ウイスキー好きの間で長年愛されてきた「ラガヴーリン8年」。一部の販売店では“終売”や“在庫限り”といった表記を見かけるようになり、ファンの間では「本当に終売なの?」「もう買えないの?」という声が広がっています。
この記事では、ラガヴーリン8年の特徴や味わい、終売の背景、そして代わりに楽しめるおすすめのウイスキーを紹介していきます。
ラガヴーリン8年とは?200周年を記念して登場した若きラガヴーリン
ラガヴーリン8年は、スコットランド・アイラ島にあるラガヴーリン蒸留所のシングルモルトウイスキー。
1816年創業の伝統ある蒸留所が、2016年の200周年を記念して限定リリースしたのがこの「8年」です。
発売当初は記念ボトルとして話題になりましたが、その人気ぶりから2017年にはレギュラー商品として正式にラインナップ入りしました。
ラガヴーリンといえば、スモーキーで深みのある「ラガヴーリン16年」が定番。しかしこの8年は、若い原酒ならではのフレッシュさと鋭いピート感が特徴で、「ラガヴーリンの原点を味わえる一本」として高く評価されてきました。
ラガヴーリン8年の味の特徴
ラガヴーリン8年を一言で表すなら、「若く、力強く、潔いスモーキーさ」。
熟成年数が短い分、ピートの個性がよりダイレクトに感じられるのが魅力です。
- 香り(ノーズ)
立ち上がりは海風のような塩気とピートスモーク。そこにレモンピールやほのかなミルクチョコレートの甘みが混ざり、心地よいアイラの香りが広がります。
一部のテイスターは「白桃やココナッツのようなトロピカルさも感じる」と表現しています。 - 味わい(パレット)
口に含むとまず感じるのは黒胡椒のようなスパイス。そこにオークのウッディさ、わずかなバニラ、蜂蜜の甘みが続きます。
若さゆえにドライでストレートな印象ですが、その分、余計な雑味がなく、ラガヴーリンらしいピートの旨味がしっかりと主張します。 - 余韻(フィニッシュ)
長く続くスモーキーな後味。炭火のような煤(すす)と潮気が残り、アイラモルトらしい余韻をじっくりと楽しめます。
8年は16年よりも軽やかでキレのある印象。熟成の丸みよりも“若い原酒のエネルギー”を味わうタイプのラガヴーリンです。
終売の噂は本当?ラガヴーリン8年の流通状況
一部の酒販サイトでは「ラガヴーリン8年 終売」や「在庫限り」といった表記が見られます。
ただし、正式なメーカー(ディアジオ社)から“終売決定”という発表は出ていません。
もともと8年は「200周年記念版」として限定生産され、その後レギュラー化された経緯があります。
そのため、「初期の記念ボトルはすでに終売」「通常版はまだ生産継続中」というのが現時点の正確な状況とみられます。
とはいえ、世界的なウイスキーブームの影響で、ラガヴーリン全体の出荷量が限られているのも事実。
特に熟成年数付きのボトルは原酒在庫の制約が厳しく、流通が不安定になりやすい傾向があります。
このため「終売の噂」が先行して広まっていると考えられます。
なぜ終売・品薄が起きるのか?その背景にある原酒事情
ウイスキーの世界では、「年数表記モデルが姿を消す」流れが近年顕著です。
理由のひとつが、世界的な需要増と原酒不足。
特にシングルモルトウイスキーは熟成に時間がかかるため、10年先、20年先を見据えて在庫を確保しなければなりません。
ところが、ここ数年でアイラモルト人気が爆発的に高まり、想定以上のスピードで原酒が減っているのです。
ラガヴーリンも例外ではありません。
8年のような短熟モデルは比較的生産しやすいものの、原酒を別のブレンドや限定ボトルに回すケースも増えており、結果的に市場に出回る量が減少しています。
こうした事情が「終売」や「入手困難」という噂の背景にあります。
ラガヴーリン8年の魅力は“若きスモーキー・スピリット”
ラガヴーリン8年は、若さを感じる一本ですが、それが魅力でもあります。
「16年が重厚で深みのある熟成タイプ」だとすれば、「8年は原点回帰したアイラの荒々しさ」。
ピートの煙、潮の香り、オークの刺激が混ざり合い、どこか懐かしい“クラシック・アイラ”の個性を味わえます。
アイラモルト初心者にもおすすめできるのは、ピートが強いのに嫌なえぐみが少ないから。
ストレートでも加水でも、飲み方によって印象が変わるため、1本で幅広く楽しめるウイスキーです。
ラガヴーリン8年が買えないときの代替ウイスキーおすすめ
もし店頭や通販でラガヴーリン8年が見つからない場合、以下の銘柄が“代替候補”としておすすめです。
いずれもスモーキー系で、アイラらしさをしっかり感じられるウイスキーです。
- ラガヴーリン16年
言わずと知れた定番。熟成による甘みと深みがあり、8年よりも滑らかで濃厚。
値段は上がりますが、「本家の完成形」を体験できます。 - アードベッグ10年
よりパンチのあるピート感を求めるならこちら。
スモーク・潮風・シトラスのコントラストが鮮烈で、若々しさという点では8年と通じる部分があります。 - ラフロイグ10年
医薬品を思わせる独特のヨード香が特徴。
ピートの個性をとことん追求したい人にぴったりです。 - カリラ12年
透明感のあるスモーク。フルーティーさと軽やかさがあり、飲み疲れしないアイラモルト。
8年の“キレ”を求める人に向いています。
どの銘柄もアイラ島を代表する存在。
「ピートの強さ」「甘みのバランス」「熟成感」など、好みで選ぶと良いでしょう。
今のうちに押さえておきたいラガヴーリン8年の価値
限定ボトルとして登場し、今では“終売疑惑”が取り沙汰されるラガヴーリン8年。
その希少性は今後さらに高まる可能性があります。
特に初回の200周年記念ボトルは、すでにコレクターズアイテム化しており、オークションや中古市場で高値が付くことも。
「ラガヴーリンの若さを感じたい」「ピートの原点を味わいたい」という方は、今のうちに確保しておくのがおすすめです。
アイラの海風とスモークの香りを感じる一杯は、きっと忘れられない体験になるはずです。
まとめ:ラガヴーリン8年がなぜ終売に?味の特徴と代替おすすめウイスキーを紹介
ラガヴーリン8年は、200周年を記念して誕生した若く力強いシングルモルト。
ピートの個性が際立ち、ラガヴーリンのスモーキーな世界をよりダイレクトに感じられる一本です。
“終売”という言葉が先行していますが、現時点では「限定版は終了」「通常版は継続中」とみられます。
ただし、今後の原酒事情や需要次第では本格的な終売になる可能性も。
ラガヴーリン16年やアードベッグ10年、ラフロイグ10年など、代替候補も視野に入れつつ、今のうちにラガヴーリン8年の味わいを体験しておく価値は大いにあります。
アイラモルトの奥深さを教えてくれるこの1本。
手に入るうちに、ぜひ味わってみてください。

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