「鎌倉の鐘ってもう買えないの？」
そんな声を最近よく見かけます。鎌倉紅谷の隠れた名作として知られていた洋菓子「鎌倉の鐘」。
あの上品な甘さとバタークリームの香りが懐かしい…という人も多いのではないでしょうか。
この記事では、「鎌倉の鐘」がなぜ終売になってしまったのか、その背景をできるだけわかりやすくまとめました。
さらに、再販の可能性や代わりに楽しめるおすすめ商品についても紹介していきます。
鎌倉紅谷の名作「鎌倉の鐘」とは？
「鎌倉の鐘」は、鎌倉紅谷が手掛けていた洋菓子で、バタークリームとスポンジを重ねた小ぶりなケーキ。
見た目はクラシカルで、どこか昭和の香りが残るような、懐かしい雰囲気を持っていました。
あの「クルミッ子」で有名な鎌倉紅谷が作るケーキということで、知る人ぞ知る人気商品だったのです。
甘すぎず上品で、コーヒーや紅茶と一緒にいただくとまさに至福。
地元・鎌倉の人や、観光のおみやげとしてリピートしていたファンも少なくありません。
それだけに、販売終了の知らせを聞いたときは多くの人がショックを受けました。
「鎌倉の鐘」はいつ終売になったのか？
公式発表によると、「鎌倉の鐘」は2021年8月4日に終売が告知され、同年9月上旬ごろをもって各店舗での販売が終了しました。
終売は「在庫がなくなり次第」とされており、店舗によってはもう少し長く取り扱っていたところもあったようです。
同時に、姉妹商品である「アップルフィーユ」も終売となりました。
どちらもケーキタイプの商品で、冷蔵管理が必要な製造ラインだったことが共通点です。
長年愛されていただけに、SNSでも「悲しい」「また食べたい」と惜しむ声が多く寄せられました。
鎌倉の鐘が終売になった理由
終売の理由はひとつではありません。
鎌倉紅谷の社長ブログや公式発表をもとに、その背景を整理すると、大きく3つのポイントが見えてきます。
1. 製造スペースの確保が難しくなった
鎌倉紅谷の工場では、主力商品「クルミッ子」を中心に多くの菓子を製造しています。
その中で「鎌倉の鐘」を作る専用ラインは、限られたスペースをかなり占有していました。
ラインを維持するには、専用の仕込み・クリーム・包装工程が必要で、増産体制との両立が難しかったのです。
結果として、「クルミッ子」の生産拡大を優先するため、スペースの効率化が必要になりました。
「鎌倉の鐘」の製造を続けるにはリソースが足りない――それが大きな理由のひとつです。
2. 原価と売価のバランスが取れなかった
もともと「鎌倉の鐘」は、余った生地を有効活用して作られていたお菓子でした。
しかし次第に専用の生地や材料を用いるようになり、コストが上昇。
当初の販売価格では利益を確保できない構造になってしまったといいます。
社長ブログによると、継続するには当時の価格（500円前後）では厳しく、1,000円以上に値上げしなければ採算が取れなかったそうです。
しかし、顧客の受け入れやすさを考えると大幅な値上げは難しく、結果的に終売という判断に至ったとのことです。
3. 少量生産による効率の悪さ
「鎌倉の鐘」は1日に50個ほどしか作れない少量生産品でした。
ファンが多くても数量が限られるため、製造ラインを維持するコストとの釣り合いがとれません。
大企業ではなく職人技で作り上げる商品だからこその味わいでしたが、それが裏を返すと「継続が難しい理由」にもなったわけです。
経営判断としての「終売」という決断
鎌倉紅谷の社長は、ブログの中で次のような趣旨を語っています。
つまり、単にやめるのではなく、「次の時代にふさわしいお菓子を作るための選択」でもあったのです。
売れるかどうかよりも、ブランドとしての“持続可能性”を重視した判断だったとも言えます。
伝統を大切にしながらも、新しい価値を生み出すために一度立ち止まる。
その背景には、単なる経営判断を超えた「お菓子づくりへの誠実さ」も感じられます。
ファンの反応と惜しまれる声
終売のニュースが流れたとき、SNSやブログには多くの惜別の声が寄せられました。
「鎌倉に行ったら必ず買っていた」「母と一緒に食べた思い出がある」といった投稿もあり、
単なるお菓子以上の“思い出の味”として記憶に残っている人が多いことがわかります。
特に、「クルミッ子」など他の商品よりも知る人ぞ知る存在だっただけに、
「隠れた名作が消えるのは寂しい」という声が目立ちました。
終売後もしばらくは在庫を求めて駆け回る人もいたほどで、
それだけ長年愛されていたことがうかがえます。
再販や復刻の可能性はある？
気になるのは「もう二度と食べられないのか？」という点ですよね。
結論から言うと、現時点で公式な再販情報は発表されていません。
ただし、希望がまったくないわけではありません。
鎌倉紅谷のSNSやニュースには、「鎌倉の鐘を改良した新商品を検討中」といった内容が散見されます。
さらに、70周年を迎えた際に「過去の人気商品を再構築するプロジェクト」が進んでいるという話題もありました。
まだ明確なスケジュールや商品名は出ていませんが、
「鎌倉の鐘」にルーツを持つ新しいスイーツが登場する日が来るかもしれません。
長年のファンにとっては、静かに期待しながら待ちたいところです。
「鎌倉の鐘」の代替商品を探すなら
今すぐあの味を思い出したい…という方のために、
「鎌倉の鐘」に代わる商品や、似た味わいを楽しめるスイーツをいくつか紹介します。
鎌倉紅谷の定番「クルミッ子」
まず外せないのが、鎌倉紅谷の看板商品「クルミッ子」。
くるみとキャラメルをサンドした焼き菓子で、濃厚な味わいが特徴です。
食感や素材は違いますが、鎌倉紅谷らしい上品さと甘みのバランスは共通しています。
同社の新作・季節限定ケーキ
鎌倉紅谷では、季節限定でバターやナッツを使ったケーキも登場します。
オンラインショップや直営店で時期ごとに入れ替わるため、
チェックしておくと「鎌倉の鐘」に近い味わいに出会えるかもしれません。
他ブランドの似た系統のスイーツ
もし「バタークリーム×スポンジ」の組み合わせが恋しいなら、
鎌倉・横浜エリアの洋菓子店を巡るのもおすすめです。
「鎌倉ニュージャーマン」「横浜元町の老舗ケーキ店」などでは、
同系統のクラシカルなケーキが今も根強く人気です。
「鎌倉の鐘」が残したもの
終売から数年が経ちましたが、「鎌倉の鐘」という名前はいまだに多くの人の記憶に残っています。
それは、ただ美味しいからではなく、「誰かと一緒に食べた思い出」や「鎌倉旅行の記憶」と結びついているからでしょう。
お菓子は、味だけでなく“時間”や“感情”も包み込むもの。
鎌倉の鐘が静かに姿を消しても、その温かさは今も多くの人の心に残り続けています。
鎌倉の鐘 終売まとめ：再販の期待とこれから
最後にもう一度まとめます。
- 「鎌倉の鐘」は2021年8月に終売発表、9月上旬ごろに販売終了
- 理由は製造スペース・コスト・少量生産など複合的な要因
- 公式の再販情報はまだないが、リニューアルの可能性あり
- 鎌倉紅谷の「クルミッ子」や季節限定ケーキが代替候補
- ファンの間では今も復活を願う声が多い
お菓子は消えても、その味や記憶は残るものです。
「鎌倉の鐘」のような商品が再び姿を変えて戻ってくる日を、楽しみに待ちたいですね。
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