「ステラアルトワって、もう日本では買えないの?」
そんな声がここ最近、SNSや飲食店の間で増えています。
確かに一部では「終売」「取り扱い終了」といった言葉が目立ち、長年のファンにとっては不安なニュースです。
でも実際のところ、完全に消えてしまったわけではありません。ここでは、ステラアルトワが「終売」と言われるようになった背景と、今後の入手方法について詳しく見ていきましょう。
ステラアルトワとはどんなビール?
ステラアルトワ(Stella Artois)は、ベルギー・ルーヴェンで生まれたラガービールです。
「Stella(星)」という名の通り、1926年にクリスマス限定ビールとして発売されたのが始まり。ピルスナータイプのすっきりとした味わいで、世界中で“高級感のあるプレミアムビール”として親しまれてきました。
ベルギー発のブランドではありますが、現在はアメリカのビール大手アンハイザー・ブッシュ・インベブ(ABインベブ)が所有。日本でも長らく輸入・販売され、バーやレストランの定番メニューとして人気を博してきました。
「終売」報道のきっかけはどこにあったのか
ネット上で「ステラアルトワが終売」と話題になったのは、飲食店関係者の投稿がきっかけでした。
とあるバーでは「日本で発売終了になりました」「これが最後の樽です」といった告知が出され、ファンの間に衝撃が走りました。
また、業務用の樽ビール「ステラアルトワ ピュアドラフト ペット樽」には、実際に“メーカー終売”の文字があり、業務チャネルでは取扱停止が進んだようです。
こうした動きが、消費者に「もう手に入らないのでは?」という印象を与えました。
一方で、オンラインショップを覗いてみると、依然として「ステラアルトワ 310ml(原産国:中国)」という商品が販売されています。つまり、完全に日本市場から姿を消したわけではなく、「一部仕様変更+流通縮小」というのが実情に近いのです。
終売のように見える4つの理由
では、なぜ多くの人が「終売」と感じるのでしょうか。
背景にはいくつかの要因が重なっています。
1. 販売代理店の変更
かつてステラアルトワはアサヒビールが輸入・販売を担当していましたが、2017年末をもって契約を終了。翌2018年からはABインベブ日本法人が直接取り扱う体制へ移行しました。
この切り替え時に一時的な流通の混乱が起こり、「店頭から消えた」「卸が止まった」といった声が相次いだのです。
2. 原産国と容量の変更
以前はベルギーまたはドイツ製の330ml瓶が主流でしたが、近年では中国製の310ml仕様に切り替わっています。
この仕様変更は、世界的な物流コスト上昇や生産体制の最適化によるものと考えられます。
ただし“ベルギー産”という印象が強かったため、「あの味がなくなった」と感じた人も少なくありません。
3. 飲食店向けの樽ビール供給停止
国内では生樽版の取り扱いが減少。多くのバーが「ステラアルトワ樽終売」と掲示するようになり、これが「日本での終売」という誤解を広げました。
瓶や缶は流通していても、飲食店で見かける機会が激減したのは確かです。
4. 販売モデルの見直し
近年、ABインベブはステラアルトワを“数量・期間限定モデル”として展開する戦略にシフトしています。
2024年冬には「ホリデーシーズン限定版」として再登場しており、常時販売からシーズナル販売へと切り替わった形です。
通年で見つからなくなった理由のひとつが、この「限定化」にあります。
「完全終売」ではない。現在も入手できるルート
ステラアルトワは今も日本で入手可能です。
ただし、以前のようにどのスーパーやバーでも買えるわけではありません。以下のようなルートが中心になります。
- 公式通販・専門輸入サイト
一部の輸入酒販売サイトでは、310ml瓶を常時取り扱っています。
原産国は中国表記が多く、ベルギー製旧仕様はほとんど市場から消えつつあります。 - オンラインモール(Amazon・楽天など)
並行輸入品や旧仕様を扱う業者もあります。ただし賞味期限や輸送経路に注意が必要です。
“ベルギー製”と記載されていても、実際には製造国が異なる場合もあるため、購入前に詳細を確認しましょう。 - 一部飲食店の在庫・ストック
樽を確保していたバーでは「ラスト数本」として提供しているケースも。
SNSや公式サイトで「まだ飲めます」と発信している店舗を探すのも手です。
味や品質は変わったのか?
「ベルギー産のときの方が美味しかった」という声は確かにあります。
原産国変更により、使用される水や麦芽のわずかな違いが風味に影響している可能性はあります。
しかし、製法自体はステラアルトワのレシピに基づいており、ブランドとしての品質基準は維持されています。
実際に飲み比べた人のレビューでは、「香りやコクは若干軽くなったが、爽快感が増した」「飲みやすくなった」という意見も。
味わいの違いはあるものの、ステラアルトワらしい清涼感や滑らかな口当たりは健在といえるでしょう。
今後の再販や復活の可能性は?
ステラアルトワが完全撤退する兆候は見られません。
むしろ、季節限定モデルや特別仕様缶の発売など、マーケティングを継続する動きが見られます。
ABインベブは世界的に「プレミアムラガー」の位置づけを強化しており、日本でも需要が一定ある限り、完全に消える可能性は低いと考えられます。
ただし、流通量が安定しない時期や限定生産のタイミングでは、品切れが発生するかもしれません。
見かけたときにまとめて購入しておくのも一つの方法です。
ステラアルトワの「終売」をめぐる誤解
多くの人が「ステラアルトワ=終売」と感じるのは、
・旧仕様(ベルギー製・樽仕様)の終売
・販売代理店の交代による一時的な空白
・数量限定化による店頭在庫の減少
こうした複合的な要因が絡んでいるからです。
つまり、「全てのステラアルトワが終売した」というより、
「見慣れた形で流通していたバージョンが終了した」という方が正確でしょう。
現在のステラアルトワは新体制・新仕様で細々と続いており、再び限定モデルとして注目を集めつつあります。
ファンができることと注意点
ステラアルトワを探す際には、次の点を意識するとよいでしょう。
- 「ベルギー製」「中国製」など原産国の違いを確認する
- 並行輸入品を購入する際は販売者情報や賞味期限をチェック
- 飲食店で見つけたら在庫状況を聞いてみる
- 数量限定発売のタイミングをSNSやニュースで追う
また、ビール紹介記事やSNS投稿では、酒類関連の法律にも留意が必要です。
飲酒は20歳以上のみ、過度な飲酒を助長する表現は避けること。
景品表示法や酒類業界のガイドラインに沿って、正確な情報を伝えることが大切です。
ステラアルトワ終売の理由とこれから
まとめると、ステラアルトワが「終売」と呼ばれる背景には、
・販売代理店の切り替え
・原産国や容量の変更
・生樽の供給終了
・数量限定販売への移行
といった複数の要素が重なっています。
しかし、ブランド自体が消えたわけではなく、形を変えて今も続いています。
むしろ季節限定モデルなどで再び注目される可能性も十分にあります。
これまでの「ベルギーの星」に代わり、新たな姿で登場したステラアルトワ。
その変化を楽しみながら、次の一杯を探してみてください。

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