「CR2412の電池がどこにも売ってない」「家電量販店でも見つからない」と感じている人が増えています。時計や車のリモコン、電子辞書などに使われるこの薄型ボタン電池。普段はあまり意識しませんが、いざ交換しようとすると見つからず困るものです。
この記事では、CR2412が売っていない理由や在庫切れ・製造終了の可能性、そして代替できる電池の選び方までを分かりやすく解説します。
CR2412とは?基本スペックと使われ方
まずは、そもそもCR2412とはどんな電池なのかを整理しておきましょう。
CR2412はリチウム・マンガン電池(Li-MnO₂)に分類されるコイン型電池で、公称電圧は3V。直径が24.5mm、高さは1.2mmという非常に薄型の構造が特徴です。パナソニックなどのメーカーが製造しており、型番の「CR」は化学系(Li-MnO₂)を、「2412」はサイズを意味します。
主な使用例としては以下のような機器があります。
- 腕時計や置き時計
- 車のスマートキーやリモコン
- 電子辞書やメモリバックアップ用途
- 医療機器や薄型電子デバイス
つまり、一般的なCR2032やCR2025のような汎用電池よりも、**「特定機器専用のサイズ」**として使われることが多いのです。
CR2412が「売ってない」と言われる理由
最近では家電量販店やコンビニ、ホームセンターなどでCR2412が置かれていないことが多く、ネット通販でも在庫切れや取り寄せ表示が目立ちます。なぜこうした状況が起きているのでしょうか。
1. 需要が少ないニッチサイズ
CR2412は、コイン電池の中でも非常に特殊なサイズです。
もっと一般的なCR2032(厚さ3.2mm)やCR2025(厚さ2.5mm)は幅広い製品に使われていますが、CR2412は薄型機器向けのため、流通量が圧倒的に少ないのが現実です。
家電量販店では「売れ筋サイズ」を中心に在庫を確保する傾向があり、結果としてCR2412は常備されにくくなっています。
2. 旧型番「BR2412」が製造終了した影響
以前は同サイズの「BR2412」という型番がありましたが、これは一部メーカーで製造が終了しています。
海外サイトでは「SeikoはBR2412の生産を終了し、現在はパナソニック製CR2412を採用している」との記載も確認できます。
この切り替えの影響で、一時的に市場在庫が減り、「売ってない」と感じるケースが増えたと考えられます。
3. 輸送・在庫コストの問題
リチウム金属電池は航空輸送に制限があり、販売業者にとっても仕入れや保管のコストが高くなります。
特に販売量の少ないサイズでは、在庫を持つリスクが大きいため、小売店が取り扱いをやめてしまうことも少なくありません。
4. 海外需要との競合・入荷遅延
一部の海外販売サイトでは「Out of stock(在庫なし)」と表示されており、世界的にも流通が限られているようです。
近年は電子機器の部品不足や物流制限の影響で、特定サイズのコイン電池が入手しづらくなる傾向があります。
そのため、国内でも安定供給が難しく、販売店によっては長期間の在庫切れが続いています。
製造終了の可能性はあるのか?
結論から言うと、CR2412自体は完全に製造終了していません。
パナソニックの公式サイトでは、現在もCR2412の製品ページが存在し、仕様データシートも公開されています。
つまり「メーカーが生産をやめた」というわけではなく、流通量が非常に少ないために市場で見つけづらい状況なのです。
一方で、旧型番のBR2412や他社製同等品が生産終了になっているため、「代替品に置き換えが進んでいる」「一時的に供給が滞っている」といった事情はあります。
そのため、ユーザーから見れば「売ってない」「見つからない」と感じるのも当然でしょう。
購入できる場所と探し方のコツ
CR2412は家電量販店の電池コーナーには並んでいないことが多いため、入手するには少し工夫が必要です。
以下のようなルートを探すと見つかる確率が上がります。
- 電池専門店や電子部品ショップのオンラインストア
例:秋月電子、オーム電機直販、Office Japanなどでは少数在庫を扱っている場合があります。 - Amazonや楽天市場などの通販サイト
在庫がある店舗を検索し、メーカー(パナソニック、マクセル、デュラセルなど)を確認して購入。 - 海外通販サイト(Microbattery、Digi-Keyなど)
国内在庫がない場合、海外から取り寄せる方法もあります。ただし、リチウム電池は航空輸送制限があるため、発送不可地域もある点に注意しましょう。 - 家電メーカーや時計メーカーの修理窓口
リモコンや腕時計の交換電池として指定されている場合、メーカー経由で取り寄せできることがあります。
購入時は必ず製造元・型番・製造年月を確認し、古い在庫やノーブランド品を避けるのがおすすめです。
CR2412の代替電池と互換型番
もしどうしてもCR2412が手に入らない場合、互換性のある代替電池を検討することができます。
ただし、同じ「24mm径」であっても厚さや化学系が異なると動作しない可能性もあるため、注意が必要です。
代表的な互換・代替候補は以下の通りです。
これらは基本的に「同じ24.5mm×1.2mm/3V」仕様ですが、
CR(Li-MnO₂)とBR(Li-CFx)では放電特性が異なります。
機器が低電流・常時待機用途であればBR系でも問題ありませんが、パルス電流を多く使うリモコン類ではCR系のほうが安定します。
また、厚さが異なるCR2430やCR2450を代用しようとするのは避けたほうが安全です。
電圧は同じでも厚みが2倍以上あり、電池ホルダーに収まらない、接点が届かないなどの不具合が起きやすくなります。
代替電池を選ぶ際の注意点
代替電池を使うときは、次の点を確認しましょう。
- 電圧・サイズの完全一致
CR2412は3V、24.5×1.2mm。これを満たすことが最低条件です。 - 使用機器の取扱説明書を確認
メーカーが代替型番を明記している場合はそれに従いましょう。 - ブランドの信頼性を確認
リチウム電池は偽物や長期在庫も多いため、パナソニックやエナジャイザーなど信頼できるメーカーを選びます。 - 保管環境にも注意
リチウム電池は高温多湿に弱いため、冷暗所で保管することが大切です。 - 使用前に電圧をチェック
長期保管品の場合、購入時点で電圧が下がっていることもあります。電池チェッカーがあれば確認してから使用しましょう。
今後の入手性と対策
今後もCR2412は「レアサイズ」として扱われ続ける可能性が高いです。
すでにBR2412などが製造終了になっていることからも、需要の縮小傾向は明らかです。
そのため、以下のような対策を取っておくと安心です。
- 使っている機器がCR2412専用なら、予備を1~2個ストックしておく。
- 型番が消えたときのために、互換品の型番をメモしておく。
- 定期的に通販サイトで在庫状況をチェックし、販売終了前に早めに確保。
- 機器のメーカーが電池交換をサポートしている場合は、公式窓口に問い合わせる。
とくに車のリモコンキーや医療用測定器など、「動かないと困る機器」にCR2412が使われている場合は、早めの対処が重要です。
CR2412が売ってないときのまとめ
ここまでの内容を整理すると、次のようになります。
- CR2412は薄型3Vリチウムコイン電池で、特殊サイズのため流通量が少ない
- 完全な製造終了ではないが、旧型番BR2412の生産終了で供給が減少
- 一般店頭ではほとんど扱いがなく、専門店や通販での入手が中心
- 代替型番(BR2412・DL2412・ECR2412など)は存在するが、仕様確認が必要
- 予備確保や早めの購入が安心
リチウム電池は長期保存ができるため、見つけたときに購入しておくのが賢い選択です。
在庫切れの波が続く中、「CR2412が売ってない」と感じたら、通販や海外在庫も含めて早めに探しておきましょう。

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