最近、「アクチビア軟膏がどこにも売っていない」「薬局を何軒回っても見つからない」という声が多く聞かれます。
口唇ヘルペス用の市販薬として知られるアクチビア軟膏ですが、なぜこんなにも見つけづらくなってしまったのでしょうか。
この記事では、販売終了の背景や理由、代わりに使える市販薬、そして今後の入手方法までを詳しく解説します。
アクチビア軟膏とは?口唇ヘルペス用の定番市販薬
アクチビア軟膏は、口唇ヘルペスの再発治療に使われる市販薬です。
有効成分は「アシクロビル」で、ウイルスの増殖を抑える働きがあります。口のまわりがピリピリ、チクチクとした違和感を覚えたときに早めに塗ることで、発症や悪化を防ぐ効果が期待できるとされていました。
分類は第1類医薬品。
このカテゴリーの薬は、薬剤師による対面販売またはオンライン上での確認が必要で、ほかの市販薬より購入ハードルがやや高いのが特徴です。
とはいえ、ドラッグストアやネット通販でも広く扱われ、再発を繰り返す人の“常備薬”として長年支持を集めてきました。
しかし現在、このアクチビア軟膏が「売ってない」と言われる状況になっています。
アクチビア軟膏が売ってない理由とは?
販売元が販売中止を正式に告知
製造販売元である**Haleonジャパン株式会社(旧グラクソ・スミスクライン)**は、
2024年10月1日付で「アクチビア軟膏 2g」の販売を終了する旨を正式に発表しました。
内容は「現在庫をもって店頭での販売を中止いたします」というもの。つまり、再出荷は行われず、店頭在庫がなくなり次第終了という形です。
実際に多くのドラッグストアや通販サイトでは「在庫限り」「販売終了」「再入荷予定なし」と表示されています。
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングなどの大手通販でも在庫切れが目立ち、再入荷の予定は立っていません。
製造・流通面での理由が影響
メーカー側は具体的な理由を明示していませんが、次のような背景が考えられます。
- 製造・流通コストの増大
医薬品の製造には厳格な品質管理体制が求められ、ライン維持のコストが高騰しています。需要が一定以下になると採算が取れなくなることも。 - 市場の縮小と競合製品の増加
同じ成分(アシクロビル)や類似の作用を持つ薬が増えたことで、市場全体が分散し、販売継続のメリットが薄れた可能性があります。 - 第1類医薬品の販売ハードル
薬剤師常駐店舗でしか販売できず、オンライン販売も薬剤師の確認が必須。流通が限定されることで、在庫回転率が低くなりやすいという構造的問題もあります。 - 原料や製造ラインの見直し
医療用アシクロビル軟膏など、同系統製品の製造終了例が相次いでおり、同成分ラインが縮小された可能性も指摘されています。
これらが重なり、採算性・供給体制の両面から販売終了の判断に至ったと考えられます。
なぜ「売ってない」と感じる人が多いのか
販売終了が発表されたとはいえ、実際にユーザーが「売ってない」と体感するのにはいくつかの要因があります。
1. 店頭から徐々に姿を消している
第1類医薬品は全てのドラッグストアに置かれているわけではありません。
薬剤師不在の時間帯や店舗では販売できないため、取り扱い店舗自体が限られています。
販売終了後は各店舗の在庫がなくなり次第撤去されるため、「どこにも置いてない」という印象が強まっています。
2. 通販サイトで再入荷予定なし
通販サイトでも軒並み「在庫切れ」「再入荷予定なし」と表示されており、検索しても出てこない状況です。
在庫がある店舗は価格が高騰していることも多く、転売目的の商品も一部見受けられます。
3. 情報が断片的で混乱している
「販売終了」と「出荷停止」は似ていますが意味が異なります。
今回は公式に「販売中止」とされているため、再出荷の予定はありません。
しかし情報を知らない人が「一時的に品薄」「製造が追いついていない」と誤解して検索するケースも増えています。
アクチビア軟膏の代替薬はある?
販売が終了しても、口唇ヘルペスの再発に対応できる市販薬はあります。
ここでは、アクチビア軟膏と同等または類似の効果をもつ代表的な代替薬を紹介します。
1. ヘルペシアクリーム
有効成分はアクチビア軟膏と同じアシクロビル。
軟膏ではなく「クリーム」タイプで、ベタつきが少なく、化粧下にも使いやすいとされています。
効果・効能・用法はほぼ同等で、最も近い代替薬といえます。
2. アラセナS軟膏
こちらはビダラビンという成分を配合した第1類医薬品。
アシクロビルとは異なる経路でウイルス増殖を抑える薬で、口唇ヘルペスの再発治療に使われます。
患部が乾燥しやすい人には、保湿性の高い軟膏タイプが向いています。
3. 医療機関で処方される薬
市販薬で対応できない場合や再発を繰り返す場合は、皮膚科・内科で医師に相談を。
処方薬のアシクロビル軟膏やビダラビン軟膏、バラシクロビル内服薬などが用いられます。
症状の段階(違和感期、発疹期、水ぶくれ期)によって治療法が変わるため、自己判断せず専門家に相談することが大切です。
購入・使用時の注意点
正規ルートで購入する
販売終了後は在庫限りとなるため、価格が高騰しやすく、転売商品も出回ります。
医薬品は保管環境や期限が重要なため、**正規販売ルート(ドラッグストア・公式通販)**以外からの購入は避けましょう。
第1類医薬品は薬剤師の説明が必要
ヘルペシアクリームやアラセナS軟膏も第1類医薬品です。
購入時には薬剤師の確認を受け、使用方法・注意点をしっかり理解することが求められます。
特に妊娠中・授乳中・小児が使用する場合は、事前に相談が必要です。
使用タイミングが重要
口唇ヘルペスは「ピリピリ」「ムズムズ」とした違和感を感じた初期段階で塗ることが効果的とされています。
水ぶくれが出てからでは治りが遅くなるため、再発を繰り返す人は早めの対応を意識しましょう。
アクチビア軟膏の再販予定はある?
2025年現在、メーカーから再販の予定は発表されていません。
「在庫が復活するのでは?」という期待も一部ありますが、公式情報では「販売終了」と明記されています。
よって、今後は他の市販薬や処方薬への移行が現実的な選択肢となります。
一方で、アシクロビル成分の需要自体は根強く、ヘルペシアクリームなどが引き続き供給されています。
そのため、「成分的に合う薬を選ぶ」ことで、実質的な代替は可能です。
口唇ヘルペスを再発させないためにできること
薬で症状を抑えることも大切ですが、再発の予防が最も重要です。
ヘルペスウイルスは体内に潜伏し、疲労・ストレス・紫外線・発熱などをきっかけに再活性化します。
以下のような習慣を意識すると、再発リスクを減らせます。
- 睡眠不足・過労を避け、免疫力を保つ
- 紫外線対策としてリップクリームや日焼け止めを使用
- 風邪や発熱時に口唇の違和感を感じたら早めに対処
- リップクリームやタオルを共用しない(感染防止)
- 栄養バランスを整え、体調を崩さないようにする
日常的な体調管理と、早めのケアが何よりも効果的です。
まとめ:アクチビア軟膏が売ってない今、どうすべき?
アクチビア軟膏が売っていない理由は、メーカーの販売終了によるものです。
すでに在庫限りとなっており、再販予定も現時点ではありません。
ただし、同じ有効成分のヘルペシアクリームや、別成分のアラセナS軟膏など、代替薬は複数存在します。
どの薬を選ぶかは、患部の状態や使用感の好みで決めるのがよいでしょう。
迷ったときは薬剤師に相談し、最適な薬を選んでください。
また、再発を防ぐためには、日常的な体調管理やストレスケアも欠かせません。
口唇ヘルペスは適切に対処すれば長引くことは少ない症状です。
早めのケアと正しい薬選びで、安心して過ごせるようにしていきましょう。

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