「ミツカン十目ちらし」という商品を、スーパーで見かけなくなった──そんな声が最近じわじわと増えています。
お寿司の素シリーズの中でも人気の高かったこの商品が、ついに終売となったという情報が広まり、SNSでも「もう買えないの？」「あの味が好きだったのに」と惜しむ声が多く見られます。
今回は、ミツカン十目ちらしがなぜ販売終了になってしまったのか、その背景と再販の可能性を探っていきます。
ミツカン十目ちらしとは？国産具材10種の本格ちらし寿司の素
まずは、「ミツカン十目ちらし」がどんな商品だったのかを振り返ってみましょう。
十目ちらしは、いわゆる“ちらし寿司の素”の中でもちょっと贅沢な位置づけでした。商品名の「十目」は、10種類の具材が入っていることを意味しています。
中身は、にんじん、れんこん、ごぼう、ぶなしめじ、まいたけ、エリンギ、昆布などの国産素材を中心に、油揚げや高野豆腐、こんにゃくなどを加えた具材の組み合わせ。
これに、すし酢が別添でついており、ご飯に混ぜるだけで彩り豊かで香りの良いちらし寿司が完成するというものでした。
「手軽に本格的な味が楽しめる」「家族行事やお祝いにぴったり」といった口コミも多く、特にひな祭りやお正月の時期に愛用していた人が多い印象です。
終売の正式発表は2024年秋ごろに
ミツカン公式サイトの「販売終了製品のご案内」によると、十目ちらしは2024年秋に製造販売を終了したことが確認されています。
公式文面には「長い間ご愛用いただき、ありがとうございました」とあり、完全な終売であることが読み取れます。
通販サイトやスーパーのオンラインストアでも、すでに「販売終了」「取り扱い終了」との表記が並んでおり、流通在庫のみの販売状態です。
つまり、すでに生産は終了しており、店頭で見つかるものがあってもそれが最後の在庫ということになります。
終売のニュースが出た時点で、SNS上には「うちの定番だったのに」「あと何袋買っておこうかな」といった投稿も見られました。
なぜミツカン十目ちらしは終売になったのか？
ミツカン側から「十目ちらし」単体の明確な終売理由は公表されていません。
しかし、食品業界やミツカンの近年の製品動向を踏まえると、いくつかの背景が見えてきます。
1. 原材料費の高騰と製造コストの増加
ミツカン十目ちらしの大きな特徴である「国産具材10種」は、裏を返せばコスト面での負担も大きい設計です。
近年、国産野菜やきのこ類の価格は上昇しており、加えて物流コストや包装資材費も高騰しています。
こうした状況の中で、複数の具材を煮しめて仕込むタイプの商品は利益率が下がりやすく、採算が取りにくくなっていた可能性があります。
2. 家庭内需要の変化と「時短志向」の影響
ちらし寿司の素というカテゴリー自体が、かつてより需要が減少しています。
家庭内調理が簡略化し、冷凍食品や中食が進化する中で、「ご飯を炊いて、すし酢を混ぜ、具材を合わせる」といった手順が敬遠される傾向もあります。
つまり、「簡単・即席」ではないこの商品が、現代の時短志向に合わなくなっていたとも考えられます。
3. 商品ラインナップの整理
ミツカンは2020年代に入り、複数のカテゴリで商品整理を進めています。
ちらし寿司や釜めしの素なども例外ではなく、「ミツカン五目ちらし」「鶏釜めし」など、定番シリーズを残しつつ種類を絞る動きが見られます。
「ミツカン十目ちらし」はプレミアムな位置づけだった分、販売量が限られており、効率化の流れの中でライン落ちになった可能性が高いです。
消費者が感じる「終売の残念さ」とその理由
ミツカン十目ちらしが愛された理由は、なんといっても「具材の豊かさ」と「本格的な味わい」でした。
多くのちらし寿司の素が3〜5種類程度の具材構成なのに対し、十目ちらしはその倍以上。
一口食べるたびに異なる食感があり、手作り感を残した味わいは、家庭料理の中でもひと際存在感がありました。
また、「国産素材」という安心感や、「別添のすし酢を好みに合わせて加減できる」点も評価されていました。
実際にレビューサイトでは、「きのこの香りがしっかりしていておいしい」「これで作ると子どもが喜ぶ」といった声が寄せられています。
そうした評価が高かっただけに、「どうしてこれを終売に？」という疑問が残る人が多いのも無理はありません。
在庫・流通状況は？まだ購入できる可能性はある？
現在、通販サイトでは「販売終了」または「在庫なし」と表示されているケースがほとんどですが、一部のネットショップやフリマアプリなどで、在庫限りの販売が続いている場合があります。
ただし、終売品という性質上、価格が通常より高騰していることもあるため注意が必要です。
また、スーパーの在庫が残っている場合もあるため、「最後にもう一度食べたい」という方は、地域の大手スーパーや地方の独立系量販店などを覗いてみるのも良いかもしれません。
ただし、製造はすでに終了しているため、いずれにしても長くは続かないでしょう。
今後は「思い出の味」として語られていく可能性が高い商品です。
代替・後継となる商品はある？
ミツカンでは、現在も「ミツカン五目ちらし」などのラインナップが継続販売されています。
ミツカン十目ちらしに比べると具材の種類は少ないものの、すし酢と具材がセットになった定番シリーズです。
また、他社ブランドでも「国産素材」「ちらし寿司の素」を掲げた製品が多数あります。
さらに、最近では「炊き込みご飯の素」や「混ぜご飯の素」など、ちらし寿司に代わる手軽なご飯系メニューも人気を集めています。
華やかさを求めるなら、錦糸卵や海老、サーモンなどをトッピングしてアレンジすれば、ミツカン十目ちらしに近い豪華さを再現できます。
再販の可能性はあるのか？
ミツカン公式サイトでは、現時点で「再販予定」や「リニューアル発売」に関するアナウンスはありません。
ただし、過去にはユーザーの反響によって一時的に復刻された商品もあるため、声が集まれば再登場の可能性もゼロではありません。
メーカーへの問い合わせやSNSでの要望が増えれば、限定再販や季節限定品として復活することも考えられます。
特に、「ミツカン十目ちらしの味が忘れられない」「また食べたい」という声が広がれば、ミツカンが動くきっかけになるかもしれません。
まとめ：ミツカン十目ちらしの終売は惜しいが、記憶に残る味
ミツカン十目ちらしは、国産具材をふんだんに使い、家庭で本格的なちらし寿司を楽しめる貴重な商品でした。
2024年秋の終売をもってその歴史に幕を下ろしましたが、その完成度の高さから、今でも「また復活してほしい」という声が絶えません。
原材料高騰や市場の変化という現実の中で、惜しまれつつ姿を消したこの商品。
しかし、それだけ多くの人に愛された証でもあります。
もし「ミツカン十目ちらし」に思い出があるなら、今のうちに店頭在庫を探してみるのも一つの方法。
そして、いつかまた再販される日を期待しながら、家庭の味としての記憶を残しておきたいですね。
ミツカン十目ちらしが終売へ？販売終了の背景と再販の可能性を調査。
ひとつの定番が消えていく寂しさの中で、改めて「家庭の味」が時代とともに移り変わることを感じさせてくれる出来事でした。
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