でもあります。
今後の展開は?リニューアル再登場の可能性も
クラフトスパイスソーダが“完全に終売”であっても、再登場の可能性は十分にあります。
サッポロビールはこれまでにも人気商品の再販や季節限定復活を行っており、「クラフトスパイス」というテーマ自体は時代のトレンドとも相性が良いからです。
たとえば、低糖質志向・食事中酒ニーズの高まりにより、「甘くない×スパイス系×無糖チューハイ」というジャンルは依然として一定の需要があります。
今後、改良された新バージョンや派生シリーズとして復活するシナリオも考えられるでしょう。
また、リニューアルのたびに中味が調整されていることから、「クラフトスパイスソーダ」という名前が変わって登場する可能性もあります。
“ブランド名は消えてもコンセプトは生き続ける”というケースは酒類業界では珍しくありません。
代替商品・類似商品を探すなら?
クラフトスパイスソーダのように「無糖・スパイス系・爽快感重視」のチューハイを探している人には、次のような商品が候補になります。
- サッポロビール「濃いめのレモンサワー」無糖タイプ
- キリン「発酵レモンサワー」ドライシリーズ
- サントリー「‐196℃ ストロングゼロ〈ドライ〉」
- アサヒ「樽ハイ倶楽部」スパイス系フレーバー
これらはクラフトスパイスソーダほどスパイシーではありませんが、甘くない・すっきり系の方向性は共通しています。
今後、スパイスブームの再燃とともに、より個性的な無糖チューハイが登場する可能性もあります。
まとめ:クラフトスパイスソーダ終売の真相と今後の期待
クラフトスパイスソーダの“終売”は、完全撤退というよりも「生産終了・流通縮小・ブランド整理」の複合的な事情によるものと考えられます。
2024年春にはリニューアルが行われた形跡もあり、サッポロビールとしては一定の可能性を探っていたことがわかります。
甘くないチューハイ、スパイス系飲料、クラフト系ドリンクといった潮流は今後も続くでしょう。
もしクラフトスパイスソーダが再び登場するなら、その時は“食中酒の新しいスタンダード”として再評価されるかもしれません。
いずれにせよ、クラフトスパイスソーダが残した“スパイスと炭酸の融合”という試みは、今後のRTD市場にとって大きなヒントになるはずです。

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