名作RPGとして今も語り継がれる『クロノ・トリガー』。1995年にスーパーファミコンで登場して以来、さまざまなプラットフォームに移植されてきました。
ただ、「どれを遊ぶのが一番いいの？」「リメイク版ってあるの？」と迷う人も多いはず。今回は、各バージョンの特徴や違いを整理しながら、自分に合った「クロノトリガーの選び方」をわかりやすく解説します。
クロノトリガーとは？まず知っておきたい名作の魅力
『クロノ・トリガー』は、スクウェア（現スクウェア・エニックス）が1995年に発売したロールプレイングゲーム。
「時を超える冒険」をテーマに、過去・未来・原始・中世・現代を行き来しながら世界の命運を描く壮大なストーリーが特徴です。
当時のドット絵の美しさや、戦闘のテンポ、仲間同士の連携技などが革新的で、発売から30年近く経った今でも根強いファンがいます。
そんな本作は、スーパーファミコン版を皮切りに、PlayStation、Nintendo DS、スマートフォン、Steam（Windows）などに移植されており、どれを選ぶかで体験が微妙に変わります。
スーパーファミコン版：原点を味わいたい人に
最初の『クロノ・トリガー』がリリースされたのはスーパーファミコン版。
すべてがここから始まりました。
このオリジナル版の魅力は「当時の空気をそのまま感じられる」こと。
ロード時間がなくテンポよく遊べ、ドット絵や音楽も当時のまま。まさに“原点”です。
ただし、今のプレイヤーが遊ぶには少しハードルがあります。
セーブ機能やUIがシンプルすぎたり、快適機能が少なかったりと、現代の基準では不便に感じる部分もあります。
それでも「純粋なクロノトリガーを体験したい」という人には、この版が最もシンプルで濃厚な体験になるでしょう。
PlayStation版：アニメーション追加で演出が強化
1999年に発売されたPlayStation版では、オリジナルにアニメーションカットシーンが追加され、より物語性が深まりました。
鳥山明のデザインが動く映像として見られるのは、当時大きな話題に。
一方で難点もあります。
PS1特有のロード時間が長く、戦闘やメニュー画面の切り替えがもたつくという声も多いです。
快適さよりも「アニメカットを見たい」「当時のPlayStation時代の雰囲気を味わいたい」という人向けのバージョンです。
Nintendo DS版：最も完成度が高い“完全版”
多くのファンが「一番おすすめ」と口をそろえるのがNintendo DS版。
2008年に登場し、オリジナルとPlayStation版の要素をすべて含みつつ、さらに新規要素を追加した“完全版”です。
追加要素としては、新ダンジョン「次元の狭間」や新エンディングのほか、メニュー画面の改善、マップ表示、逃げるコマンドなど、細かな遊びやすさの向上が盛りだくさん。
タッチ操作にも対応しており、携帯機としての利便性も高いです。
また、翻訳も見直されており、キャラクターのセリフ表現がより自然に。
ストーリーの理解が深まるとともに、キャラ同士の掛け合いも滑らかに感じられます。
唯一の欠点は、Nintendo DS本体が必要な点と、中古市場でやや価格が高騰していること。
それでも「どれか1本選ぶならNintendo DS版」と言われるほど、バランスの取れた移植です。
Steam（Windows）版：今すぐ遊ぶならこれが手軽
現行環境で最も手軽に遊べるのが、2018年にリリースされたSteam版（Windows）。
基本はNintendo DS版をベースにしており、追加ダンジョンやアニメカットも収録されています。
初期リリース時は「スマホ移植のUIをそのまま使っていて遊びにくい」「フォントが見づらい」と不評でしたが、現在では複数回のアップデートで大幅に改善。
解像度対応や操作性の最適化も進み、PC環境で快適に遊べるようになっています。
また、マウスやキーボード、ゲームパッドの操作にも対応しているため、プレイスタイルに合わせて選べるのもポイント。
グラフィックはオリジナルドットの雰囲気を残しながら高解像度化され、音楽もリマスターされています。
デメリットを挙げるなら、やはり最初の設定調整が必要な点。
とはいえ、現在最も手に入れやすく、公式サポートも続いているため、初めてプレイする人には現実的な選択肢といえるでしょう。
スマートフォン版：手軽さ重視ならアリ
スマートフォン版（iOS・Android）も配信中で、こちらもNintendo DS版をベースにしています。
操作がタップ中心になっているため、通勤やスキマ時間に少しずつ遊びたい人には便利です。
ただし、戦闘のテンポやメニュー操作がやや独特で、コントローラー操作に慣れた人は違和感を覚えるかもしれません。
また、画面タップによる誤操作や、スマホの通知が入ると集中しにくいなど、RPGとしての没入感はやや落ちます。
「軽く遊びたい」「寝る前に少し進めたい」といったライトなプレイには向いていますが、本格的にやり込みたい人はNintendo DS版やSteam版の方が快適でしょう。
比較してわかった「どれがいい？」の結論
バージョンごとの特徴を整理すると、こんな選び方が見えてきます。
- 原点をそのまま味わいたい人：スーパーファミコン版
- アニメ演出を見たい人：PlayStation版
- 最も完成度が高い完全版を求める人：Nintendo DS版
- PCで手軽にプレイしたい人：Steam（Windows）版
- スマホで気軽に遊びたい人：iOS・Android版
つまり、「どれがいい？」という問いには、“どんな環境で遊びたいか”で答えが変わると言えます。
快適さと完成度のバランスを考えれば、やはりNintendo DS版がベスト。
現代の環境で遊ぶならSteam版が最も現実的です。
いま遊ぶなら？現行プレイヤー向けの選び方
もし今から初めて『クロノ・トリガー』をプレイするなら、以下の基準で選ぶと失敗しません。
- 快適に遊びたい人 → Steam版
最新環境で動作も安定。セーブもクラウド対応。 - 携帯機で遊びたい人 → Nintendo DS版
片手間プレイにも最適で、要素も豊富。 - レトロ感を楽しみたい人 → スーパーファミコン版
当時の音やテンポがそのまま味わえる。
また、価格面ではSteam版が定期的にセール対象になることが多く、コスパの面でも魅力的です。
リメイクの噂は本当？今後の展望
近年、一部海外メディアで「クロノトリガーのリメイクが出るのでは」と報じられましたが、2025年現在、公式からの発表はありません。
ただし、同社が『ファイナルファンタジーVII リバース』などの大型リメイクを進めていることから、今後“クロノトリガー完全リメイク”が実現する可能性もゼロではないでしょう。
ファンの間でも「もしリメイクされるならフルボイスかつHD-2Dで！」という期待の声が高まっています。
現時点では“リメイクではなく移植・リマスター”が遊べる形ですが、今後の動きには注目です。
クロノトリガーはどれがいい？まとめとおすすめの選び方
最後にもう一度整理しましょう。
- 完成度・遊びやすさ重視 → Nintendo DS版
- 現行環境・コスパ重視 → Steam版
- レトロ重視・原体験派 → スーパーファミコン版
それぞれの良さがあり、どれを選んでも『クロノ・トリガー』という名作の本質は変わりません。
物語の深さ、音楽の美しさ、そして仲間との時間を超えた絆。どのバージョンでも、それらは確かに感じ取ることができます。
どれを選んでも後悔しない名作。
大切なのは、自分のプレイ環境と楽しみ方に合わせて「どれがいいか」を決めることです。
そして、時を超える旅があなたの手の中で再び始まる――それこそが、クロノトリガーの最大の魅力なのです。
