レモンハート151が終売って本当？マニアを魅了した幻のラム
ラム好きの間で「伝説」とまで呼ばれるお酒、レモンハート151。
一度は名前を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
実はこのラム、日本ではすでに終売となっていると言われています。
度数75.5％という超高アルコールの一本でありながら、独特の甘みとコクを併せ持つ名品。
一体なぜ、そんな銘酒が姿を消してしまったのか。そして今でも買う方法はあるのか。
今回は、レモンハート151の終売理由と、現在の流通状況を詳しく追っていきます。
「レモンハート」とは？英国海軍が愛したラムの伝統
まず、ブランドの成り立ちをおさらいしておきましょう。
「レモンハート（LEMON HART）」という名前は、18世紀にイギリス海軍へラムを納めていた商人「レモン・ハート氏」に由来しています。
ガイアナのデメララ川流域で造られたラムをベースに、当時から濃厚な黒糖のような甘みと香ばしさが特徴。
「デメラララム＝重厚でリッチな味」という評価を世に広めたブランドのひとつでもあります。
なかでも151は、アルコール度数75.5％という驚異的な強さを誇り、バー業界では「炎を灯せるラム」としても有名。
フランベやトロピカルカクテルの材料にも使われてきました。
レモンハート151の魅力：ただ強いだけじゃない
度数の高さばかりが話題になりがちですが、レモンハート151の魅力はそれだけではありません。
- ストレートでは爆発的なアルコール刺激とともに、黒糖・レーズン・キャラメルのような甘さが広がる。
- 加水やロックにすると、トロピカルフルーツやバニラの香りがふわりと立ち、余韻は意外にも滑らか。
- カクテルに使えば、他の材料を圧倒しない絶妙なバランスを生み出す。
飲み方を選べば、驚くほど表情を変える奥深さがあるのです。
そのため「度数の暴力」と言われることもあれば、「唯一無二の芸術的ラム」と称されることもある——まさに“玄人向け”の一本です。
終売の真相①：蒸溜所の閉鎖と原酒供給の断絶
では、なぜそんな人気ラムが終売になってしまったのでしょうか。
最大の理由は、生産を担っていた蒸溜所の停止。
レモンハート151は、南米ガイアナの「デメララ川流域」で造られていたデメラララムをベースにしています。
しかし2000年代後半、この地域の蒸溜所が閉鎖・統合の波に飲まれ、従来の原酒供給が不可能に。
実際、「2009年頃に終売となった」とする情報が多く、当時の輸入元サントリーも「現地工場での生産終了により取扱終了」と回答していたといいます。
この時点で、世界中のバーやマニアが一斉に買い占めに走り、在庫が一気に消えたのです。
終売の真相②：ブランド権の移譲と体制の変化
もうひとつの要因が、ブランド体制の変更。
2010年頃、レモンハートのブランド権はカナダのモザイク・ディスティリング社（Mosaic Distilling）に移行。
その過程で輸出ルートやラベル、ボトルデザインが変更され、日本市場向けの正規流通が一時的にストップしました。
「終売」というより、旧仕様ボトルが消え、新仕様に切り替わったとも言えます。
しかし日本では旧ボトルの人気が圧倒的に高く、「もう手に入らない幻のラム」として語り継がれていくことになります。
終売の真相③：度数の高さゆえの市場縮小
アルコール度数75.5％というスペックは、一般消費者にはかなりハードルが高い数字です。
そのため、一般酒販店での販売は限定的で、バー専用・業務用に近いポジションでした。
度数が高いお酒は税率も高く、輸入・保管・流通コストも増える。
結果的に販売価格が上がり、流通量が減り——やがて採算が合わなくなっていったと考えられます。
つまり、愛されすぎたがゆえに市場から消えたという、皮肉な結末だったのです。
「幻」と呼ばれる理由：旧ボトルの希少性と味の違い
現在、ネットオークションや一部の輸入酒専門店では、旧ボトルのレモンハート151がプレミア価格で取引されています。
なぜここまで希少価値が高いのか。
それは、旧蒸溜所で造られた原酒の風味がまったく別物だからです。
復刻版も存在しますが、マニアの間では「香りや甘みの厚みが違う」と語られています。
瓶の形状・ラベルデザインも異なり、「赤ラベルの旧151」を手に入れることはもはやコレクターの夢。
一本開けるたびに「もう二度とこの味は出会えないかもしれない」という緊張感がある——それが幻の所以です。
今でも買える？流通在庫と販売店舗の最新情報
では、今からレモンハート151を手に入れることはできるのでしょうか。
結論から言うと、極めて難しいが、ゼロではないです。
- 一部の専門酒販店（例：武蔵屋など）では、ラベルを新しくした復刻版が限定的に入荷することがあります。
- 海外通販や輸入代行を通じて、新仕様のボトルを取り寄せる例も。
- フリマサイト・オークションでは旧ボトルが高値で出品されることがあり、価格は1本1万円を超えることも珍しくありません。
ただし、購入の際には「旧版なのか新版なのか」「正規輸入品か並行輸入品か」を必ず確認しましょう。
ラベル・度数・輸入元表示をチェックするのがポイントです。
レモンハート151の代替候補：他の151プルーフラムたち
「どうしてもこの系統の味を試したい」という人向けに、代わりになり得るラムも紹介します。
- ロン・バカルディ151（現在は終売）
こちらも同じ151プルーフで有名でしたが、製造終了済み。 - プランテーション オーバープルーフ
度数69％ながら、トロピカルな香りと重厚な甘みで人気上昇中。 - デメララ・オーバープルーフ
同産地のラムとして、味わいの方向性が近い一本。 - レモンハート40％ブラック／レモンハート40％ゴールド
同ブランドの現行商品で、151に比べてマイルド。ラム初心者にもおすすめ。
完全な代替は存在しませんが、系譜を感じられるボトルを探すことで“幻の151”の面影をたどることはできます。
なぜ今、レモンハート151が再注目されているのか
終売から十数年経った今、なぜ再び注目されているのでしょうか。
理由はシンプルで、クラシックカクテルブームの再燃です。
映画やドラマ、SNSを通じて「昔ながらのラム」「度数の高い酒の魅力」が再評価されており、バー業界でも151系ラムを使ったカクテルが復活しています。
また、近年のラム人気の高まりによって「もう一度飲んでみたい」「あの味を再現したい」という声が急増。
これが、再販や復刻版の動きを後押ししているとも言われています。
レモンハート151終売の真実：消えた理由と残る伝説
レモンハート151が終売となった理由をまとめると、次の三点に集約されます。
- ガイアナの蒸溜所閉鎖による原酒供給の断絶
- ブランド権移譲と輸入ルートの再編
- 高度数ゆえの市場縮小と流通コスト増大
どれも不可抗力的な事情ばかりで、品質や人気が落ちたわけではありません。
むしろ、良すぎたからこそ残せなかった——そんな特別な存在でした。
まとめ：レモンハート151は終売しても“伝説”として生き続ける
「レモンハート151が終売？幻のラムの理由と今買える店舗を徹底調査」というテーマで見てきたように、
このラムが消えたのは単なる経済的事情ではなく、時代の転換点そのものでした。
そしていま、世界中で再びラム人気が高まっています。
新しい蒸溜所やブランドが続々と登場しても、レモンハート151の存在感は薄れません。
なぜなら、あの一本が“ラムのロマン”を象徴しているからです。
もしどこかのバーでこの名前を見かけたら、ぜひ一度は味わってみてください。
終売してもなお、語り継がれる理由がきっとわかるはずです。
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