最近、スーパーやコンビニで「レモンクラフト見かけなくなったな…」と思った人、結構多いのではないでしょうか。SNSでも「終売したの?」「在庫限りらしい」なんて声が目立ちます。あの濃厚で爽やかなレモンの味わいが好きだった人にとってはショックですよね。
この記事では、そんな「アサヒ ザ・レモンクラフト」がなぜ終売してしまったのか、そして再販の可能性はあるのかを丁寧に解説していきます。
アサヒ「ザ・レモンクラフト」とは?
まずは、レモンクラフトがどんな商品だったのかを振り返ってみましょう。
アサヒの「ザ・レモンクラフト」は、2020年4月に登場したプレミアム系の缶チューハイブランドです。通常のレモンサワーとは一線を画す、こだわり抜かれたレモン素材と製法が特徴でした。
たとえば、「レモンオイル」「グリーンレモンオイル」「旬果レモンスピリッツ」「凍結レモンピールエキス」「瀬戸内産レモンエキス」「シチリア産レモン果汁」といった複数の素材をブレンドし、香りとコクを追求。さらに、リキャップできる広口ボトル缶を採用しており、「香りを逃さず、ゆっくり楽しむ」ことをコンセプトにしていました。
まさに“ご褒美チューハイ”という言葉がぴったり。初期ラインアップは「レモンクラフト 極上レモン」と「レモンクラフト グリーンレモン」の2種類で、どちらも発売直後から高評価を得ていました。
レモンクラフトが店頭から消えた?「終売」説の広がり
そんな人気商品だったレモンクラフトですが、2024年頃からSNSや口コミで「見かけなくなった」「販売終了なの?」という声が急増しています。
実際にX(旧Twitter)ではこんな投稿が見られます。
「レモンクラフトどこにも売ってない!終売って本当?」
「アサヒのレモンクラフト、もう買えないの悲しい」
「グリーンレモンが一番好きだったのに…」
通販サイトでも「在庫限り」「終売品」といった表記が増えており、流通が止まっているのは間違いなさそうです。
ただし、アサヒビール公式から「レモンクラフト終売です」と明言された発表は確認されていません。公式の販売終了リストにも掲載されていないため、「明確な終売」ではなく「実質的な販売終了」状態と考えるのが妥当でしょう。
レモンクラフトが終売したと考えられる5つの理由
では、なぜレモンクラフトは姿を消してしまったのか。公式な説明がない以上、業界動向や製品特性から“推測できる理由”を整理してみます。
1. レモンサワー市場の競争激化
ここ数年、缶チューハイ業界では「レモンサワー戦争」と呼ばれるほど新商品が乱立しています。
キリンの「本搾り レモン」、サントリーの「こだわり酒場のレモンサワー〈濃いめ〉」、宝酒造の「タカラ焼酎ハイボール」など、各社が“レモン感”“本格感”を前面に押し出しており、消費者の選択肢は爆発的に増えました。
そんな中、レモンクラフトのような“香り重視のプレミアム系”は徐々に埋もれていった可能性があります。市場が成熟し、価格帯や味の傾向が似通う中で、差別化が難しくなったのかもしれません。
2. コストと収益性のバランスが合わなかった
レモンクラフトは、使用素材も容器仕様もかなり贅沢でした。
広口リキャップボトル缶はデザイン的には魅力的ですが、一般的な缶よりも製造コストが高く、物流面でも扱いづらいとされています。さらに、6種類ものレモン素材をブレンドする製造工程も手間がかかるもの。
こうした高コスト体質の製品は、原材料費の高騰や円安の影響を受けやすく、利益率を維持しづらいという課題があります。
「コストに対して販売数が伸びなかった」結果、ラインとして整理された可能性が高いです。
3. リニューアルによるブランド再構築
レモンクラフトは一度も止まらず、何度かリニューアルを繰り返していました。2022年には「レモンクラフト 王道レモン」など新シリーズが登場し、2023年にも中味やパッケージの刷新が行われています。
そのたびに製品名やデザイン、味わいが少しずつ変化しており、「旧仕様を終売扱いとして新仕様に切り替えた」可能性があります。
つまり、「終売」というより「ブランド再編」の一環で旧バージョンがなくなった、というのが実情に近いのかもしれません。
4. 流通・在庫の問題
実際に多くの消費者が「在庫限り」と記した商品を見ていることからも、流通在庫の調整が行われたことは確かです。
人気に波があったり、一部の味だけが売れ残ったりすると、メーカーは生産を絞って在庫調整を行います。その結果、店頭での露出が減り、「終売したように見える」状態になります。
加えて、アサヒでは同時期に複数のRTD(缶チューハイ)ブランドを整理していたこともあり、販売戦略全体の中でレモンクラフトが縮小対象になった可能性もあります。
5. ブランドライフサイクルと戦略的終了
飲料業界では、1つのブランドを何年も維持するより、次々と新シリーズを投入して話題を作る戦略が主流です。特にRTD市場では、限定フレーバーや季節商品が売上の大きな柱になっています。
レモンクラフトも「クラフト」「プレミアム」といったキーワードで新しさを打ち出していた商品です。役割を終えた後は、新ブランドへバトンタッチする方が合理的だと判断されたのかもしれません。
消費者の声:「また飲みたい」の嵐
SNSや口コミでは、今もレモンクラフトを懐かしむ声が絶えません。
「あの香りと深み、忘れられない」
「あれ以上のレモンサワーは出てない」
「もう一度だけ復活してほしい!」
こうした“復活を願う声”が多いブランドは、メーカーにとっても無視できない存在です。過去には、消費者の反響を受けて再販された商品も数多くあります。たとえば「ウィルキンソンタンサン・レモン」や「三ツ矢クラフトシリーズ」なども一度終了後にリバイバルされています。
再販・復活の可能性はある?
現時点でアサヒから「レモンクラフトを再販する」という正式な発表は出ていません。ただし、いくつかの理由から“再登場の可能性”は十分あると考えられます。
- ブランド資産が強い
名前とデザインがしっかり認知されており、「レモンクラフト」というワード自体にブランド価値が残っています。 - 市場人気が続いている
レモンサワー市場は依然として高い需要があり、プレミアム系の復活は話題性を生みやすい。 - 限定版・コラボ版としての再販が容易
定番としてではなく、「限定復刻」や「特別バージョン」として出すならコストを抑えてリブランディングできる。
再販されるとしたら、「瀬戸内レモン使用」など地域素材を活かした限定版や、既存ブランドとのコラボ企画の形が考えられます。完全復刻ではなくても、“クラフト系レモンサワー”として再び登場する日はありそうです。
レモンクラフトの代わりにおすすめできる商品
もし「もうあの味は飲めないのか…」と感じている人は、似た方向性のチューハイを探してみるのも一つの手です。
- こだわり酒場のレモンサワー〈濃いめ〉:居酒屋感あるキリッとした酸味。
- キリン 本搾り レモン:果汁感重視で、甘さ控えめ。
- 檸檬堂〈定番レモン〉:香りと甘味のバランスが取れた人気商品。
- サッポロ キレートレモンサワー:クエン酸配合で爽快感が特徴。
それぞれ方向性は違いますが、レモンクラフトに近い「果実感×上質さ」を求めるなら、上記あたりが代替候補になりそうです。
まとめ:レモンクラフトが教えてくれた“クラフトチューハイ”の価値
アサヒ ザ・レモンクラフトは、缶チューハイの世界に“香りと素材の深み”という新しい価値を持ち込みました。
その挑戦的な設計は、単なるレモンサワーではなく、「一杯をじっくり楽しむ時間」を提案するものでした。
終売(実質的な販売終了)となった背景には、
- 市場競争の激化
- 高コスト構造
- リニューアルと戦略的整理
といった複数の要因が重なったと考えられます。
しかし、その味を覚えているファンが今も多いことを思えば、完全に消えてしまうブランドではないはずです。
クラフトチューハイという潮流が再び注目を集めるタイミングで、「レモンクラフト」の名を冠した新作が登場する可能性も十分あるでしょう。
そしてその日が来たとき、またあの“芳醇で奥深いレモンの香り”に出会えるかもしれません。

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