「ネヴィスデューが終売らしい」という噂、聞いたことありますか?
スコッチファンのあいだでじわじわと話題になっているこの情報、実際のところどうなのか。
筆者も気になって徹底的に調べてみました。
この記事では、ネヴィスデューの終売の真偽、販売終了の背景、そして今からでも手に入れるための方法をわかりやすくまとめます。
ネヴィスデューとはどんなウイスキー?
まずは前提として、ネヴィスデューという銘柄について整理しましょう。
ネヴィスデュー(Nevis Dew)は、スコットランド・ハイランド地方にある「ベン・ネヴィス蒸溜所(Ben Nevis Distillery)」で造られているブレンデッドスコッチウイスキーです。蒸溜所は1825年創業の老舗で、スコットランド最高峰「ベン・ネヴィス山」にちなんで名付けられました。
味わいはライトタイプで、バニラやハチミツのような甘み、リンゴや洋梨を思わせるフルーティーさが特徴。スモーキーすぎず、スコッチ初心者にも飲みやすい一本として知られてきました。価格帯も手頃で、700mlボトルが1,000円台前半で手に入る“隠れた定番”だったのです。
日本ではアサヒビールなどが輸入を手がけ、スーパーや酒販店でも見かけることがありました。
しかし近年、「全然見かけなくなった」「ネットでも売り切れが続いている」という声が増えています。
本当にネヴィスデューは終売になったのか?
結論から言うと、「公式な終売発表はないものの、国内では実質的に入手困難な状態」です。
現時点で、メーカーや輸入代理店から「販売終了」の明確なアナウンスは出ていません。Amazonなどの海外向け販売ページでも「Discontinued by manufacturer: No」と記載されており、製造そのものは継続している可能性が高いです。
一方で、日本国内では「売り切れ」「在庫なし(OS)」という表示が多く、量販店での取り扱いもほぼ見られません。
ウイスキー専門ブログやSNSでは「とんと見かけない」「在庫処分で買いだめした」という投稿も複数あり、少なくとも流通経路が大きく縮小していることは確かです。
つまり、「終売」と断定はできないものの、日本市場ではほぼ終売に近い“実質的な品薄状態”にあるといえます。
販売終了(または縮小)の背景にある理由
ネヴィスデューがなぜ姿を消しつつあるのか。
考えられる要因をいくつか挙げてみます。
1. 原材料や物流コストの上昇
ウイスキー業界全体で、ここ数年は原酒価格や輸送費が高騰しています。瓶やラベル、輸入にかかる為替コストまで上がり、安価なブレンデッドスコッチほど採算が取りづらくなっているのが現状です。
実際に、ネヴィスデューも2025年春に価格改定が行われ、希望小売価格が1,377円から1,530円へと上昇しました。こうした値上げを機に、量販店などが取り扱いをやめるケースも珍しくありません。
2. 輸入代理店や販売チャネルの縮小
ネヴィスデューは主に日本市場向けの輸入商品でした。ところが、輸入元の流通戦略が見直され、特定ブランドの扱いを整理する動きが出ているとみられます。
こうした事情で、日本国内向けの在庫が減少し、販売が途絶えてしまった可能性があります。
3. ブランド整理・商品ラインの見直し
ベン・ネヴィス蒸溜所では、シングルモルトや限定ボトルなども手がけています。ブランドラインを再構築するなかで、エントリー向けのブレンデッドラインを縮小する動きがあってもおかしくありません。
「ベン・ネヴィス」という名を冠したブランドを一本化する戦略上、ネヴィスデューが整理対象になったとも考えられます。
4. 市場環境の変化と需要の二極化
日本では、クラフトウイスキーやシングルモルトへの関心が高まり、低価格帯ブレンデッドへの注目が相対的に低下しました。
販売本数が伸びにくくなれば、仕入れや在庫を絞るのは当然の流れです。結果として「気づけば棚から消えていた」という現象が起きています。
今でも買える?ネヴィスデューの在庫と入手方法
「もう手に入らないの?」と思うかもしれませんが、まだ望みはあります。
いくつかのルートでは、少数ながら在庫が確認されています。
オンラインショップをチェック
まずはAmazonや楽天などの大手通販サイト。
一時的に「売り切れ」表示でも、並行輸入品や旧ボトルが再入荷する場合があります。
また、ウイスキー専門のオンラインショップ(リカーズハセガワやWHISKY LIFEなど)では、まれに在庫限りで販売されているケースも。価格は以前より高めですが、正規流通より確実です。
実店舗の在庫を探す
地方の酒販店やスーパーでは、まだ棚の奥に眠っていることもあります。
「旧ロット在庫」「特価処分」として出ている場合もあるので、近所の店舗を覗いてみる価値はあります。
また、飲食店などで提供されている場合もあるため、バーでの出会いを狙うのもひとつの手です。
オークション・リユース市場
終売が噂される銘柄は、オークションサイトや中古ボトル市場でも取引されることがあります。
ただし、出品者によって保管状態が異なるため、信頼できる販売元を選ぶことが大切です。
過去のロットや限定ボトルはプレミアがつくこともあり、相場より高値になる点には注意しましょう。
ネヴィスデューの魅力をもう一度振り返る
ネヴィスデューがここまで惜しまれるのは、価格以上の価値があったからです。
穏やかで軽やかな味わい、ハイボールにしても崩れないバランスの良さ、そして“ベン・ネヴィス蒸溜所”の系譜を感じさせる香り。
派手さはないけれど、ウイスキーの「日常使い」として愛されてきました。
安価ながらもスコッチらしい骨格を保った一本が、静かに姿を消しつつある。
それは単なる終売ではなく、時代の移り変わりそのものを象徴しているのかもしれません。
今後の復活や再販の可能性はある?
完全に生産が止まったわけではないと見られるため、将来的に復活する可能性もあります。
例えば、ラベル変更やボトルデザインの刷新、もしくは新しいブランド名で再登場するケースはウイスキー業界ではよくあります。
ベン・ネヴィス蒸溜所自体は稼働を続けており、原酒の供給体制も健在。再輸入や限定販売という形で戻ってくるシナリオも十分考えられます。
ウイスキーの世界では「終売=永遠の別れ」とは限りません。
時を経て、再び市場に姿を見せる例はいくつもあります。
だからこそ、ネヴィスデューのボトルを見つけたら、それは貴重な“再会”なのです。
ネヴィスデュー終売は本当?まとめと今できること
ネヴィスデューは、公式発表こそないものの、国内市場では実質的に終売に近い状態です。
背景には価格改定、流通縮小、ブランド整理など、複合的な要因が絡んでいます。
しかし、世界的にはまだ製造が続いている可能性もあり、再販や限定復活の余地は残されています。
もし見かけたら、迷わず確保しておくのがおすすめです。
今や“日常のウイスキー”として親しまれたネヴィスデューは、手に入らなくなるほどに、その存在の価値を実感させてくれる一本。
静かに消えつつある名脇役を、もう一度グラスに注いでみてはいかがでしょうか。

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