「‘CR2477’の電池がどこにも売ってない」「家電量販店を回っても在庫が見つからない」──そんな声が最近増えています。
この記事では、リチウムコイン電池「‘CR2477’」がなぜ手に入りにくくなっているのか、その背景と販売終了の有無、そして現在でも購入できる店舗情報や代替品の選び方までを詳しく解説します。
‘CR2477’とは?基本スペックと用途をおさらい
まず「‘CR2477’」とは、直径24.5mm・厚さ7.7mmのリチウムコイン電池(3V)です。
ボタン電池の中でも容量が非常に大きく、約1000mAh前後とされており、長寿命・大電流が求められる電子機器で使われています。
主な用途は以下のような機器です。
- 温度センサー・IoTデバイス
- 時計や電子タグ
- 医療機器の内部電源
- パソコンや家電製品のバックアップ電池
ただし「‘CR2032’」や「‘CR2450’」などの汎用サイズに比べると、厚みがあり採用機器が限られているのが特徴です。
そのため、家庭で見かける機会は少ないものの、特定の機器では欠かせない存在となっています。
‘CR2477’が売ってない理由①:メーカーの販売終了・流通縮小
‘CR2477’が店頭から姿を消している一番の要因は、メーカーや流通業者による販売終了・取扱終了です。
パナソニックの公式通販サイトでは、すでに「販売終了することもございます」「入荷しない場合があります」といった注意書きが掲載されています。
つまり、今後の入荷が保証されない状況にあります。
さらに、電子部品の大手通販サイト(ミスミなど)でも
「2021年10月に販売終了」「メーカー製造終了品ではないが取扱終了」との告知が出ており、
流通段階での取り扱いを停止していることが確認されています。
このように、‘CR2477’は製造そのものが完全に止まったわけではないものの、流通経路が細り、一般市場では“実質的な終売状態”となっているのです。
‘CR2477’が売ってない理由②:需要減少と機器の小型化
もうひとつの理由は、需要の減少です。
‘CR2477’は他のコイン電池よりも厚く、大型の機器向けに設計されています。
しかし、近年はセンサーやリモコンなどがより薄型・省電力化しており、
「‘CR2032’」「‘CR2450’」などの薄い電池が主流になっています。
この流れにより、‘CR2477’を採用する新製品が少なくなり、
販売店も在庫を持たなくなったのです。
また、電池メーカーとしても需要の少ない規格を維持するコストは大きく、
結果的に生産ラインや流通量が削減される傾向があります。
‘CR2477’が売ってない理由③:環境規制と製造コストの影響
ボタン電池は世界的に環境規制の対象になっています。
特にEUなどでは水銀・カドミウムの使用禁止が強化され、
製造コストの高い旧規格電池が徐々に淘汰されてきました。
リチウム電池も例外ではなく、製造ラインの更新や安全基準の改定に合わせて
古い型番の製造を縮小・停止するケースがあります。
‘CR2477’のような大容量・厚型タイプは、環境負荷やコストの観点から
「量産効率が悪い」と判断された可能性もあります。
現在の販売状況:在庫は“あるにはある”が限定的
2025年現在、‘CR2477’は一部の通販サイトや専門店でのみ入手可能です。
- Amazon:‘Panasonic CR2477’純正品や互換ブランドの在庫があり。価格は1個あたり400〜800円前後。
- ヨドバシ・ヤマダ電機のオンラインストア:在庫限りの販売。店舗によっては「お取り寄せ」対応。
- RS OnlineやDigi-Keyなどの部品通販サイト:海外在庫扱いで販売継続中。
ただし、これらはいずれも「在庫限り」「再入荷未定」と表記されていることが多く、
長期的に安定入手できる保証はありません。
また、100円ショップ(ダイソー・セリア)やコンビニでは、
‘CR2477’の販売実績は確認されていません。
一般消費者向けチャネルではすでに取り扱いが終了していると見てよいでしょう。
代替品・互換モデルの選び方
‘CR2477’が手に入りにくい場合は、同等サイズ・同電圧の互換モデルを検討するのも一つの方法です。
ただし、形状や容量の差によって動作しない場合もあるため注意が必要です。
代替候補例
- 他社製‘CR2477’(‘FDK CR2477’、‘Maxell CR2477’、‘Renata CR2477’など):基本的に同寸法・同電圧。
- ‘CR2450’や‘CR2430’:厚みが異なるため、電池ホルダーに物理的に合わないことがある。
機器側で高さや接点の余裕がある場合を除き、
「2477」以外を代用するのは推奨されません。
必ず機器の取扱説明書で指定型番を確認することが重要です。
また、‘CR2477’のような大容量タイプを必要とする製品は、
電圧降下に敏感な回路を持っている場合が多く、
低品質な互換品を使用すると動作不良を起こす可能性もあります。
安全に購入するための注意点
ネット通販で‘CR2477’を購入する際は、次の点に注意しましょう。
- 製造年月の新しいものを選ぶ
長期間保管された電池は自己放電で容量が低下している場合があります。
可能な限り製造年月の明示された商品を選ぶこと。 - 信頼できる販売元から購入する
並行輸入品やノーブランド品は品質や安全性が保証されないことがあります。
有名メーカー(Panasonic・FDK・Maxellなど)を選ぶのが安心です。 - 在庫限り品は早めに確保する
販売終了が進むと、正規品の入手が難しくなります。
機器の予備電池として、数個まとめて確保しておくのも一つの手です。
‘CR2477’の今後:再販の可能性は?
現時点では、メーカーからの再販予定や後継モデル発表は確認されていません。
ただし、業務・産業用途では継続需要があるため、
海外ではOEM向けに少量生産が続いている可能性があります。
そのため、完全に市場から消えることはないにしても、
「一般販売向けの継続流通」は今後さらに難しくなると予想されます。
日本国内では在庫品・輸入品が中心となり、価格が上昇傾向にある点にも注意が必要です。
まとめ:‘CR2477’が売ってないのは“終売”の前兆。今のうちに確保を
‘CR2477’が売っていない背景には、
- メーカー・流通の取り扱い終了
- 機器の小型化による需要減少
- 環境規制やコスト削減の影響
といった複数の要因が重なっています。
現在はまだネット通販や一部家電量販店で在庫が見つかるものの、
「販売終了」「再入荷未定」の表示が多く、確実に流通は縮小傾向です。
もし現在使用中の機器が‘CR2477’を必要としているなら、
今のうちに予備を確保しておくことをおすすめします。
信頼できるメーカー・販売店を選び、古い在庫や粗悪品に注意しながら購入しましょう。
「‘CR2477’が売ってない」という状況は、まさに終売の前兆。
手遅れになる前に、必要な分だけ早めに備えておくのが賢明です。

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