「えっ、ジェット27が終売？」
そんなニュースに驚いた人も多いはず。
長年カクテルファンに愛されてきたフランス生まれのミントリキュール「ジェット27」。その爽快な香りと甘みは、他のリキュールでは代えがたい存在でした。
今回は、なぜジェット27が市場から姿を消すことになったのか。そして、その代わりに楽しめるおすすめのミントリキュール3選を詳しく紹介します。
ジェット27とは？フランス生まれの王道ミントリキュール
まずは、ジェット27がどんなお酒だったのかを振り返ってみましょう。
ジェット27（Pippermint Get 27）は、フランス・トゥールーズ近郊で生まれた老舗ブランド。
18世紀末から続く伝統ある蒸留技術を背景に、世界中から厳選した7種類のミントをブレンドして作られていました。
かつてはアルコール度数27度だったことから「27」の名が付けられ、現在は21度前後の仕様として販売されていました。
フレッシュで清涼感のあるミントの香りと、程よい甘み。カクテルに使えば爽快感をプラスしてくれる万能リキュールです。
代表的な使い方は、やはり「グラスホッパー」。
ミントリキュール、カカオリキュール、生クリームを合わせたデザートカクテルの定番ですね。
ほかにも「ミントビア」や「フラッペ」にして楽しむ人も多く、家庭用からバーシーンまで幅広く愛されていました。
終売の報に広がる衝撃と困惑
そんなジェット27が「終売予定品」「販売終了」として店頭やECサイトで告知されたのは2024年末ごろ。
一部ショップでは「おひとり様1本まで」などの制限がかかり、SNSでは「在庫を探し回った」という声も見られました。
特にカクテル愛好家やバーテンダーにとっては痛手。
ミントリキュールといえばジェット27、というほど定番だったため、突然の終売に驚きと戸惑いが広がったのです。
一方で、メーカー公式サイトでは明確な終了日や理由の発表はなく、販売店側から「終売予定」「在庫限り」との案内が出ている状態。
つまり“実質的な終売”と見るのが現状でしょう。
今後は、在庫分が市場から消えた時点で入手が難しくなる見込みです。
バー業界やファンの間では、すでに“ジェット27ロス”が話題になりつつあります。
なぜジェット27は終売となったのか？
公式の明言はないものの、複数の要因が重なっていると考えられます。
1. 原材料コストと輸入コストの高騰
ジェット27は世界中から複数のミントを調達して作られていました。
為替の変動や物流費の上昇は、輸入酒ブランドにとって大きな負担です。特に2020年代以降、国際的な原料価格の上昇が続いており、採算が取りづらくなった可能性があります。
2. 市場の変化と需要の低下
ミントリキュール自体はカクテル定番ながら、家庭での需要は限定的。
「映える」甘口リキュールのトレンドが減少したことも影響しているでしょう。バー業界でも他のスピリッツが注目され、ジェット27のような“クラシックリキュール”の需要が落ち込んでいる現実があります。
3. ブランド戦略の整理
ジェット27を扱うバカルディグループでは、姉妹品の「ジェット31（ホワイトミント）」を継続販売しています。
緑色の27が終売し、透明の31を残すという動きは、ブランド再編の一環とも考えられます。
今後は「ジェット＝ホワイトミント」という方向にシフトしていくのかもしれません。
これらの背景を踏まえると、「供給コスト」「市場ニーズ」「ブランド整理」という3つの要因が重なっての販売終了とみられます。
ジェット27が消えることで起きる影響
ミントリキュールを扱うバーや飲食店では、カクテルレシピの見直しが必要になります。
「グラスホッパー」「ミントビア」など、ジェット27を基準に味のバランスを取っていたメニューでは、他銘柄への置き換えで微調整が必要です。
香りが強いリキュールに変えると甘みが過剰になり、逆に香りが弱いとミント感がぼやける。
度数や糖度の違いも仕上がりに影響します。
また、ジェット27特有の深いグリーンカラーは、見た目の印象にも大きく関わっていました。
透明タイプのミントリキュールでは、同じ“鮮やかさ”が再現できないため、ビジュアル面でも代替が難しいという声が上がっています。
ファンの中には「これを機にミント系を飲み比べている」「新しいリキュールを探す楽しみができた」という前向きな意見も見られます。
一方で「これだけは代わりがない」と語る根強い愛好者も少なくありません。
ジェット27の代わりにおすすめのミントリキュール3選
終売後もミントリキュールを楽しみたい人へ。
風味や色味、使いやすさのバランスが良いおすすめ銘柄を3つ紹介します。
1. ボルス ペパーミントグリーン
オランダの老舗ブランド「ボルス」が手がける定番リキュール。
ジェット27と同じく緑色で、ミントの爽快さと程よい甘さが特徴です。価格も比較的手頃で、カクテル初心者にも扱いやすい一本。
グラスホッパーやミントミルクなど、ジェット27に近い用途で違和感なく使えます。
2. マリーブリザール クレーム・ド・ミント グリーン
フランス・ボルドー発の伝統ブランド。
香りが上品で、甘さの中に繊細な清涼感があります。
デザートカクテルやショートドリンクに向いており、特に「滑らかで女性的な味わい」と評されることも多いリキュールです。
ジェット27よりも少し甘めなので、ミントを引き立てたいカクテルにぴったり。
3. バーディネー クレーム・ド・ミント グリーン
同じくフランスのリキュールブランド、バーディネーによるクラシックな一本。
香りは強めで、カクテルに華やかさを加えたい時におすすめ。
ジェット27ほど軽やかではないですが、ミント特有の清涼感をしっかり感じられるタイプです。
価格と入手性のバランスもよく、家庭用にもバー用にも対応しやすい銘柄です。
ミントリキュールを選ぶときのポイント
代替リキュールを探す際は、次の3つの視点を意識してみてください。
- 色味（グリーン or ホワイト）
見た目を重視するならグリーン系を。
味や香りのバランスを優先するなら透明なホワイト系も選択肢になります。 - 度数と甘みのバランス
ジェット27は21度前後で甘さ控えめ。
同じレシピを再現したい場合は、近い度数・糖度の銘柄を選ぶと安定します。 - 香りの方向性
ペパーミント系（清涼感重視）か、スペアミント系（柔らかい香り）かで印象が変わります。
カクテルごとに香りの強弱を調整すると、オリジナルに近い味を再現できます。
ジェット27ロスをどう乗り越えるか
長年親しまれた銘柄が終売になると、寂しさを感じるのは当然。
しかし、ミントリキュールの世界にはまだまだ魅力的な選択肢があります。
お気に入りのカクテルを別の銘柄で再構築する。
新しい組み合わせを試してみる。
それもまた、お酒の楽しみ方のひとつです。
在庫が残っているうちにジェット27をもう一度味わっておくのもいいでしょう。
その上で、新しいミントリキュールとの出会いを楽しむ――それが一番前向きな“ジェット27ロス”の癒し方かもしれません。
ジェット27終売まとめと今後の楽しみ方
ジェット27の終売は確かに残念ですが、それは決して“ミントリキュールの終わり”ではありません。
むしろ、新しい銘柄との出会いや、自分好みの味を探すきっかけになります。
ボルス ペパーミントグリーン、マリーブリザール クレーム・ド・ミント グリーン、バーディネー クレーム・ド・ミント グリーン――。
それぞれに個性があり、カクテルの幅を広げてくれる存在です。
終売のニュースをきっかけに、改めて自分の好みを探る時間にしてみてください。
ミントの香りが好きな人なら、きっと次の一本が見つかるはずです。
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