「ロンサカパ23年が終売になったらしい」と聞いて、驚いた人も多いのではないでしょうか。長年プレミアムラムの代表格として愛されてきた一本だけに、「もう買えないの？」「どこで手に入るの？」と気になる人が続出しています。この記事では、ロンサカパ23年の終売の真相やその背景、そして今でも楽しめる代替品について、わかりやすく解説します。
ロンサカパ23年とは？世界が認めたプレミアムラム
まずは、ロンサカパ23年というお酒の魅力を改めて振り返ってみましょう。
ロンサカパは、グアテマラの高地でつくられるプレミアムラムブランドです。製造元は「インドゥストリアス・リコレラス・デ・グアテマラ（ILG）」という企業で、現在は世界的な酒類メーカー・ディアジオ（Diageo）が流通を担当しています。
ロンサカパ23年の特徴は、ソレラシステムという独自の熟成法。6年から23年熟成のラムをブレンドして仕上げており、標高2,300メートルという涼しい気候の中で、ゆっくりと時間をかけて熟成されます。その結果、キャラメルやバニラ、ドライフルーツ、ナッツのような奥行きある香りと、まろやかな甘みを持つ味わいが生まれるのです。
その香り高さと深みから、世界中のラム愛好家に愛され、「プレミアムラムといえばロンサカパ」と言われるほどの存在になりました。
ロンサカパ23年が「終売」と言われる理由
では、なぜ「ロンサカパ23年が終売になった」と言われるようになったのでしょうか。
実際のところ、「完全に生産終了した」というわけではありません。混乱の原因は、“表記の変更”と“旧ボトルの流通終了”にあります。
もともと販売されていた「Ron Zacapa 23 Años（ロン・サカパ・23年）」という旧ラベルのボトルは、明確に「23年熟成」と記載されていました。しかし、現在販売されているボトルには「23年」という年数表記がなく、「Ron Zacapa Solera 23」という名称に変更されています。
つまり、「旧ラベルの23年表記ボトル」が終売となり、現在は「ソレラ23」と呼ばれる新仕様のボトルに切り替わった、というのが真相です。
一部の海外通販サイトでは、旧版ボトルに「Age Stated 23 Discontinued（年数表記版は生産終了）」という記載があり、これが「終売した」という噂の発端になったと考えられます。
終売（表記変更）の背景にある事情
ラベル変更や表記修正の背景には、いくつかの理由が関係していると考えられています。
1. 年数表記をめぐる法規制と誤認問題
最も大きな理由は、「23年」という数字が誤解を招く可能性があったことです。
ロンサカパ23年は、実際には“6〜23年熟成の原酒をブレンドした”お酒です。しかし、ラベルに「23年」と書かれていることで、「すべてが23年熟成」と誤解されるケースがあり、アメリカでは消費者保護を目的とした訴訟が起こされたこともあります。
このような事情から、メーカーは年数表記をやめ、「Ron Zacapa Solera 23」という熟成方式を示す表記へ変更しました。これにより、より正確で透明性のあるラベル表示になったと言えるでしょう。
2. ブランド体制の変化と国際展開
2010年代に入り、ロンサカパはディアジオ傘下に入りました。これにより、世界各国で統一されたブランドデザインやラベル規格が採用されるようになり、地域ごとに異なっていた表記も整理されました。
その過程で、旧デザインの「23年表記ボトル」は段階的に姿を消し、グローバルスタンダード仕様の「Ron Zacapa Solera 23」が主流になったという流れです。
3. 原酒管理・熟成コストの影響
ロンサカパは高地熟成という特殊な環境でつくられているため、長期熟成原酒の管理コストが高いと言われています。こうした背景から、より効率的なソレラブレンド方式を重視し、「年数表記に縛られないブランド設計」へシフトした可能性も考えられます。
ロンサカパ23年の旧ボトルと新ボトルの違い
「同じロンサカパ23年でも、昔の方が美味しかった」と話す愛好家も少なくありません。実際、旧ボトルと新ボトルでは香りや味にわずかな違いがあります。
旧ラベル（Ron Zacapa 23 Años）は、より濃厚でダークチョコレートやレザーのような深みがある味わい。一方、新ラベル（Ron Zacapa Solera 23）は、明るく軽やかでバランス重視の仕上がりになっています。
ただし、どちらも基本のブレンド思想は同じ。ソレラ熟成による甘やかさと奥行きは健在で、ラム初心者から上級者まで幅広く楽しめる味わいです。
旧ボトルはすでに流通量が少なく、オークションや並行輸入サイトではプレミア価格で取引されているケースもあります。現行ボトルでも十分なクオリティがあるため、入手性とコストを考えると新仕様の方が現実的です。
現在も購入できる？ロンサカパ23年の入手方法
2025年現在でも、「Ron Zacapa Solera 23」は日本の正規輸入ルートや大手オンラインストアで購入可能です。
ただし、「Ron Zacapa 23 Años」など旧ラベルのものは在庫限りとなっており、一般的な店舗ではほぼ見かけなくなっています。どうしても旧版を探す場合は、信頼できる酒販サイトや正規代理店の並行輸入品をチェックするのが良いでしょう。
また、ボトルデザインの違いに注意が必要です。旧版は「パームの葉で巻かれた装飾」「23 Años 表記」が特徴で、新版は「Solera 23」「透明ボトル＋黒帯デザイン」となっています。購入時にラベルの写真をよく確認しておくことをおすすめします。
ロンサカパ23年の代わりにおすすめのラム
もし旧版が手に入らない、あるいは他の選択肢を探したいという人には、以下のようなラムもおすすめです。
1. ロンサカパXO
同じブランドの上位モデル。6〜25年熟成のラムをブレンドし、コニャック樽で仕上げた贅沢な一本。より芳醇で、長い余韻が楽しめます。
2. ディプロマティコ・レゼルバ・エクスクルーシバ
甘く滑らかな口当たりで、ロンサカパ23年に近いスタイルを持つ人気銘柄。価格も比較的手ごろで、入門者にもおすすめです。
3. フロール・デ・カーニャ18年
落ち着いた香りとナッツ・カカオの風味が特徴。ドライ寄りの味わいで、食後酒にもぴったり。
これらのラムはいずれもプレミアムレンジに位置し、ロンサカパ23年の愛好者にも違和感なく受け入れられる味わいです。
ロンサカパ23年の魅力は今も健在
「ロンサカパ23年が終売」と聞くと残念に思うかもしれませんが、実際にはブランド自体が消えたわけではありません。
年数表記が変更されただけで、ソレラシステムによる深い味わいは今も健在です。
むしろ、ラベル変更によって透明性が増し、安心して楽しめるようになったとも言えるでしょう。熟成年数ではなく“ブレンドの技術”で勝負するロンサカパの姿勢は、多くのファンから支持されています。
ロンサカパ23年終売の真相と、これからの楽しみ方
結論として、「ロンサカパ23年=完全終売」ではなく、「旧ラベル（年数表記版）の終売」と整理するのが正確です。現在は「Ron Zacapa Solera 23」として販売が続いており、その味わいは変わらず高い完成度を誇ります。
旧版を nostalgic に感じる人も、新仕様の飲みやすさを評価する人もいるでしょう。大切なのは、自分のスタイルに合った一杯を見つけること。
ストレートで香りを楽しむもよし、氷を浮かべてゆっくりと味わうもよし。グラスの中に広がる深みと余韻は、どちらのボトルでも健在です。
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