「最近ドラフティを見かけない…もしかして終売?」
そんな声がじわじわ増えている。サッポロビールが手がけた微アルコール飲料「ザ・ドラフティ」は、0.7%という絶妙なアルコール度数で「酔わないビール」として人気を集めた商品だ。
しかし2024年頃から「売っていない」「どこにも置いていない」といった声がSNSや口コミサイトで急増している。この記事では、ドラフティがなぜ姿を消したのか、そして今どこで手に入るのかを徹底的に探っていく。
ザ・ドラフティとは?“微アル”という新ジャンルへの挑戦
サッポロビールが発売した「ザ・ドラフティ(THE DRAFTY)」は、アルコール度数わずか0.7%の微アルコール飲料。
「ノンアルでは物足りないけれど、ビールほど飲みたくない」――そんな層に向けて2021年に登場した。ビールのように麦芽100%を使用し、ホップを3段階で加えるなど、製法にもかなりのこだわりがあった。
氷点下熟成による麦の香ばしさと苦味、そしてほんのり酔える感覚。発売当初は「これ、ノンアルじゃないの?」と驚かれるほどの完成度だった。
サッポロビールはこの商品を「自由な飲み方を提案する新しいビール体験」として打ち出し、ビールとノンアルの中間に位置する“微アル市場”の開拓を狙った。
だが、この「中間の存在」こそが、のちに苦戦の原因になった可能性がある。
店頭から姿を消した?「終売」と噂される現状
2024年以降、スーパーやコンビニでドラフティを見かけなくなったという声が急増した。
実際、SNSやビール系のブログでは「近所のスーパーから消えた」「在庫限りで終了?」という投稿が相次いでいる。
一方で、Amazonや楽天などの通販サイトでは今でも購入可能な場合がある。
ただし、ケース単位での販売が中心で、価格も発売当初より上昇傾向。
一部の店舗では「終売品」「在庫限り」と明記して販売している例も確認されている。
サッポロビール公式サイトには「製造終了」の明記は現時点で見当たらないが、公式リリースや新製品情報の更新も途絶えている。
つまり、「公式には終売発表なし」だが、「流通量が減少し、事実上入手困難」になっている――そんな状態だ。
なぜドラフティは消えたのか?5つの要因を読み解く
1. ニーズの中間点が難しかった
ドラフティが掲げた「微アルコール(0.7%)」というポジションは、ビール派にもノンアル派にも刺さりづらかった。
「少し酔いたい」人には物足りず、「完全に酔いたくない」人にはアルコールが強すぎる。
市場としては確かに新しかったが、明確な需要層を取り込めなかった。
また、健康志向の高まりで「ゼロ」「カロリーオフ」「糖質ゼロ」などの機能訴求型商品が主流となり、微アルコール飲料の存在感は薄れた。
「飲みたいけど健康が気になる」という層は完全ノンアルへ、「味わい重視」層はクラフトビールや発泡酒へ流れていったと考えられる。
2. 売り場の問題
消費者がドラフティを探す場所が分かりづらかったことも大きい。
多くのスーパーでは「ノンアルコーナー」か「ビールコーナー」か、そのどちらにも明確に属さないため、棚位置が曖昧になっていた。
結果的に「置いてあっても気づかれない」商品になってしまったのだ。
売り場の曖昧さは回転率の低下にも直結する。小売業では回転が悪い商品は早期に棚から外される傾向がある。
「売ってない」という声の背景には、こうした流通面の課題が隠れている可能性が高い。
3. 採算性の問題
ドラフティは「麦芽100%」「氷点下熟成」「ホップ3段階添加」など、本格的な製法を採用していた。
そのため製造コストは通常の発泡酒やノンアルよりも高く、利益率が低かったとみられる。
一方、価格帯はビールや新ジャンルと大きく差をつけられない。
味の完成度は高くても、採算が合いにくいビジネスモデルだった可能性がある。
4. 競合の増加と市場再編
サッポロビール以外の大手も、アサヒ ビアリーなど同系統の微アル商品を展開していた。
しかしこちらも同様に取扱店が減少しており、業界全体で「微アル」カテゴリーが苦戦していることがわかる。
結局、ノンアル市場では「完全0.00%」が主流となり、微アル市場は立ち位置を失った。
また、2020年代以降はクラフトビールやチューハイ系への人気が集中しており、ビールテイスト飲料の多様化が逆に市場を分散させている。
その波に飲まれたのが、ドラフティだったのかもしれない。
5. ブランド戦略の整理
大手メーカーでは毎年新商品が登場し、採算や需要に応じてブランドの整理が行われている。
サッポロビールも例外ではなく、プレミアムビール「YEBISU」やノンアル「プレミアムアルコールフリー」など、既存ブランドに注力する傾向が強まっている。
その中で「ザ・ドラフティ」はリニューアルを経ても販売促進が続かなかった。
リソース配分の見直しにより、自然と市場からフェードアウトしていったと考えられる。
実際の声:「どこにも売ってない」「通販しかない」
口コミを見ても「終売では?」と感じさせる声が多い。
「コンビニで全然見ない」「イオンにはあったけど、もう棚が変わってた」などのコメントが目立つ。
一方で「通販では普通に買える」「ケース買いならまだ在庫あり」といった意見もあり、完全に消滅したわけではない。
ただし通販では「在庫限り」「終売品」と書かれているケースも多く、今後継続的に入手できる保証はない。
「気に入っていたのにもう買えないかも」というユーザー心理が、“終売”という言葉を広めた一因だろう。
ドラフティの後継・代替商品はあるのか?
ドラフティのような「少しだけアルコールを感じたい」層に向けた代替商品は、いくつか存在する。
代表的なのが、アサヒ ビアリー(ALC.0.5%)やキリン グリーンズフリー(0.00%)など。
ただしどちらも方向性が異なり、「完全ノンアル」または「超微アル」という位置づけになっている。
もし「ビールに近い味を楽しみたい」「軽く酔いたい」という目的であれば、アルコール1〜2%程度のチューハイや、低アルコールクラフトビールを選ぶのも一つの方法だ。
一方で「飲んだ気分だけ味わいたい」なら、ノンアルコールビールの進化系商品が豊富に揃っている。
どちらを選ぶかは、飲むシーンや体質・気分によって分かれるだろう。
ドラフティ復活の可能性はある?
サッポロビールは過去にも、一度販売を終了した商品をリニューアルして再登場させた例がある。
特に“話題性のあるジャンル”や“熱狂的なファンが存在する商品”は、期間限定で復活することも少なくない。
ザ・ドラフティもファンが多く、SNS上では「もう一度飲みたい」「限定でもいいから復活してほしい」という声が多数上がっている。
ただし、現時点でサッポロビールから再販のアナウンスはなく、在庫限りの販売が続いているだけ。
復活を期待するなら、公式サイトやニュースリリースを定期的にチェックしておくのが良いだろう。
まとめ:ドラフティ終売の真相と今後の動き
「ドラフティ 終売」という検索が増えている背景には、実店舗での取扱減少がある。
公式に「販売終了」とは明言されていないが、流通量の減少と棚落ちが進み、実質的には市場から姿を消しつつあるのが現状だ。
その理由は、
・中間的なニーズの難しさ
・売り場配置の曖昧さ
・採算性の問題
・競合商品の拡大
・ブランド戦略の再編
といった複合的な要因によるものと考えられる。
とはいえ、今でも通販では購入可能な場合があり、好きな人にとっては“最後のチャンス”かもしれない。
「もう一度飲みたい」と感じているなら、在庫があるうちに手に入れておくのも一つの選択だ。
ドラフティが終売決定?ノンアルビール人気商品が消えた理由を徹底分析(まとめ)
ドラフティは「ノンアル以上・ビール未満」という絶妙な立ち位置で、確かに新しい挑戦だった。
だが市場の変化と消費者の嗜好のシフトにより、その存在は少しずつ影を潜めていった。
今後、健康志向や多様なライフスタイルが進む中で、“再び飲みたい微アル”として復活する日が来るかもしれない。
ビールファンとしては、その再登場を静かに待ちたいところだ。

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