ウイスキー好きの間で話題になっている「グレンモーレンジ エックス バイ」。一部の酒販サイトで「終売」や「販売終了」と表示されており、「もう買えないの?」と心配する声も多く聞かれます。
この記事では、実際にどんな状況なのか、なぜ終売と噂されているのか、そして今も手に入る場所はあるのかを丁寧に解説していきます。
グレンモーレンジ エックス バイとは?どんなウイスキーだったのか
「グレンモーレンジ エックス バイ(X by Glenmorangie)」は、スコットランド・ハイランド地方の名門蒸留所「グレンモーレンジィ」が手がけた新しいタイプのシングルモルトです。
もともとグレンモーレンジィは、軽やかで華やかな香りが特徴の「グレンモーレンジィ オリジナル」や「グレンモーレンジィ ネクタードール」などの定番ラインで知られています。その中でもグレンモーレンジ エックス バイは、“カクテルにも合うシングルモルト”をコンセプトに開発された、やや異色の存在でした。
味わいは、オリジナルの持つ柑橘系のフルーティーさやバニラの香りをベースに、より甘くリッチで厚みのあるテクスチャ。ソーダ割りやトニック割りなど、ハイボールやミキシングにもぴったりな仕上がりで、若い層やウイスキー初心者にも飲みやすい一本として注目を集めました。
700mlでアルコール度数は40%。日本国内の正規代理店であるMHDモエヘネシーディアジオ社のサイトでも紹介されており、発売当初は「自宅でも楽しめる新感覚のシングルモルト」としてプロモーションが行われていました。
いつの間にか姿を消した?終売の噂が広がった背景
では、なぜ「終売」「販売終了」と言われるようになったのでしょうか。
実際に国内の主要酒販サイトを調べると、「終売」「販売終了」「品切れ」「在庫限り」といった表記が並びます。多くの店舗では再入荷予定がなく、在庫ゼロの状態が続いているのが現状です。
特に大手通販サイトやウイスキー専門店では、「700ml 終売」「現在取扱いなし」などと明記されており、購入しようと思っても見つからない状態が続いています。
一方で、グレンモーレンジィ公式サイトや正規代理店のページには、明確な「販売終了」発表は出ていません。このため、「メーカー発表はないが流通が止まっている=実質的な終売」という状況と見るのが自然でしょう。
終売・販売終了の理由を考察する
メーカー公式の発表がない以上、確定的な理由は明言できませんが、いくつかの背景が推測されています。
1. ラインナップ再編と生産調整
グレンモーレンジィは、ここ数年でラインナップの再編を行っています。原酒供給や熟成樽の見直しに伴い、定番商品の構成を整理しているという見方があります。
特に「グレンモーレンジィ オリジナル」や「グレンモーレンジィ ネクタードール」など、長年の定番商品を中心に需要が集中しており、よりマス向けのグレンモーレンジ エックス バイが生産優先度で後回しになった可能性は否定できません。
2. ミキシング向け市場の変化
グレンモーレンジ エックス バイは「ハイボールやカクテルに合う」というコンセプトで登場しました。しかし、シングルモルト市場では“原酒そのものの香りを楽しむ”需要が再び高まっており、ブレンデッドやミキシング用途よりも“純粋なモルト体験”を求める流れに変化しています。
このトレンドの中で、ややカジュアル寄りだったグレンモーレンジ エックス バイが優先順位を下げられたのかもしれません。
3. 原料・コストの高騰
スコットランドでは原酒・樽・エネルギーコストの上昇が続いています。特にウイスキー業界全体で原価負担が増しており、採算性の低い商品は縮小や統合が進む傾向にあります。
輸入コストや為替の影響を考えると、比較的リーズナブルな価格帯であったグレンモーレンジ エックス バイは、維持が難しくなったと考えることもできます。
4. 流通在庫の整理
実際のところ、グレンモーレンジ エックス バイが「完全に生産終了」なのか「一時的な供給停止」なのかは不明ですが、在庫処分的な動きが先行していた様子も見られます。
このため、店舗によっては在庫限りで販売を終了し、残りが売り切れた段階で“終売”表記に切り替えた可能性もあります。
今でも買える?在庫が残っている販売店の傾向
「もう買えない」と言われる中でも、探せばまだ在庫が残っているケースもあります。
在庫を見つけるためのコツを整理しておきましょう。
- 地方の酒販店サイトをチェックする
大手通販で売り切れていても、地方の専門店にはまだ在庫が眠っていることがあります。店舗独自のオンラインショップや電話問い合わせで確認してみましょう。 - 並行輸入品を探す
海外ルートの並行輸入品なら、まだ出回っていることがあります。ただし、ラベル表記や品質保証の有無、輸入元の信頼性をしっかり確認しましょう。 - 中古・オークション市場
ヤフオク、メルカリ、楽天ラクマなどでも未開封ボトルが出品されていることがあります。価格が定価の倍以上に高騰している場合もありますが、コレクターズアイテムとしての需要も高いです。 - 海外通販サイト
海外のウイスキー専門サイト(例:The Whisky Shopなど)では「In stock」と表示されている場合もあります。ただし、日本への発送可否や関税・酒税の確認は必須です。
購入時には、価格だけでなく保管状態や信頼できる販売者かどうかをしっかり確認しましょう。終売品は返品・交換が難しい場合が多いので注意が必要です。
今後の再販・復活の可能性は?
「グレンモーレンジ エックス バイが再販されることはあるのか?」という点も気になりますよね。
過去、同ブランドでは「グレンモーレンジィ ネクタードール」「グレンモーレンジィ ラサンタ」などのリニューアル・再構成が行われており、完全な廃止ではなく「一時的な販売停止→リニューアル再登場」というパターンも存在します。
グレンモーレンジ エックス バイはブランドイメージ的にも若年層向けの戦略商品だったため、将来的に“新ボトル”や“限定復刻”という形で戻ってくる可能性もゼロではありません。
ただし、現時点ではメーカー公式にそのような発表はなく、「再販未定」としておくのが現実的です。
代わりに楽しめるおすすめウイスキー
もしグレンモーレンジ エックス バイが手に入らなかった場合、似たスタイルのウイスキーを探してみるのもおすすめです。
- グレンモーレンジィ オリジナル(10年)
軽やかでフルーティーなスタイルは共通しています。ソーダ割りでもしっかり香りが立ち、万能な定番ボトル。 - グレンモーレンジィ ラサンタ(シェリーカスク)
甘みとコクを求めるならこちら。カカオやレーズンのようなリッチな香りが特徴です。 - グレンモーレンジィ ネクタードール(ソーテルヌカスク)
デザートワイン樽由来の上品な甘さ。グレンモーレンジ エックス バイよりも華やかで高級感のある味わい。
これらはいずれも国内流通が安定しており、公式ラインナップとして継続販売されています。グレンモーレンジ エックス バイを気に入っていた方にもおすすめできる選択肢です。
グレンモーレンジ エックス バイ終売の真相と今後の動向
ここまでの調査をまとめると、
- メーカーからの正式な終売発表はなし
- しかし国内流通では在庫が枯渇、実質的に販売終了状態
- 終売理由はラインナップ再編やコスト高騰などの複合要因
- 今後の再販の可能性もゼロではない
というのが現状です。
ウイスキー市場は常に変化しており、「終売」とされても数年後にリニューアル復活する例も多くあります。もしグレンモーレンジ エックス バイの味わいが好きだった方は、今のうちに在庫をチェックしておくのが良いでしょう。
また、代替となるグレンモーレンジィの定番ラインも改めて飲み比べてみると、新たな発見があるかもしれません。
グレンモーレンジ エックス バイは、シングルモルトの新しい楽しみ方を提示した革新的なボトルでした。その個性は、これからのウイスキーシーンにも確実に影響を残していくはずです。

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