ウイスキー好きの間で長年愛されてきたバーボン「ノアーズミル」。
最近、この銘柄が「終売した」「もう買えない」といった話題を耳にした人も多いのではないでしょうか。
本記事では、ノアーズミルがなぜ終売と噂されるのか、その背景や今でも手に入る在庫情報、そして代わりに選べるおすすめバーボンまで詳しく解説します。
ノアーズミルとは？個性派スモールバッチ・バーボンの魅力
ノアーズミル（Noah’s Mill）は、アメリカ・ケンタッキー州バードスタウンにあるウィレット蒸溜所（Willett Distilling Company）が手掛けるスモールバッチ・バーボンです。
アルコール度数は57.15％と高め。樽熟成による深みと香ばしい甘さが共存する、濃厚な味わいが魅力です。
かつては「15年熟成」とラベルに明記されており、長期熟成の高級バーボンとして世界中の愛好家から高い評価を受けていました。
しかし現在販売されているボトルには年数表記がなく、「現行ノンエイジ仕様」と呼ばれる形に変わっています。
この仕様変更が、「終売」という言葉が広まった大きなきっかけになっています。
終売の噂は本当？ノアーズミルをめぐる混乱の真相
「ノアーズミルが終売したらしい」とSNSで広がったのは、ある酒販店の誤投稿が発端でした。
一時期、終売と誤って案内した投稿が拡散し、その後に訂正が出されたという経緯があります。
つまり、ノアーズミルというブランド自体が「完全に廃盤」になったわけではありません。
ただし、「旧仕様＝15年表記のボトル」はすでに生産を終了しており、国内正規ルートではほぼ入手できない状態です。
そのため、現在販売されているのは「年数表記なしの現行版」のみ。
一部ショップが「終売品のためおひとり様1本限り」と表記しているのは、この旧仕様在庫を指しているケースがほとんどです。
なぜ終売扱いになったのか？希少化の背景を探る
ノアーズミルが「終売」と言われるようになった背景には、いくつかの要因があります。
1. バーボン人気の急上昇と原酒不足
2000年代以降、世界的なバーボンブームによって熟成樽の需要が急増。
長期熟成の原酒を確保することが難しくなり、多くの銘柄が年数表記を外す流れになりました。
ノアーズミルもその影響を受け、15年表記を廃止せざるを得なかったのです。
2. 原酒の供給元が変化
ウィレット蒸溜所は一時期、自社での蒸溜を停止しており、他の蒸溜所（ヘブンヒルなど）から原酒を調達していました。
その後、2010年代に再稼働して自社蒸溜分を使うようになりましたが、熟成期間の違いにより味わいの変化が起こりました。
この「味が変わった」という印象が、終売の噂を加速させた面もあります。
3. 国内代理店の輸入終了
日本では正規輸入元が旧仕様ボトルの取り扱いを終了しており、現在のノアーズミルは並行輸入が中心です。
「再入荷未定」「在庫限り」とされるため、事実上の終売扱いとして流通しています。
味わいの変化と現行ボトルの評価
旧仕様（15年表記あり）のノアーズミルは、オークの深い香り、カラメルやドライフルーツの甘み、そして余韻の長さが特徴的でした。
多くのレビューで「熟成感があり、他のバーボンを圧倒する完成度」と評価されています。
一方、現行ノンエイジ仕様は、若めの原酒を含むブレンド構成とされており、香りや味に多少の若さを感じるという声もあります。
しかし、57.15％の高プルーフらしい濃厚さやスパイシーな後味は健在で、「加水やロックで香りが開く」と好意的に語る愛好家も少なくありません。
昔のノアーズミルを知る人には物足りなく映るかもしれませんが、現行版も十分に“飲みごたえのあるバーボン”として魅力を持っています。
日本国内の在庫状況と価格動向
現在、日本国内ではノアーズミルの在庫は非常に限られています。
楽天やAmazonなどの通販サイトでは「終売品」や「在庫限り」と表記されるケースが多く、価格も上昇傾向にあります。
かつて1万円前後で購入できた時期もありましたが、最近では15,000円前後で販売されることも珍しくありません。
また、販売ページによっては旧仕様か現行仕様かが明記されていない場合もあるため、購入前にラベルの年数表記や輸入年月を確認することをおすすめします。
「15 Years」と記されたボトルであれば、旧仕様の希少品と考えてよいでしょう。
終売に近い今だからこそ注意したい購入ポイント
ノアーズミルを探す際は、次の点を確認しておくと安心です。
- ラベル表記：15年表記があるかどうか（旧仕様なら非常に希少）
- 輸入元情報：正規輸入品か並行輸入品かを確認
- バッチ番号：古いバッチ（例：17-113など）は旧仕様の可能性あり
- 価格：プレミア価格化しているため、複数店舗で比較
- 保管状態：長期在庫の場合は液面やラベル状態をチェック
希少ボトルをうたう販売ページの中には、価格だけが高いケースもあります。
信頼できる販売店で購入することが何より大切です。
ノアーズミルが手に入らないときの代替バーボン
もしノアーズミルが手に入らない、もしくは価格が高騰している場合は、同じウィレット蒸溜所の姉妹ブランドを検討してみましょう。
- ローワンズクリーク：よりソフトでバランスの取れた味わい
- ピュア・ケンタッキーXO：甘く香ばしいフルボディタイプ
- ケンタッキー・ヴィンテージ：クラシカルで飲みやすい仕上がり
これらはいずれもスモールバッチ・バーボンで、ノアーズミルと共通する製法哲学を持っています。
在庫状況も比較的安定しており、価格も手の届く範囲です。
ノアーズミルの今とこれから
現時点でノアーズミルが完全に製造終了したという公式発表はありません。
ただし、旧仕様のように15年熟成原酒を使ったボトルが再登場する可能性は低く、現行NAS版が主流として続く見込みです。
今後、自社原酒の熟成が進めば、再び評価が高まるかもしれません。
愛好家の間では「昔の味が忘れられない」と語られる一方で、「現行版も十分楽しめる」と肯定的な声もあります。
いずれにせよ、今のうちに手に入れておきたいバーボンのひとつであることは間違いありません。
ノアーズミルが終売に？希少バーボンの理由と今買える在庫情報まとめ
- ノアーズミルは完全な終売ではなく、年数表記付き旧仕様の生産が終了
- 現行ノンエイジ版は引き続き流通しているが、在庫数は減少傾向
- 原酒不足と蒸溜所再編による仕様変更が背景
- 国内では「終売品」や「在庫限り」扱いが多く、価格が上昇中
- 代替には同蒸溜所のローワンズクリークなどが有力
希少なバーボンを探している人にとって、ノアーズミルは今も特別な存在です。
「もう手に入らない」と諦める前に、信頼できるショップを探し、最後の一本を手に取ってみてください。
その力強い香りと深い余韻は、きっと“終売”という言葉を超えて心に残るはずです。
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