「金黒って、もう売ってないの?」
最近そんな声を耳にすることが増えてきました。焼酎ファンの中でも人気の高かった本格芋焼酎「金黒」。スーパーや酒屋で見かけなくなった、通販でも“お取り扱い終了”の文字が目立つ――。今回は、その「金黒」が本当に終売になってしまったのか、なぜ姿を消したのか、そして今後の入手方法について徹底的に調べました。
金黒とは?黒麹が香る、アサヒの本格芋焼酎
「金黒」は、アサヒビールが2017年に発売した本格芋焼酎です。
鹿児島県産のさつまいも「黄金千貫(こがねせんがん)」を全量使用し、黒麹仕込み・とろ火焚き蒸溜という、手間ひまを惜しまない製法でつくられていました。
黒麹特有のコクと甘い香り、そしてまろやかな口当たりが特徴。焼酎初心者にも飲みやすい味わいで、「ロックでもお湯割りでもバランスがいい」と好評でした。発売当初は飲食店向け中心の展開で、初月の販売目標を大幅に上回るなど、スタートは上々でした。
「金黒」というネーミングも印象的ですよね。黒麹の“黒”と、黄金千貫の“金”を掛け合わせたブランド名で、パッケージも高級感のある黒と金のデザイン。家庭用焼酎としても人気を集めました。
終売の噂は本当?現在の販売状況を確認
では、そんな「金黒」が“終売”になったという話は本当なのでしょうか。
調べてみると、いくつかの酒販サイトや通販ショップで「お取り扱い終了」「在庫限り」といった表記が確認できます。中には「販売終了しました」と明記している店舗もあり、流通在庫がほとんど残っていないことが分かります。
一方で、アサヒビール公式サイトでは「金黒」の製品ページがまだ残っており、「製造・販売終了」の正式な告知は確認されていません。つまり、メーカーから明確に「終売です」とは発表されていないのです。
このことから、「公式に終売が発表されたわけではないが、実質的には流通が止まっている」――そんな状況と見るのが現実的でしょう。つまり、“事実上の終売状態” というわけです。
なぜ金黒が市場から消えたのか?考えられる4つの理由
公式な説明は出ていませんが、業界動向や市場背景から「金黒」が姿を消した理由を考えると、いくつかの要因が見えてきます。
1. 焼酎市場全体の縮小
近年、焼酎市場は長期的な縮小傾向にあります。
若年層のアルコール離れや、ハイボール・チューハイ人気の影響で、焼酎の消費量は減少。メーカー各社がブランド整理やラインナップ見直しを進めており、「金黒」もその流れの中で縮小対象になった可能性があります。
2. 製造コストの上昇
「金黒」は原料の黄金千貫を全量鹿児島産で確保し、黒麹・とろ火焚きという手間のかかる製法を採用していました。
近年の原材料価格や燃料費の高騰、物流コストの上昇などにより、コストバランスが崩れたことが考えられます。プレミアム寄りの焼酎ほどコストの影響を受けやすいため、採算面で厳しかったのかもしれません。
3. 販売戦略・ブランド整理
アサヒビールはビールやRTD(缶チューハイ)市場での競争が激化する中、商品ポートフォリオを定期的に見直しています。販売数が安定しない銘柄や流通効率の悪い商品から整理する傾向があり、「金黒」もその対象になった可能性が高いです。
4. 販路の変化
発売当初は飲食店中心の展開がメインでしたが、コロナ禍を経て飲食業界が大きく変化。家庭用需要が伸びた反面、外飲み需要の減少で業務用出荷が減り、結果として生産量が抑えられたとも考えられます。
これらの要素が重なり、「金黒」は静かに市場から姿を消したと見られます。
現在も入手できる?金黒を探す方法
「もう飲めないの?」とがっかりする方も多いかもしれませんが、まだ入手できる可能性はゼロではありません。以下の方法を試してみましょう。
1. 在庫限りの店頭販売を探す
地方のスーパーや酒屋では、在庫が残っている場合があります。特に大型量販店や独立系の酒店では、棚の隅に1〜2本だけ残っているケースも。見つけたら迷わず確保しておくのがおすすめです。
2. 通販サイトをチェック
Amazonや楽天市場では、時折「金黒」が出品されています。ただし、在庫限り・プレミア価格になっていることが多いので、価格をよく確認してから購入しましょう。
公式販売ではなく個人出品の場合もあるため、販売者情報と発送元を必ずチェックしてください。
3. フリマアプリ・オークションサイト
メルカリやヤフオクなどでは、未開封品が出品されていることもあります。
ただし、保存状態や保管環境に注意。高温や直射日光に当たった焼酎は品質が劣化している可能性があるため、信頼できる出品者を選びましょう。
4. 業務用ルートに残っている場合も
居酒屋や飲食チェーンの一部には、業務用在庫として金黒を保管している店舗もあります。常連のお店で聞いてみると、メニューには載っていない「最後の1本」が出てくることもあります。
金黒に似た味を楽しむには?代替銘柄のおすすめ
「金黒がもう手に入らないなら、似た焼酎はないの?」
そう思う方も多いはず。金黒は黒麹仕込みのバランス型芋焼酎なので、同系統の香り・コクを持つ焼酎を探すと満足度が高いでしょう。
おすすめの代替銘柄を挙げると――
- 黒霧島(霧島酒造)
黒麹特有の甘みとコクを代表する定番銘柄。飲み口が安定しており、手に入りやすい。 - さつま白波 黒(薩摩酒造)
濃厚で香ばしい香り。お湯割りにすると甘みが引き立ちます。 - 黒伊佐錦(大口酒造)
香りの奥行きと後味のキレが絶妙。金黒よりもやや力強いタイプ。 - 黒白波 やわらか仕立て
マイルドな味わいで、「金黒」の柔らかさに近い印象。
どれも黒麹仕込みで、金黒の系譜を感じさせる芋焼酎です。飲み比べて、自分好みの“金黒ロス”を埋める一本を探すのも楽しいですね。
終売した金黒が復活する可能性はある?
焼酎ブランドの中には、一度終売した後に限定復刻や数量限定で再登場するケースがあります。
過去には、人気の高かった銘柄を“特別仕込み”として再リリースする動きも見られました。
「金黒」も、原酒やブランド資産が残っていれば、何らかの形で復活する可能性は十分にあります。
アサヒビール公式サイトやニュースリリースを定期的にチェックしておくと、新展開の情報をいち早くキャッチできるでしょう。
まとめ:金黒の焼酎が終売って本当?今後の動きに注目
まとめると――
- 「金黒」は、公式に“終売”と発表されていないが、流通在庫がほぼ尽きており、実質的には販売終了状態。
- 焼酎市場の縮小やコスト上昇、ブランド整理など、複数の要因が重なった可能性が高い。
- 現在は一部の店舗や通販で在庫が残る程度。見つけたら早めに確保を。
- 黒麹仕込みの他銘柄で代替・比較を楽しむのもおすすめ。
- 復刻や限定再販の可能性もあるため、今後のメーカー動向に注目。
「金黒」は、単なる焼酎ではなく、香りや口当たり、そして“黒麹の深み”を身近に感じさせてくれた存在でした。
いまや市場から消えつつあるその一本を、もう一度味わいたいという声が多いのも納得です。
もし店頭や通販で見つけたら、それはもう貴重な一本。
見つけたその瞬間が“最後のチャンス”かもしれません。

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