「リプトンのミルクティー、最近見かけないけど終売したの?」――そんな声をSNSでよく見かけますよね。長年親しまれてきた紙パックの青いミルクティーが、一度店頭から姿を消したのは確かです。この記事では、その“リプトンミルクティー終売”の背景と、実際にどうなったのか、再販や代替品の情報まで徹底的に掘り下げます。
学生時代の定番「リプトンミルクティー」とは?
コンビニや自販機でおなじみの「リプトン ミルクティー」は、1980年代から続くロングセラー。森永乳業が販売するチルド(冷蔵流通)タイプで、紅茶の豊かな香りとミルクのまろやかさが特徴でした。
青い紙パックにストローを差して飲む――あの光景は、多くの人の“青春の味”として記憶に残っています。1984年に初登場し、1989年には500ml・1000mlサイズも加わり、学校帰りに飲む定番ドリンクとして定着しました。
終売が話題になったのは2022年
そんな「リプトン ミルクティー」が“終売”と話題になったのは、2022年3月のこと。森永乳業が従来のリプトンミルクティーの販売を終了し、代わりに「リプトン ロイヤルミルクティー」を発売したのです。
このリニューアルは「ブランド価値の再構築」を目的にしたものでした。紅茶葉の使用量を増やし、ミルクのコクを強化することで、“より本格的な味わい”を追求。製品名も「ロイヤルミルクティー」に変え、上質さを打ち出す戦略だったのです。
ところが――。この“味の変更”がファンの間で大波紋を呼びました。
「青春を返して」――終売に対するファンの悲鳴
リニューアル後、SNSや問い合わせ窓口には悲痛な声が殺到しました。
「他のじゃダメなんです」
「リプトンミルクティーがなくなったら生きる希望がない」
「毎朝これじゃないと始まらなかったのに…」
これらのメッセージは単なる味の好みを超え、“思い出の一部”を失ったことへの嘆きに近いものでした。
森永乳業には、終売後わずか数カ月で667通もの再販要望が届いたといいます。これは同社史上最多。消費者の熱量がいかに強かったかを物語っています。
なぜ終売(リニューアル)に踏み切ったのか?
では、なぜ企業はあえて長年愛された味を終売させたのでしょうか。主な背景は3つあります。
1. 紙パック飲料市場の縮小
少子化やライフスタイルの変化で、学生を中心に紙パック飲料の需要が減少していました。ペットボトルやボトル缶が主流になり、チルド紅茶市場全体が縮小傾向にあったのです。
2. ブランドの高付加価値化
紅茶ブランド「リプトン」を“よりプレミアムに”再構築するため、森永乳業は“濃厚・上質”をキーワードに味をリニューアル。これが「リプトン ロイヤルミルクティー」誕生の背景です。
3. 味覚と記憶のギャップ
企業側が「品質向上」と考えた変更も、ユーザーにとっては「昔と違う」「思い出の味が消えた」と受け止められました。
1980〜2000年代に青春を過ごした世代にとって、あの味や香りは単なる飲料ではなく“思い出の装置”だったのです。
再販決定!「旧リプトンミルクティー」が帰ってきた
消費者の熱烈な声を受け、森永乳業は2023年3月21日、「リプトン ミルクティー 旧発売」を再販。
パッケージにはこう書かれていました。
「待たせて、ごめん。あの日、勝手に味を変えてごめんなさい。
あなたが“もとの味に戻して”と手紙をくれたから。
もとの味に戻しました。」
このメッセージに涙したファンも多かったとか。
再販版は2019年当時のレシピを再現し、ケニア産紅茶葉を100%使用。乳のまろやかさとすっきりした後味――まさに“あの頃の味”が戻ってきました。
SNSでの反響と「667通のラブレター」キャンペーン
再販発表と同時に公開された短編アニメ「667通のラブレター」も話題になりました。
これは実際に届いたファンの声をもとに制作されたもので、「青春」「懐かしさ」「ありがとう」という感情が描かれています。
アニメの最後には、旧ミルクティーを飲む学生たちの姿が。多くの人が“自分の思い出と重ねた”と反響を寄せました。
SNSでは再販を喜ぶ声があふれました。
「ようやく戻ってきた」「これこそ私のリプトン!」と、まるで帰ってきた友達を迎えるような投稿が相次いだのです。
実は“完全な終売”ではなかった?
ここで少し補足です。
2022年に終売が発表されたのは主に500ml・1000mlの紙パック製品。
一方、200mlタイプや常温アセプティック(ロングライフ)商品など、一部は継続販売されていました。つまり、完全に姿を消したわけではなかったのです。
とはいえ、スーパーやコンビニの定番棚からは確かに消え、「あの青いパックがない」と感じた人が多かったのも事実。終売報道が一気に拡散した背景には、“店頭で見かけない”体験が重なったことも関係しているでしょう。
「代替品」や「派生商品」も登場
終売後の“代替商品”として登場したのが「リプトン ロイヤルミルクティー」。
従来品よりも茶葉使用量を増やし、濃厚な味わいに仕上げた上位モデルです。
また、季節限定では「リプトン 生キャラメル&クリームミルクティー」などのフレーバー商品も発売され、ブランドとしての展開は継続しています。
一方で、「昔の味が恋しい」人は再販された旧ミルクティーを選ぶのがベスト。店頭在庫やネット通販で探せば、まだ購入できる場合もあります。
終売騒動が残した教訓
リプトンミルクティーの終売劇は、企業と消費者の関係を考えさせられる出来事でもありました。
ブランドが「進化」を望んでも、ファンは「変わらないこと」を価値として求める。
この“ズレ”が、思い出の味をめぐるドラマを生みました。
森永乳業はこの経験を通じて、ユーザーとの対話を重視する姿勢を強めています。
実際、再販時のメッセージには“謝罪”と“感謝”の両方が込められていました。
消費者の声を無視せず、真摯に向き合ったことが、ブランドへの信頼をより強くしたとも言えるでしょう。
リプトンミルクティー終売の真相・まとめ
「リプトン ミルクティー 終売」というニュースは、多くの人にとって“青春の終わり”のように感じられた出来事でした。
しかし実際には、「終売→リニューアル→再販」という流れを経て、“原点回帰”を果たしています。
- 2022年3月:従来品終売、「ロイヤルミルクティー」に刷新
- SNSで嘆きの声が拡散、再販要望667通
- 2023年3月:「旧リプトンミルクティー」として復活
- 現在も期間限定や派生商品が続々登場中
この一連の流れは、単なる“商品の変更”ではなく、企業とファンが作り上げた物語そのもの。
リプトンミルクティーは、これからも「懐かしさ」と「新しさ」を両立させながら、多くの人の心に残り続けるでしょう。


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