アウトドア好きの間で長年定番とされている「ストームクッカー」。登山やキャンプの調理に使えるクッカーセットですが、シリーズや素材がさまざまで、初めて選ぶ人は「どれがいいの?」と迷ってしまう方も多いですよね。今回は、代表的なTrangia ストームクッカーを中心に、登山向け・キャンプ向けにおすすめモデルをわかりやすく紹介します。
ストームクッカーとは?特徴と人気の理由
ストームクッカーとは、スウェーデンのTrangia社が開発した「風防付きクッキングシステム」のこと。名前の「ストーム(嵐)」が示す通り、風の強い環境でも安定して調理できる設計が特徴です。
構成はシンプルで、上部と下部の風防、鍋2つ、フライパン、ハンドル、そしてアルコールバーナーというセット構成。すべてを重ねて収納できるため、見た目以上にコンパクト。燃料には主にメチルアルコールを使い、静かで安定した炎が魅力です。
Trangiaの製品は北欧の厳しい自然環境で鍛えられており、軽量かつ頑丈。壊れにくく、長く使える点も人気の理由です。
ストームクッカーの主なシリーズと違い
ストームクッカーにはいくつかのサイズと素材のバリエーションがあります。基本となるのは「25シリーズ」と「27シリーズ」。数字が大きいほどサイズも大きく、対応人数が多くなります。
Trangia ストームクッカー25 UL(3〜4人向け)
大家族やグループキャンプにぴったりな大容量タイプ。鍋は1.75Lと1.5L、フライパンは22cmと広く、複数人分の料理にも対応。重量は約845〜1,000g前後ですが、鍋・風防・バーナーすべてがセットになっており、装備としては軽量な部類です。ベースキャンプやオートキャンプでの使用にもおすすめ。
Trangia ストームクッカー27 UL(1〜2人向け)
ソロ登山やペア登山など軽装スタイルに向くのがこちら。鍋容量は1L前後で、コンパクトに収納可能。軽量性を重視したモデルで、持ち運びのしやすさが魅力です。必要最低限の調理で済ませたいときにはベストな選択です。
素材の違い
Trangiaでは主に3つの素材が選べます。
- ウルトラライトアルミニウム(UL):軽くて丈夫。最も標準的で扱いやすい素材。
- ハードアノダイズド(HA):アルマイト加工で耐久性が高く、焦げ付きにくい。長く使いたい人におすすめ。
- ノンスティック(フッ素加工):焦げ付きにくく、調理も洗浄も簡単。ただし傷には注意が必要です。
登山におすすめのストームクッカー
登山で重視すべきは「軽さ」と「安定性」。標高が高く風の強い環境では、風防一体型の構造が非常に役立ちます。
ソロ・軽量登山向け
「ストームクッカー27 UL」または「ストームクッカーS ウルトラライト」が最適。重量が軽く、1人分の食事や湯沸かしに十分対応します。荷物を極力減らしたいUL(ウルトラライト)派登山者にも人気。
調理スタイルはシンプルで、レトルト食品の湯煎やインスタント食品の調理にぴったり。静かに燃えるアルコールバーナーの炎は、自然の中での癒し時間を演出してくれます。
グループ登山・テン泊向け
2〜3人でのテン泊登山なら「ストームクッカー25 UL」がおすすめ。鍋の容量が大きく、スープや炊飯もこなせます。総重量は約1kg前後と軽量で、分担して持てば負担も少ないです。
また、Trangia ガスバーナー(別売)を組み合わせれば、低温時でも安定した火力を確保できます。風の影響を受けにくく、悪天候時にも強いのがこのシリーズ最大の魅力です。
キャンプにおすすめのストームクッカー
キャンプでは登山よりも荷物の制限が少なく、調理の幅も広げられます。しっかりとした料理を楽しみたい人は、容量の大きいモデルが便利です。
ファミリー・グループキャンプ
「ストームクッカー25-2 UL」や「ストームクッカー25-3 HA」などのLサイズモデルが快適。フライパンや鍋が大きく、炒め物から煮込み料理まで対応できます。キャンプでの食事を楽しみたい人にはぴったりのセットです。
特にハードアノダイズドモデルは耐久性が高く、焦げ付きにくいので後片付けも楽。長期的に使いたい人にはこちらが人気です。
手軽に使いたい人に
「Easy Camp Storm Cooker & Stove Set」など、ガス燃料タイプのセットも選択肢になります。ガス缶を接続するだけで使え、着火も簡単。風防つきで効率的に調理できるため、キャンプ初心者にも扱いやすいです。
ただし、ガス燃料は寒冷地で火力が落ちることがあるため、冬キャンプではTrangia ストームクッカー純正のアルコールバーナーの方が安定する場合もあります。
ストームクッカーの選び方ポイント
モデルを比較する際は、次の項目をチェックすると失敗が少なくなります。
- 使用人数:1人か2人か、3人以上かで容量を決める
- 用途:登山重視かキャンプ重視か
- 重量と収納サイズ:登山では軽量性、キャンプでは快適性を優先
- 燃料の種類:アルコールかガスかを確認
- 素材:軽さ・耐久性・手入れのしやすさで選ぶ
- 拡張性:ガスバーナーやケトルなど追加アクセサリ対応かどうか
- 価格とコスパ:素材やセット内容で価格が変わるため、用途に合った範囲で選ぶ
この7項目を意識するだけで、自分に最適なモデルを選びやすくなります。
Trangiaを選ぶメリットと注意点
Trangiaのストームクッカーは耐久性と信頼性に定評があります。シンプルな構造で壊れにくく、メンテナンスも簡単。アルコールバーナーは構造が単純なので、長期使用でも安定しています。
ただし、燃料となるアルコールの扱いには注意が必要。こぼしたり、燃焼中に追加しないことが安全の基本です。また、炎が見えづらい特性があるため、消火後も火が残っていないか確認することが大切です。
フッ素加工モデルの場合、金属製のヘラを使うと傷がつくことがあるため、木製やシリコン製の調理器具を使うと長持ちします。
どのストームクッカーがいい?タイプ別おすすめまとめ
最後に、登山・キャンプのスタイル別におすすめを簡潔にまとめます。
- ソロ登山/UL登山
→ Trangia ストームクッカー27 UL/ストームクッカーS ウルトラライト
軽量・コンパクト・湯沸かしや簡単調理に最適。 - テン泊登山/2〜3人登山
→ Trangia ストームクッカー25 UL
容量・安定性・風防性能がバランス良く、信頼性抜群。 - ファミリーキャンプ/ベースキャンプ
→ Trangia ストームクッカー25-2 UL/ストームクッカー25-3 HA
大鍋・大フライパン付きで、本格調理も楽しめる。 - 初心者・手軽派
→ Easy Camp Storm Cooker & Stove Set
ガス缶式で着火簡単。風防付きで誰でも使いやすい。
ストームクッカーはどれがいい?まとめ
ストームクッカーは、登山でもキャンプでも使える万能クッキングギア。選ぶ際は「何人で使うか」「どんな環境で調理するか」を基準に考えると、自分に最適なモデルが見つかります。
軽さを重視するならストームクッカー27 UL、調理の快適さを重視するならストームクッカー25 UL。さらに素材や燃料の違いを理解して選べば、長く付き合える相棒になります。
アウトドアの食事は、道具次第で快適さも美味しさも変わります。あなたのスタイルに合ったストームクッカーを見つけて、次の山やキャンプで最高のごはん時間を楽しんでください。
