フランジェリコが終売した理由とは？現在の入手方法と代替リキュールを紹介

「フランジェリコ」という名前を聞いて、あの独特な修道士の形をしたボトルを思い浮かべる人は多いのではないでしょうか。香ばしいヘーゼルナッツの香りと甘やかな味わいで、カクテル好きやデザートリキュール愛好家に長年親しまれてきた名品です。
ところが近年、「店頭で見かけなくなった」「終売になったって本当？」という声が増えています。この記事では、フランジェリコが終売した理由や現在の入手方法、そして代わりになるおすすめのリキュールについて詳しく紹介します。

フランジェリコとはどんなリキュール？
フランジェリコが終売といわれる理由
現在でもフランジェリコを入手できる方法
フランジェリコの味を再現できる代替リキュール
フランジェリコを使った人気の飲み方
終売後もフランジェリコの魅力は色あせない
フランジェリコが終売した理由とは？現在の入手方法と代替リキュールを紹介（まとめ）

フランジェリコとはどんなリキュール？

フランジェリコ（Frangelico）は、イタリア北部ピエモンテ州で生まれたヘーゼルナッツリキュールです。
原料には、ピエモンテ産の良質なヘーゼルナッツを焙煎して粉砕したものを使用し、アルコールに漬け込んだ後、ココアやバニラ、コーヒーなどの香りを加えて仕上げます。アルコール度数は約20％と比較的穏やかで、甘みと香ばしさのバランスが絶妙。

ボトルデザインは修道士のローブをイメージしており、腰ひもを模したリボンが特徴的です。これは「隠者フラ・アンジェリコ（Fra Angelico）」という伝説の修道士が、ヘーゼルナッツを使ったリキュールを作っていたという逸話に由来しています。

カクテルに加えると香りが立ち、ミルク割りやコーヒーリキュールと組み合わせても相性抜群。お菓子作りやデザートの風味づけにも使われる万能リキュールです。

フランジェリコが終売といわれる理由

ではなぜ、あれほど人気だったフランジェリコが「終売」と言われるようになったのでしょうか。実際のところ、メーカー公式サイトで「販売終了」の明確な告知は見当たりません。しかし、日本国内では実質的に入手が難しくなっているのが現状です。

正規輸入の終了

かつて日本では、フランジェリコが酒類輸入会社を通じて正規流通していました。ところが近年、輸入元が取り扱いを終了し、在庫限りの販売となったとみられます。
酒販店の中には「終売」「在庫限りで終了」と表記している店舗もあり、公式な「販売終了発表」はなくても、実質的には流通が止まっている状態です。

世界的な供給体制の変化

フランジェリコは現在、カンパリグループ（Campari Group）の傘下にあります。グローバル戦略の見直しにより、日本市場向けの流通が縮小された可能性があります。世界では販売が継続している国もある一方で、日本では在庫や輸入コストの面から供給が止まったと考えられます。

市場トレンドの変化

リキュール市場全体を見ると、かつてのような「甘いデザート系リキュール」よりも、低糖質・クラフト系・スパイス系などの需要が高まっています。
ヘーゼルナッツのような重厚で甘いリキュールは、バーや一般消費者の間でもややニッチ化し、結果的に取り扱いを縮小せざるを得なかったのかもしれません。

法規制・輸入コストの影響

酒類は、輸入時の税制改正やラベル規制の影響を受けやすい商品です。輸入量が少なくなると物流コストが上がり、販売価格も上昇。こうした要因が重なり、採算が合わなくなったと考えられます。
実際、現在オンラインで販売されているフランジェリコは「並行輸入品」や「旧ラベル在庫品」が多く、正規代理店経由の新商品はほぼ見られません。

現在でもフランジェリコを入手できる方法

「終売」とはいえ、完全に市場から姿を消したわけではありません。探し方によっては、今でも手に入れることができます。

1. 並行輸入品を探す

Amazonや楽天市場などでは、「並行輸入品」として販売されていることがあります。
ただし、並行輸入品はラベルやパッケージ仕様が異なる場合があり、保存状態にも差があるため注意が必要です。購入する際は「販売元」「輸入者名」「口コミ評価」を確認してから選ぶのが安心です。

2. 酒販店・専門店の在庫をチェック

オンラインショップの中には、旧在庫や限定在庫を保有している店舗も存在します。「在庫限り」「終売予定」などの表示を見つけたら、早めに確保しておくのが賢明です。
特に老舗のリカーショップや業務用酒販店では、倉庫に残っていることもあります。直接問い合わせてみる価値はあります。

3. バーや飲食店で味わう

バーやカクテル専門店では、ボトルをストックしているお店も少なくありません。メニューには載っていなくても、頼めば作ってもらえる場合があります。
「昔フランジェリコが好きだった」と伝えれば、店主が似た風味のカクテルを提案してくれるかもしれません。

4. 海外通販・個人輸入

どうしても入手したい場合は、海外の通販サイトを利用する手もあります。
ただし、個人輸入では酒税や関税、輸送中の破損リスクがあるため、手続きに慣れていない人にはおすすめしません。国内流通品を優先的に探すのが安全です。

フランジェリコの味を再現できる代替リキュール

「もう手に入らないなら、似た味のリキュールを探したい」という人のために、フランジェリコに近い香り・味わいを持つ代替リキュールを紹介します。

ボルスヘーゼルナッツリキュール

最もポピュラーな代替が、オランダの「ボルス（Bols）」が手がけるヘーゼルナッツリキュールです。
香ばしいナッツの香りに程よい甘みがあり、ミルクやコーヒーとの相性も抜群。アルコール度数も20％前後で、フランジェリコに非常に近い印象です。
価格も比較的手頃で、国内流通が安定しているため、家庭用としてもおすすめできます。

デカイパーヘーゼルナッツ

カクテルベースのリキュールを多数展開する「デカイパー（De Kuyper）」にも、ヘーゼルナッツリキュールがあります。
やや甘口で、香ばしさよりもクリーミーさが際立つタイプ。フランジェリコのコクが恋しい人には少し軽めですが、カクテル用途には使いやすい一本です。

ディサローノ

もしナッツの香ばしさを求めるなら、アーモンドを原料とした「ディサローノ（Disaronno）」などのアマレット系も代替候補に入ります。
厳密にはヘーゼルナッツではありませんが、甘香ばしい風味が似ており、カクテルに深みを与えてくれます。
特に「アマレットミルク」や「アマレットコーヒー」などは、フランジェリコを使ったレシピに近い味わいになります。

フランジェリコを使った人気の飲み方

フランジェリコはそのままでもおいしいですが、カクテルやスイーツで楽しむのが定番です。終売前に人気だった飲み方を振り返っておきましょう。

フランジェリコミルク：ミルクで割るだけの定番。ナッツの香ばしさとミルクのまろやかさが絶妙。
フランジェリココーヒー：ホットコーヒーに少量加えると、香りが立ってデザートドリンクのような味わいに。
フランジェリコトニック：トニックウォーターで割ると甘さが引き締まり、食後酒としても爽やかに飲めます。
バニラアイスに数滴：大人のデザートとして人気。アルコールが飛んだ後にナッツと甘い香りだけが残ります。

これらのレシピは、前述のボルスヘーゼルナッツリキュールなど代替リキュールでも十分再現できます。

終売後もフランジェリコの魅力は色あせない

フランジェリコは、単なるリキュール以上に「思い出の味」として記憶に残っている人が多いお酒です。
その香りやボトルデザインには、イタリアの伝統と遊び心が詰まっており、他のどんなナッツリキュールにもない存在感がありました。

確かに現在は終売状態にありますが、まだ並行輸入品や在庫品を見つけるチャンスは残されています。そして、ボルスヘーゼルナッツリキュールやデカイパーヘーゼルナッツといった代替リキュールを活用すれば、フランジェリコの世界観を楽しみ続けることもできます。

「もう二度と飲めない」と悲しむより、「今だからこそ出会える代わりの一杯」を探すのも楽しいものです。
ヘーゼルナッツの香りが好きな人は、ぜひ一度自分の舌でその違いを確かめてみてください。