最近、「マルサンのこうじみそが売ってない」「スーパーで見かけなくなった」という声が増えています。長年家庭の味を支えてきた人気商品だけに、突然棚から姿を消したことで戸惑う人も多いようです。この記事では、マルサンのこうじみそがなぜ見つからなくなったのか、販売終了の真相や後継品、代替商品についてわかりやすく整理していきます。
マルサンのこうじみそとは?愛され続けたロングセラー
マルサンアイ株式会社の「純正こうじみそ」は、1970年(昭和45年)に発売されたロングセラー商品です。
米こうじの香りと赤系味噌のコクが調和した、まさに“家庭の味”として定番の味噌でした。特に特徴的だったのが、ガセット袋(自立できる袋タイプ)を日本で初めて採用した点。保存性が高く、扱いやすいパッケージとして長く愛されてきました。
「減塩純正こうじみそ」などのバリエーションもあり、健康志向の家庭からも支持を集めていました。ところが近年、このシリーズが全国的に姿を消しつつあります。
売ってない理由①:みそ工場の閉鎖と事業縮小
最大の理由は、マルサンアイの味噌事業そのものが縮小されたことにあります。
同社は2025年3月をもって、愛知県岡崎市の「本社みそ工場」の稼働を終了することを発表しました。建物の老朽化や設備更新コストの増大などを背景に、生産拠点を整理する動きです。
報道によると、約150種類あったみそ商品のうち、不採算商品を中心に130点前後を終売する方針。つまり、定番とされていた多くの商品が製造終了となり、「純正こうじみそ」もその対象に含まれました。これにより、在庫をもって販売終了となった店舗が全国的に増加しています。
売ってない理由②:旧パッケージ商品の製造終了
公式サイトの「製造終了商品一覧」でも、「純正こうじみそ」「減塩純正こうじみそ」が明確に掲載されています。
スーパーや通販サイトでは「終売」「メーカー製造終了」の表記が相次ぎ、店頭からも順次姿を消している状態です。特に、昔から親しまれた750g袋タイプの「純正こうじみそ」はすでに生産が止まっており、見つかっても在庫限りとなっています。
つまり、「売ってない」と感じるのは単なる品薄ではなく、実際に製造自体が終了しているためなのです。
売ってない理由③:後継商品への切り替えが進行中
とはいえ、「純正こうじみそ」というブランドそのものがなくなったわけではありません。
マルサンアイは2024年9月、「国産純正こうじみそ 蔵出し生 500g」という後継商品を全国で発売しました。
この新商品は、国産素材100%を使用した“生みそ”タイプ。従来の袋ではなくカップ容器に変更され、より鮮度を保ちやすい仕様になっています。
加熱殺菌を行わないことで麹の香りがより豊かになり、家庭でも“つくりたての味”を楽しめるのが特徴です。
リニューアルの過程でパッケージが変わり、流通量が一時的に減ったことから「どこにも売ってない」と感じる人が増えたと考えられます。実際、スーパーによっては旧商品の在庫整理が優先され、新商品がまだ並んでいないケースもあるようです。
売ってない理由④:味噌市場の変化と需要減少
もうひとつの背景には、味噌業界全体の市場構造の変化があります。
日本人の味噌消費量は年々減少傾向にあり、特に若年層では「味噌汁を毎日飲まない」家庭も増えています。さらに、原料となる大豆や塩、エネルギーコストの高騰も企業を圧迫。多品種展開が難しくなっているのが現実です。
マルサンアイは豆乳や植物性飲料の需要拡大に合わせて主力事業を転換中で、味噌は「量より質」へと方向転換しています。結果として、従来の大容量・低価格帯の味噌製品が整理対象になったというわけです。
販売終了説の真相まとめ
ここまでを整理すると、「マルサンのこうじみそが売ってない」という現象の背景は次の通りです。
つまり、“販売終了”というのは完全撤退ではなく、「旧仕様が終売、ブランドは新体制で継続」という形です。
今買えるマルサンの後継・代替商品
現在も入手できる商品としては、次のようなものがあります。
- 国産純正こうじみそ 蔵出し生 500g
→ 2024年発売の新定番。国産素材100%、生タイプで風味豊か。 - 味の饗宴 15割麹生
→ 麹歩合が高く、まろやかな甘みが特徴の現行商品。 - 減塩タイプの新シリーズ
→ 健康志向向けに一部継続販売されているラインも存在。
ただし、旧来の「純正こうじみそ(袋タイプ)」と味・香りがまったく同じわけではありません。やや麹の香りが強く、風味も生タイプらしい軽やかさがあるため、最初は違和感を覚えるかもしれません。それでも、“マルサンらしいやさしい味”はしっかり継承されています。
どこで買える?購入ルートの現状
現在、スーパーなど店頭では取り扱いが減っており、地域によっては全く見かけない場合もあります。
確実に入手したいなら、以下の方法が有効です。
- 公式オンラインショップ:後継商品の在庫が安定
- Amazon・楽天・Yahoo!ショッピング:旧商品の在庫が残っていることも
- 業務用食材店・地方スーパー:在庫整理で一時的に販売中の店舗あり
ただし、「純正こうじみそ 750g」と明記されているものはほぼ在庫限り。価格が通常より高騰している場合もあるため、購入時は注意が必要です。
味噌ファンへのおすすめ代替品
もし旧商品の味を求めるなら、他社のこうじみそを試すのも一つの手です。
たとえば、国産大豆を使った「信州こうじみそ」「フンドーキン 無添加あわせみそ」などは、やさしい甘みと香りのバランスが似ていると言われています。
また、ヨーカドーのプライベートブランド「こうじみそ(赤)」を「似ている」と紹介する口コミもあります。味噌の好みは人それぞれなので、少量サイズでいくつか試してみるのがおすすめです。
今後のマルサンこうじみそシリーズの展望
マルサンアイは今後、みそ事業の再編を経て「国産素材」「生みそ」「高付加価値」を軸にした商品ラインを強化していく方針です。
つまり、“大量生産型の安価なみそ”から、“品質重視で選ばれるみそ”へと進化していく段階にあります。
「純正こうじみそ」というブランドは、形を変えて今も生き続けています。旧商品を懐かしむ声も多いですが、新しい味噌づくりの流れの中で、より洗練された味へと進化しているとも言えるでしょう。
マルサンのこうじみそが売ってない理由まとめ
最後にもう一度まとめます。
- 本社みそ工場の閉鎖により、旧商品は生産終了
- パッケージ刷新・生タイプ化で後継品へ移行中
- 店頭では流通量が減少しており、ネット購入が主流
- ブランド自体は「国産純正こうじみそ 蔵出し生 500g」として継続中
マルサンのこうじみそが売ってないのは、一時的な“姿を変える過渡期”にあるため。長年愛されたあの味は完全には失われておらず、今も形を変えて受け継がれています。
味噌好きな方は、新しい「国産純正こうじみそ 蔵出し生 500g」を一度試してみると、その進化を感じられるかもしれません。

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