「黒船ハーバー ショコラクルミが終売したらしい」と耳にして、驚いた人も多いのではないでしょうか。
横浜みやげの定番として知られる「ありあけハーバー」シリーズの中でも、特にファンが多かったチョコレート味の「黒船ハーバー ショコラクルミ」。あのしっとりとした黒い生地と、くるみの香ばしさが印象的なお菓子が、なぜ姿を消してしまったのか。
この記事では、終売の背景や理由、そして今でも買える可能性がある店舗情報をまとめてお伝えします。
黒船ハーバー ショコラクルミとは?横浜を代表する老舗ブランドの名菓
「黒船ハーバー」は、横浜の老舗菓子メーカー「ありあけ」が製造・販売していた洋菓子です。
そもそも「ありあけハーバー」は、1950年代から続く長い歴史を持つブランドで、船の形を模したしっとりカステラ生地と、やさしい白あんが特徴。横浜開港の象徴でもある“船”をイメージして名づけられたと言われています。
その中で「黒船ハーバー ショコラクルミ」は、少しビターで大人向けの味わいとして人気を集めてきました。
黒いココア生地に、チョコレートと白あんを混ぜた濃厚な餡、さらにローストクルミの食感がアクセント。
甘すぎず、香ばしく、洋風と和風のバランスが絶妙な一品でした。
「定番の横濱ハーバー ダブルマロンも好きだけど、黒船の方がコーヒーに合う」
そんな声も多く、リピーターも少なくなかったのです。
終売の知らせにショックの声が広がる
「黒船ハーバー ショコラクルミ」が終売になったことが正式に告知されたのは、2023年春ごろ。
ありあけ公式サイトの「終売・休売商品のご案内」において、黒船ハーバーが対象商品として掲載され、「ご愛顧ありがとうございました」とのコメントが発表されました。
SNSでもこの知らせは大きな反響を呼びました。
「黒船ハーバー、もう買えないの?」
「職場で配るのにちょうどよかったのに…」
「ショコラクルミの味が一番好きだったのに残念」
こうした投稿が相次ぎ、ファンの間では“黒船ロス”のような声も広がりました。
地元の百貨店や駅の売店でも次第に姿を消し、「最後にもう一度買いたい」という人たちが店舗を探す様子も見られました。
黒船ハーバー ショコラクルミが終売になった理由とは?
ありあけからは明確な「終売理由」の詳細説明は出ていませんが、公式発表や市場の動きからいくつかの要因が見えてきます。
1. 原材料費の高騰
近年、チョコレートやナッツ類、燃料費などが世界的に高騰しています。
ありあけも2023年に「価格改定および終売・休売商品のご案内」を発表し、「現在の価格を維持することが困難な状況」と説明しています。
ショコラクルミはチョコとクルミをふんだんに使った商品。
原料コストの影響を最も受けやすいラインだったことは間違いありません。
2. シリーズの整理・再編
ハーバーシリーズは、ダブルマロン、ピーナッツバター、横濱レモン、開港ハーバー 抹茶黒蜜など、限定や季節商品も含めてラインナップが非常に多彩でした。
そのため、ブランドとしての整理・刷新を進めるタイミングで、一部商品の生産を終了した可能性があります。
実際、黒船ハーバー ショコラクルミが終売となった後には「開港ハーバー 抹茶黒蜜」など、新しいフレーバーが登場しています。
3. 販売量・採算性の問題
観光土産として定番の「横濱ハーバー ダブルマロン」や「横濱ハーバー ミルクモンブラン」に比べると、黒船ハーバーはやや niche(ニッチ)な位置づけ。
チョコとくるみの大人味はファンが多い反面、万人受けという点では少しマイナーな存在だったのかもしれません。
製造コストの高さに対して販売量が伸び悩み、採算面で継続が難しかった可能性も考えられます。
4. 観光需要の変化
コロナ禍を経て、横浜を訪れる観光客や出張客の動向も変化しました。
駅や空港の土産需要が減少し、一部の地方銘菓・観光銘菓がラインナップを見直す動きも見られます。
黒船ハーバー ショコラクルミのような「大人向け・贈答向け商品」は、そうした影響を受けたとも言われています。
まだ買える?黒船ハーバー ショコラクルミを探す方法
「もう完全に手に入らないの?」という声も多いですが、わずかに入手できる可能性は残されています。
1. 直営店・アウトレット店
ありあけ直営の「ありあけマルシェ」(藤沢市)では、製造過程で出るB品や終売商品の詰め合わせが販売されることがあります。
2023年ごろまでは黒船ハーバー ショコラクルミの“詰め放題”イベントも行われていたとの報告も。
ただし、現在は在庫が残っていない可能性が高いため、訪問前に店舗へ確認するのが確実です。
2. 百貨店・駅構内の売店
終売後しばらくは、横浜駅・東京駅・羽田空港などの土産売場で在庫分が販売されていた時期もありました。
今ではほとんど見かけなくなりましたが、期間限定の催事やギフトフェアで復刻的に登場するケースもあるかもしれません。
3. オンラインショップ・通販サイト
ありあけ公式オンラインショップでは、終売商品の再販売は行っていませんが、Amazonや楽天などの通販サイトにごくわずかに在庫が出ていることがあります。
ただし、いずれも在庫限り。賞味期限や保存状態をよく確認してから購入するのが安心です。
終売後の後継・代替フレーバーにも注目
黒船ハーバー ショコラクルミが姿を消した後、ありあけでは新たなフレーバーを続々展開しています。
特に注目なのが「開港ハーバー 抹茶黒蜜」。
黒いパッケージと和の風味が印象的で、黒船ハーバーの系譜を感じさせる一品として話題になりました。
また、定番の「横濱ハーバー ダブルマロン」も、素材や包装をリニューアルしながら今も人気を保っています。
もし「黒船ロス」を感じているなら、まずはダブルマロンや季節限定の味を試してみるのもおすすめです。
期間限定で登場する「苺ミルク」や「ピーナッツバター」なども、ありあけらしい優しい甘さが楽しめます。
終売は寂しいけれど、愛された証でもある
長く続いてきた商品が終売になると、どうしても惜しまれるもの。
しかし、それは裏を返せば「多くの人に愛された」という証でもあります。
ありあけハーバーのシリーズは、時代とともに変化しながらも、“横浜を代表する味”として確実に受け継がれています。
黒船ハーバー ショコラクルミも、そんな歴史の中で多くのファンに記憶され続けるお菓子。
もし再販や限定復刻があれば、またたく間に話題になることでしょう。
その日を楽しみに、今はほかのハーバーで“横浜の味”を味わいながら待ちたいですね。
黒船ハーバー ショコラクルミ終売の今、ファンができること
黒船ハーバー ショコラクルミが終売となっても、ありあけブランドの魅力は変わりません。
横浜土産としての定番「ハーバー」シリーズを支えるのは、長年受け継がれてきた職人の技と、お菓子への誠実な姿勢です。
お気に入りの商品が姿を消すのは確かに寂しいものですが、その分、新しい味や形が生まれていく楽しみもあります。
これから登場するハーバーシリーズの新作にも、ぜひ注目してみてください。
黒船ハーバー ショコラクルミが終売した今も、その味を覚えている人がいる限り、ブランドの物語は続いていきます。
そして、またいつか“黒いハーバー”が帰ってくる日が訪れるかもしれません。
それまでは、横浜の街で受け継がれるありあけの味を、ゆっくり味わっていきましょう。

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