最近SNSや酒販サイトで「モンキーショルダーが終売したらしい」という声を見かけて、驚いた方も多いのではないでしょうか。
あのオレンジラベルのボトルが棚から消えた、見つけたと思ったら「在庫限り」になっている。そんな状況から「もう買えないの?」と不安になるのも当然です。
この記事では、モンキーショルダーが本当に終売なのか、なぜそう言われているのか、そして今どうやって手に入るのかをわかりやすく解説します。
モンキーショルダーとはどんなウイスキー?
まず、「モンキーショルダーってそもそも何?」というところから整理しましょう。
モンキーショルダーはスコットランドのスペイサイド地方でつくられているブレンデッドモルトウイスキー。製造しているのは、グレンフィディックやバルヴェニーで有名なウィリアム・グラント&サンズ社です。
3つの蒸留所(グレンフィディック、バルヴェニー、キニンヴィ)のモルト原酒をブレンドして造られており、その「3」を象徴するように、ボトルには3匹の猿のメタルチャームが飾られています。
名前の「モンキーショルダー」は、昔モルトを手作業でかき混ぜていた職人が肩を痛め、その姿を“モンキーショルダー(猿の肩)”と呼んでいたことに由来します。
香りはバニラやオレンジピール、蜂蜜のような甘み。口に含むとスムーズでまろやか、ウイスキー初心者にも飲みやすい味わいです。ストレートはもちろん、ハイボールやカクテルでも楽しめる万能タイプとして人気を集めてきました。
「終売」って本当?現状を徹底確認
結論から言うと、「モンキーショルダーが完全に終売した」という公式発表は出ていません。
ただし、日本国内では一部店舗や販売サイトで「在庫限り」「終売」といった表記が見られるのも事実です。
たとえば、いくつかのオンライン酒販店では「☆在庫限りで終売☆」と表示されたページがあります。さらに、「終売残念です」とコメントを添えて販売を終了しているショップもあります。
しかし、これらは「店舗としての販売終了」や「輸入元の在庫が尽きた」という意味合いのケースがほとんどで、ブランドそのものが廃止されたわけではありません。
公式サイト(monkeyshoulder.com)や海外の販売店では今もモンキーショルダーが掲載されており、海外市場では普通に販売が続いています。つまり「世界的な終売」ではなく、「日本での流通が減少している状態」と見るのが正確です。
終売と噂される理由を探る
では、なぜ「終売」という話が広がったのでしょうか?
実際に調べてみると、いくつかの要因が重なっていることがわかりました。
1. 輸入ルートの変化・在庫限り表記の増加
モンキーショルダーは正規輸入元である三陽物産を通じて流通していました。ところが、近年では酒類全体の物流コスト上昇や為替の影響で、一部商品の輸入が減ったり、一時的に在庫切れになることが増えています。
その結果、「在庫限り」「終売見込み」といった表示が店頭に出るようになりました。
2. 世界的なウイスキー需要の高まり
スコッチウイスキーの需要は世界的に急増しています。モンキーショルダーのような手頃な価格帯のモルトウイスキーは特に人気が高く、原酒確保が難しくなっているブランドも少なくありません。
メーカーが他地域の供給を優先したり、出荷量を調整している可能性も考えられます。
3. 国内仕様・ボトルデザインの変更
一部の酒類ブランドでは、パッケージ変更や仕様リニューアルの際に旧ボトルを「終売」と表記することがあります。もし新仕様への切り替えが進行中であれば、旧ラベル品が在庫限りになるのは自然な流れです。
そのため、消費者側では「ブランドがなくなった」と誤解してしまうこともあるのです。
4. 情報の拡散と誤認
SNSやフリマサイトなどでは「終売品」「廃盤ウイスキー」といった言葉が頻繁に使われます。実際には出品者の独自表現であっても、それが拡散されることで「本当に終売した」と誤認されやすい状況が生まれています。
現在の入手方法と購入時の注意点
ここからは、今モンキーショルダーを探している人のために、入手ルートと注意点を紹介します。
1. 正規販売店・オンラインショップで探す
まずは正規ルートからの購入が最も安心です。大手通販サイトや専門酒販店で「モンキーショルダー 700ml」などで検索し、在庫があるか確認してみましょう。
価格が極端に高い場合や「並行輸入品」とだけ記載されている場合は、信頼できるショップかどうかを見極めることが大切です。
2. 並行輸入品を検討する
国内の正規流通が減っているなら、並行輸入品を扱う店舗をチェックするのも一つの方法です。海外ではモンキーショルダーの販売が継続しているため、輸入業者によっては新しいロットを仕入れていることもあります。
ただし、輸入元が明記されていない場合やラベル表記が異なる商品もあるので、品質や正規性をよく確認しましょう。
3. フリマ・オークションを利用する場合
フリマアプリやオークションサイトにも、未開封ボトルが出品されていることがあります。
ただし、保存状態や保管環境が不明なことも多く、日光や高温による劣化の可能性も否定できません。
購入前には「未開封」「封シールあり」などの記載を必ず確認し、出品者の評価や写真の状態を慎重にチェックするのがおすすめです。
4. 価格の相場を知っておく
モンキーショルダーは定価が4,000円前後のウイスキーでした。
これを大きく上回る価格で販売されている場合は、転売やプレミア価格の可能性があります。過剰な価格での購入を避けるためにも、あらかじめ定価と市場価格の差を把握しておくと安心です。
モンキーショルダーが好きな人におすすめの代替ウイスキー
もしどうしても手に入らない場合、似た方向性のウイスキーを試してみるのも楽しいです。
モンキーショルダーの特徴は「複数モルトをブレンドした滑らかな口当たり」「カクテルに合う柔らかい香味」なので、次のような銘柄もチェックしてみましょう。
- グレンフィディック12年:軽快でフルーティ。モンキーショルダーのキーモルトの一つ。
- バルヴェニー12年 ダブルウッド:蜂蜜のような甘さがあり、ややリッチな印象。
- シーバスリーガル ミズナラ:日本向けブレンドで、華やかな香りと滑らかさが共通。
- ジョニーウォーカー ブレンダーズバッチ:モンキーショルダーに似たトリプルモルト構成の限定版があり、味わいも近い。
いずれも比較的入手しやすく、価格帯も大きく離れていません。代替として試す価値があります。
今後の販売再開や再流通の可能性
モンキーショルダーは海外では依然として現行ブランドとして継続中です。
そのため、国内で一時的に流通が途切れていても、再入荷・再輸入の可能性は十分にあります。
過去にも、ウイスキーの輸入が一時停止したあとに再開した事例は多くありました。
もし見かけた際は、次の再入荷がいつになるかわからないため、早めに確保しておくのが賢明です。
また、公式のニュースや輸入代理店の発表を定期的にチェックしておくと安心です。
まとめ:モンキーショルダーは終売ではなく「流通減少中」
最後にもう一度整理しましょう。
- モンキーショルダーは公式に終売とは発表されていない
- ただし、日本国内では在庫限り・取扱終了の店舗が増えている
- 終売の噂は「在庫減少」「輸入停滞」「誤情報」の複合的な要因
- 今も一部ショップや並行輸入で購入できる可能性がある
- 今後再入荷のチャンスも十分あり得る
モンキーショルダーは、手軽で飲みやすく、ウイスキーの入り口として愛されてきた銘柄です。
もし店頭やネットで見つけたら、それはラッキーチャンス。お気に入りのグラスで、あの柔らかな香りをもう一度楽しんでみてください。
そして、今後の流通動向にも注目していきましょう。
「モンキーショルダー 終売」という言葉に惑わされず、冷静に情報を追いながら、自分好みの一杯を探す時間こそ、ウイスキー好きの醍醐味かもしれません。

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