「最近ストロングボウを見かけないけど、もう売ってないの?」
そんな声がSNSやお酒好きの間でじわじわと広がっています。
かつて「世界一売れているシードル」とも呼ばれたストロングボウ。
日本でも数年前まで、バーや輸入酒専門店でその名前をよく見かけました。
しかし、今ではほとんど姿を消しています。
今回は、なぜストロングボウが終売となってしまったのか、そして今後また手に入る可能性はあるのか。
さらに、現在も購入できる入手方法や代替商品の選び方まで、詳しく解説します。
ストロングボウとは?世界的なシードルブランドの魅力
ストロングボウ(Strongbow)は、イギリス発祥のリンゴを原料にした発泡酒「シードル(サイダー)」のブランドです。
その軽やかでフルーティーな味わいは、ビールよりも飲みやすく、ワインよりもカジュアル。
アルコール度数も4〜5%前後と控えめで、男女問わず人気がありました。
特に海外では、若者を中心に「食事に合うお酒」「昼間でも楽しめる軽めのアルコール」として定番化しており、世界的な販売量を誇るブランドのひとつです。
日本では2018年頃から本格的に流通が拡大し、バーやスーパーでも見かけるようになりました。
しかし、そんな人気ブランドが、なぜ日本市場から姿を消してしまったのでしょうか。
ストロングボウが終売した理由①:日本の酒類市場の変化
まず大きな背景として挙げられるのが、日本国内の酒類市場の縮小です。
ここ数年で「若者のアルコール離れ」「健康志向の高まり」「在宅飲みの多様化」などが進み、全体的なアルコール消費量は減少傾向にあります。
その影響を受けやすいのが、ストロングボウのような“中間ジャンル”のお酒です。
ビールほどの定番でもなく、ワインほどの高級感もない。
シードルというカテゴリー自体がまだ日本ではニッチな存在であり、安定した販売量を確保するのが難しかったと考えられます。
さらに、輸入酒ブランドの場合、為替の影響や物流コストの上昇も直撃します。
販売量が減れば減るほど、輸入・流通のコストを吸収できず、採算が合わなくなる。
結果的に「終売」や「取り扱い停止」に至るケースが少なくありません。
ストロングボウが終売した理由②:シードル市場の成長鈍化
2010年代後半、日本でも「果実酒ブーム」や「クラフトサイダー」などのトレンドが見られました。
その中でストロングボウは、“おしゃれで飲みやすい海外サイダー”として注目を集めましたが、ブームのピークは短命でした。
国内の大手メーカーも一時的にシードル製品を投入しましたが、継続的なヒットには至らず、次々と終売。
「飲みやすいけれど価格がやや高い」「売り場での露出が少ない」といった点がハードルになり、消費者の選択肢から徐々に外れていったと考えられます。
また、コンビニやスーパーでは、チューハイ・ハイボール・クラフトビールといった商品が次々と登場。
同じ炭酸系カテゴリーで競合が激化したことも、ストロングボウの販売が伸び悩んだ要因のひとつでしょう。
ストロングボウが終売した理由③:ブランド戦略と流通の難しさ
海外ブランドのアルコール製品を日本で継続的に展開するには、安定した販売網と宣伝が欠かせません。
しかし、ストロングボウの場合、販売当初は話題性こそありましたが、定番商品としての定着には至りませんでした。
ビールやチューハイのようにテレビCMや大量販促を行う規模ではなかったため、認知度が伸びず、棚スペースの確保も難しかったとみられます。
飲食店での提供も限定的で、消費者が「日常的に手に取るきっかけ」が少なかったのです。
また、2020年前後の物流混乱や輸入制限の影響も無視できません。
この時期、多くの輸入酒ブランドが一時的に入荷を停止しており、ストロングボウもその流れの中で販売が縮小したと考えられます。
その後、販売が再開されることなく、実質的な終売状態となったようです。
ストロングボウの終売は公式発表ではない?
実は、ストロングボウの「終売」を正式に発表したリリースは確認されていません。
つまり「販売終了の告知」は出ていないのです。
それにもかかわらず「終売」と言われるのは、全国的に在庫が枯渇し、正規ルートでの流通がほぼ止まっているから。
飲食店のSNS投稿でも「終売になってしまったため、別のシードルに切り替えた」といったコメントが相次いでいます。
このことから、メーカーや輸入代理店が明確に「撤退」を宣言したわけではなく、販売量の減少や流通コストの上昇により、自然消滅的に市場から姿を消した可能性が高いです。
今後の再販や復活の可能性はある?
結論から言えば、「再販の可能性はゼロではないが、現時点では低い」と考えられます。
ストロングボウは世界的にはまだ生産が続いており、欧米では現在も販売されています。
したがって、輸入代理店が再び日本市場での展開を決定すれば、復活する余地はあります。
ただし、そのためには販売チャネルの確保や、シードル市場自体の盛り上がりが必要。
現状では、消費者ニーズがチューハイやクラフトビールへと分散しており、シードル単体での再ブームは起きにくい状況です。
一方で、健康志向や“低アルコールでおしゃれに飲めるお酒”への関心は確実に高まっています。
この流れが再び強まれば、ストロングボウのような軽やかなサイダーが再注目される可能性もあるでしょう。
まだ買える?ストロングボウの入手方法
完全に市場から姿を消したわけではなく、探せば入手できるケースもあります。
以下のようなルートをチェックしてみましょう。
- 輸入酒専門店・酒販店
一部の専門店では、在庫限りで取り扱っていることがあります。店舗に直接問い合わせるのが確実です。 - オンラインショップ・ECサイト
並行輸入品や旧在庫が残っていることもあり、Amazonや楽天などで販売されている場合があります。
ただし、価格は通常より高めで、在庫も限られている点に注意が必要です。 - 海外からの個人輸入
ストロングボウは海外では今も生産されているため、個人輸入を利用すれば購入できる可能性もあります。
ただし、アルコール類の輸入には制限や税金がかかるため、自己責任で慎重に行う必要があります。 - 飲食店・バーの在庫
一部のバーでは、以前仕入れたストックを提供しているケースも。
常連店やSNSで情報を探してみると、思わぬ出会いがあるかもしれません。
代替商品としておすすめのシードル
もしストロングボウが手に入らない場合でも、味わいが近い代替品はあります。
- マグナーズ
アイルランド産のシードルで、ストロングボウと同様にリンゴの香りが強く、やや甘め。国内流通も安定しています。 - キリン ハードシードル
日本国内メーカーが手掛ける代表的なシードル。爽やかな酸味と軽快な炭酸で、手軽に楽しめます。 - サッポロ アップルワインスパークリング
ワイン寄りの味わいながら、果実感の強さと飲みやすさはシードルに近いテイスト。スーパーでも見かけやすいです。
これらはそれぞれ個性がありますが、ストロングボウを懐かしむ人にとっても十分満足できる選択肢でしょう。
ストロングボウ終売に感じる“惜しまれる声”
ストロングボウは、単に「お酒」という枠を超えて、“新しい飲み方の提案”をしてくれたブランドでした。
リンゴの香り、軽い口当たり、スタイリッシュなボトル。
ビールが苦手な人や、ワインよりも手軽に楽しみたい人にとって、理想的な一杯だったのです。
だからこそ、今でも「また飲みたい」「もう一度復活してほしい」という声が後を絶ちません。
国内では終売状態ですが、その存在は多くのファンの記憶に残り続けています。
ストロングボウ終売のまとめ:今後の展望と楽しみ方
ストロングボウが終売した理由は、
・市場全体の縮小
・シードル需要の鈍化
・輸入コストの上昇
・流通・販促の難しさ
といった複数の要因が重なった結果と考えられます。
とはいえ、世界的にはいまだ健在のブランドです。
いつの日か、再び日本でその爽やかな味を楽しめる日が来るかもしれません。
それまでは、代替シードルや国産のクラフトサイダーを試してみるのもおすすめです。
新しいお気に入りを見つけながら、またストロングボウが帰ってくる日を楽しみに待ちましょう。
※本記事は酒類に関する一般的な情報をもとに構成しています。
未成年者の飲酒・飲酒運転は法律で禁止されています。飲酒は20歳を過ぎてから、節度をもって楽しみましょう。

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