日本酒好きなら一度は耳にしたことがある銘柄「鳳凰美田（ほうおうびでん）」。栃木県小山市に蔵を構える小林酒造が手がける人気ブランドで、果実のような香りと滑らかな味わいが特徴です。種類が多く「どれを選べばいいか分からない」という声も多いですが、実はそれぞれに個性と魅力があります。ここでは、主要なラインナップの特徴やおすすめの飲み方を、わかりやすく紹介していきます。
鳳凰美田とは？フルーティーで上品な日本酒の代名詞
鳳凰美田は、明治5年創業の小林酒造が造る代表銘柄。日光山系の伏流水と、全国の厳選された酒米を使用して丁寧に醸されています。名前の由来は、創業当初の銘柄「鳳凰金賞」の“鳳凰”と、蔵のある「美田」地区を掛け合わせたもの。見た目にも華やかなラベルデザインで、贈り物やお祝いの席でも人気です。
蔵元のこだわりは、「吟醸造り」にあります。すべてのラインナップで吟醸レベルの仕込みを行い、フルーティーな香りと透明感ある味わいを実現。特に、りんごやマスカットを思わせる果実香と、米の旨みを生かしたバランスの良さが、他の日本酒にはない魅力です。
まず試したい定番の鳳凰美田シリーズ
鳳凰美田 純米吟醸（無濾過生／火入れ）
鳳凰美田 純米吟醸の中心的存在。バランスの良さで多くのファンを持つ一本です。
使用米は「五百万石」や「山田錦」で、精米歩合は約55％。香りは穏やかで、フルーティーな甘みと優しい酸味が口の中に広がります。
味わいは中口〜やや甘口寄り。雑味が少なく、冷酒や常温で飲むと香りが引き立ちます。日本酒初心者や女性にもおすすめです。
シンプルな料理との相性がよく、刺身や湯豆腐などの和食と合わせると繊細な味を楽しめます。
鳳凰美田 剣 辛口純米
「鳳凰美田＝甘くてフルーティー」という印象を覆す辛口の一本。
キレのある飲み口とすっきりした後味が特徴で、日本酒度＋6前後と辛口設計になっています。
甘みが控えめな分、米の旨みや酸の輪郭がしっかり感じられ、食中酒としても優秀。刺身や焼き魚、肉料理にも合わせやすい万能タイプです。
冷やしても温めても美味しく、季節を問わず楽しめます。
特別感を味わえる上位・限定ライン
鳳凰美田 Black Phoenix
「愛山（あいやま）」という希少な酒米を使用したプレミアム純米吟醸。果実のような芳醇な香りと、厚みのある旨みが特徴です。
香り・味・余韻のバランスが素晴らしく、フレッシュでありながら深みのある味わい。日本酒ファンの中でも特に評価が高く、入手困難な限定酒として知られています。
冷酒で香りを楽しむのがおすすめ。ワイングラスで飲むと香りの広がりがより感じられます。
鳳凰美田 Gold Phoenix
「愛山」を100％使用し、低温熟成で仕上げた純米大吟醸。
上品な香りとシルクのような口当たりが特徴で、まるで白ワインのような余韻を残します。
贈答用としても人気が高く、特別な日の1本にぴったりです。
香りを最大限に生かすには、やや冷やして（10〜12℃程度）がベスト。常温でも深みが増し、味の変化を楽しめます。
鳳凰美田 初しぼり・鳳凰美田 碧判・鳳凰美田 酒未来などの限定シリーズ
鳳凰美田は季節限定の銘柄も多数存在します。
- 初しぼり：新酒ならではのフレッシュな香りと瑞々しさ。冬の風物詩。
- 碧判（あおばん）：白ワインのような華やかな香りと透明感があり、女性にも人気。
- 酒未来シリーズ：幻の酒米「酒未来」を使用した希少品。しっかりとした旨みと香りの奥行きが魅力。
これらはどれも数量限定で、毎年すぐに完売してしまうことが多いので、見つけたら即購入がおすすめです。
果実酒・リキュール系も大人気
鳳凰美田といえば日本酒の印象が強いですが、実は果実酒やリキュールも人気。
「鳳凰美田 完熟もも」「鳳凰美田 みかん」「鳳凰美田 ゆず」「鳳凰美田 いちご」「鳳凰美田 梅酒」など、ラインナップが豊富です。
果実の甘みがしっかりありながらも後味はすっきり。アルコール度数も低めで、デザート感覚で楽しめます。
ソーダ割りやロック、ヨーグルト割りなどアレンジもしやすく、普段お酒を飲まない人にも好評です。
特に「鳳凰美田 完熟もも」は口コミでも高評価で、「香りがまるでフルーツそのもの」と言われるほどジューシー。日本酒ベースの果実酒の中でもトップクラスの人気です。
鳳凰美田の選び方ガイド
種類が多い鳳凰美田ですが、選び方のポイントを押さえると自分好みの一本を見つけやすくなります。
1. 甘口か辛口か
フルーティーで甘めの味わいが好みなら「鳳凰美田 純米吟醸」や「鳳凰美田 碧判」など。
キレのある辛口が好きなら「鳳凰美田 剣 辛口純米」がおすすめです。
2. 酒米で選ぶ
香り重視なら「愛山」使用のシリーズ（鳳凰美田 Black Phoenix／鳳凰美田 Gold Phoenix）。
軽やかで食中酒に向くのは「五百万石」や「山田錦」仕込みの鳳凰美田 純米吟醸系。
3. 生酒か火入れか
フレッシュな風味を楽しみたいなら無濾過生原酒。
安定した味と保存性を求めるなら火入れタイプが◎。
4. 飲むシーンで選ぶ
- 家でゆっくり：鳳凰美田 純米吟醸系
- 食事と合わせる：鳳凰美田 剣 辛口純米
- 贈り物や記念日：鳳凰美田 Gold Phoenix
- デザートや女子会：鳳凰美田 完熟もも系
おすすめの飲み方とペアリング
鳳凰美田は温度によって味が大きく変わるお酒。香りを生かす飲み方を意識しましょう。
- 純米吟醸・吟醸系：10〜12℃の冷酒で。香りが立ち、フルーティーさが際立ちます。
- 辛口系・剣：冷や〜常温〜ぬる燗（35〜40℃）まで幅広く。旨みが増します。
- 果実酒系：オン・ザ・ロックやソーダ割り。夏はよく冷やして。
料理との相性も抜群で、刺身・天ぷら・白身魚のソテーなど軽めの料理から、肉じゃが・焼き鳥などの濃い味にも合わせられます。果実酒系はチーズやフルーツ、スイーツにもぴったりです。
鳳凰美田はどれがいい？迷ったらこの3本！
- 鳳凰美田 純米吟醸 無濾過生酒
初めて飲む人に。フルーティーで優しい味わい。冷酒で香りを堪能。 - 鳳凰美田 剣 辛口純米
すっきり飲みたい派に。食中酒としても万能で飽きがこない。 - 鳳凰美田 Black Phoenix
特別な日に。愛山の旨みと香りを最大限に引き出した限定酒。
どのシリーズも完成度が高く、「日本酒の美しさを再認識できる銘柄」と評されるほど。自分の好みや飲むシーンに合わせて選べば、きっとお気に入りの一本に出会えるはずです。
まとめ｜鳳凰美田はどれがいい？自分好みの味を探す楽しみを
鳳凰美田は、「香り・旨み・上品さ」の三拍子が揃った銘柄。
定番の鳳凰美田 純米吟醸から、限定の鳳凰美田 Black Phoenix、果実酒系まで幅広く展開されており、初心者から上級者まで楽しめます。
「どれがいい？」という問いには、シーンや好みによって答えが変わります。
食中に合わせるなら辛口系、ゆっくり味わいたいなら吟醸系、特別な日には愛山シリーズ。
その日の気分や季節に合わせて選ぶのも、鳳凰美田の楽しみ方のひとつ。
ぜひ、自分だけの“鳳凰美田のベスト”を見つけてみてください。
