「赤ちゃんの予防接種、種類が多すぎてパニック!」
そんなママやパパが最初にぶつかる大きな壁のひとつが、ロタウイルスワクチンではないでしょうか。
ロタウイルスワクチンにはロタリックスとロタテックの2種類があります。どちらも口から飲むタイプ(経口生ワクチン)ですが、「回数が違うけど効果はどうなの?」「結局どっちを選べばいいの?」と迷ってしまいますよね。
2020年から定期接種となり、現在は原則無料で受けられるようになりましたが、途中でワクチンの種類を変更することはできません。つまり、最初の「選び方」がとても肝心なのです。
今回は、それぞれのワクチンの特徴や、選ぶ際の決め手となるポイントを、現場の視点を交えて分かりやすく徹底比較します。
ロタリックスとロタテックの根本的な違いとは?
まず知っておきたいのは、この2つのワクチンは「中身の作り」が少し違うということです。
ロタリックスは、人間に感染するロタウイルスを弱毒化して作った「1価」のワクチンです。たった1種類しか入っていないの?と不安になるかもしれませんが、ロタウイルスには「交差免疫」という仕組みがあります。1つの代表的な型に対して免疫を作れば、他の似た型に対しても守る力が働くため、1価でも十分な効果を発揮するのです。
一方でロタテックは、人間と牛のウイルスを組み合わせて作った「5価」のワクチンです。こちらは流行しやすい5つの型を直接ターゲットにしています。
「5つの型が入っているほうが強そう!」と感じるかもしれませんが、実は最終的な「重症化を防ぐ力」については、どちらのワクチンも90%以上という極めて高い数字を出しており、医学的な優劣の差はほとんどないとされています。
最大の違いは「接種回数」と「完了時期」
選ぶ際にもっとも現実的な判断基準になるのが、飲む回数とスケジュールです。
ロタリックスは、合計2回で接種が完了します。
ロタテックは、合計3回で接種が完了します。
回数が少ないことのメリットは、何といっても「早く終わる」ことです。ロタリックスなら生後24週(約6ヶ月)までに終わらせるスケジュールになりますが、順調にいけば生後3ヶ月半ごろにはすべての接種を終えることができます。
反対にロタテックは、生後32週(約8ヶ月)までに3回目を飲み終える必要があります。
赤ちゃんが保育園に早く入園する予定がある場合や、冬の流行シーズンが目前に迫っている場合は、2回でスピーディーに免疫をつけられるロタリックスが選ばれることが多い傾向にあります。
飲む量と赤ちゃんの「吐き戻し」リスク
もうひとつの細かな違いは、1回あたりに飲む液状ワクチンの量です。
ロタリックスは約1.5mlと、ごくわずかな量です。
ロタテックは約2.0mlと、少しだけ量が多くなっています。
「たった0.5mlの差?」と思うかもしれませんが、生後2ヶ月の赤ちゃんにとって、この差は意外と大きいものです。ロタワクチンは甘みがあるシロップ状ですが、赤ちゃんによっては上手く飲み込めずに「ぺっ」と出してしまうこともあります。
もし大量に吐き戻してしまった場合、基本的には追加で飲み直すことはせず、その回は「接種済み」としてカウントするのがルールです。少しでも吐き戻しのリスクを減らしたい、確実に飲みきってほしいという思いから、量の少ないロタリックスを希望する親御さんも少なくありません。
どちらを選んでも注意すべき「腸重積症」のリスク
どちらのワクチンを選ぶにせよ、必ず知っておいてほしいのが「腸重積症(ちょうじゅうせきしょう)」という副反応についてです。
これは、腸の一部が隣の腸の中に入り込んでしまい、放置すると血流が悪くなる病気です。ワクチンの接種後、特に1回目を飲んだあとの1週間以内に、ごく稀に発生することが報告されています。
これを防ぐための最大のポイントは、「適切な時期に早めに開始すること」です。腸重積症は、もともと月齢が上がるにつれて発症しやすくなる病気です。そのため、ワクチンの1回目は生後14週6日までに受けることが強く推奨されています。
「どっちにしようかな」と悩んでいるうちに時間が経ってしまうのが一番のリスクです。どちらを選んでも効果はしっかりありますので、迷ったら早めにスケジュールを組むことを優先しましょう。
病院の先生はどう使い分けている?
実際、小児科の現場ではどのように案内されているのでしょうか。
多くのクリニックでは、管理のミスを防ぐために「当院ではこちらを採用しています」と一方に決めている場合があります。また、もし選べる場合でも、お医者さんは「2回で終わるロタリックスのほうが、他の予防接種との調整が楽だよ」とアドバイスすることが多いようです。
生後2ヶ月からは、五種混合や小児用肺炎球菌、B型肝炎など、たくさんの注射が始まります。通院回数を1回分でも減らせることは、忙しいママやパパにとって大きなメリットになります。
一方で、より多くの型が直接入っている安心感を重視して、あえてロタテックを指定するこだわり派のパパ・ママもいます。どちらを選んでも正解ですので、かかりつけの先生の意見を聞きつつ、家庭のスケジュールに合わせて決めて大丈夫です。
ロタリックスとロタテックの違いと選び方!回数や効果を医師が徹底比較:まとめ
最後に、選び方のポイントを整理しましょう。
- 早く、少ない回数で終わらせたいならロタリックス(2回接種)
- 流行する型をより幅広くカバーしたい安心感重視ならロタテック(3回接種)
- 重症化を防ぐ効果はどちらも同等に高い
- どちらを選ぶにせよ、生後14週6日までに初回を済ませるのが鉄則
ロタウイルスは感染力が非常に強く、どれだけ手洗いを徹底しても防ぐのが難しいウイルスです。かつては入院が必要になるほどひどい下痢や脱水症状に苦しむ赤ちゃんがたくさんいました。
今はワクチンのおかげで、そんな辛い思いをさせずに済む時代です。ロタリックスとロタテック、どちらの相棒を選んでも、あなたの赤ちゃんをしっかり守ってくれます。ぜひ、早めの予約を検討してみてくださいね。
次は、一緒に受けることになる「五種混合ワクチン」についてもチェックしておくと、スケジュール管理がさらにスムーズになりますよ。

