「オールドパー18年クラシックが終売になったらしい」と耳にした方も多いのではないでしょうか。
あの重厚で奥深い味わいを愛飲していた人にとっては、突然の情報に驚きを隠せないはずです。
この記事では、終売の真相や背景を掘り下げるとともに、現在入手可能な代替ウイスキーも紹介します。
オールドパーというブランドの歴史と魅力
オールドパー（OLD PARR）は、スコットランドのブレンデッド・スコッチウイスキーの名門ブランドです。
19世紀後半にグリーンリーズ兄弟によって誕生し、ブランド名は“イギリス史上最長寿の男”として知られるトーマス・パーに由来します。
「長寿＝熟成」という象徴的な意味を持ち、ボトルにはその肖像が描かれています。
日本市場でも長く親しまれており、特に「オールドパー12年」や「オールドパー18年」はギフトやハレの日のウイスキーとしても人気。
独特の角張ったボトルと重厚な風味が印象的で、“ウイスキー通が最後に行き着く一本”と評されることもあります。
オールドパー18年クラシックとはどんなウイスキーだったのか
「オールドパー18年クラシック」は、熟成18年の原酒を使用したブレンデッドモルトウイスキー。
アルコール度数46％で、9種のモルト原酒をブレンドした上質な構成でした。
香りはバニラ、ドライフルーツ、オーク樽の甘さが調和し、味わいは柔らかなスモークとナッツのコク、そして長い余韻が特徴です。
レビューサイトでは「革や古木の香り、黒い果実の甘み、しっかりしたボディ」といった評価も多く、
まさに“クラシック”の名にふさわしい深みを持つ一本として高い支持を得ていました。
終売の噂とその背景にある真相
では、なぜオールドパー18年クラシックは終売になったのでしょうか。
この「終売」という言葉には、いくつかの背景が絡んでいます。
まず大きな転換点となったのが、2019年のブランド刷新です。
オールドパーを展開するMHDモエヘネシーディアジオ社は、同年に「オールドパー18年（新仕様）」を新発売。
同時に「オールドパー12年」や「オールドパーシルバー」もパッケージ変更を行い、ブランド全体の統一感を打ち出しました。
このタイミングで、従来の「クラシック18年（46％）」がラインナップから姿を消しています。
つまり、**「終売」＝「新仕様への切り替え」**が実際の流れ。
旧ボトル（クラシック18年）は生産を終え、現在流通しているのは40％度数の「オールドパー18年（ブレンデッド）」という新バージョンです。
このため「クラシック18年終売」という情報が広まったと考えられます。
原酒確保の難しさとコストの壁
終売の裏には、原酒の供給難という現実的な理由もあります。
ウイスキー業界全体が世界的な需要増に直面しており、長期熟成原酒の在庫確保が難しくなっているのです。
18年以上熟成させた原酒は生産コストも保管リスクも高く、採算が取りにくいという側面もあります。
また、「クラシック18年」はモルト9種をブレンドした贅沢な構成。
この複雑なブレンドを安定的に再現するには高い技術とコストが必要でした。
結果として、より安定した供給が可能な「ブレンデッド仕様」に切り替えた可能性が高いと見られます。
ブランド刷新と時代の変化
2019年以降、オールドパーはデザインとコンセプトの両面でリブランディングを進めました。
ボトルデザインは伝統を残しつつもモダンな印象に刷新され、
広告メッセージも「時を重ねる価値」「現代に通じる成熟」といったテーマに変化しています。
この流れの中で、「クラシック18年」は旧世代モデルとしての役割を終えたと考えられます。
つまり、終売はブランド衰退ではなく、進化のための区切りという見方が正しいでしょう。
旧ボトルの希少価値と現状の流通
終売後、オールドパー18年クラシックは市場で希少化が進んでいます。
通販サイトでは「終売品」「在庫限り」と明記されるケースも多く、
オークションサイトではプレミア価格で取引されている実例も見られます。
一方で、新仕様の「オールドパー18年（40％）」は安定的に流通しており、
価格帯はおおむね1万円前後。飲みやすく滑らかな仕上がりで、日常的に楽しむウイスキーとして十分な完成度を持ちます。
もしオールドパー18年クラシックの重厚な味わいを求めるなら、流通在庫を探すか、他ブランドの代替品を検討するのが現実的です。
クラシック18年の代替におすすめのウイスキー
クラシック18年を愛していた人に向けて、代わりとなるウイスキーをいくつか紹介します。
オールドパー18年（現行ボトル）
同ブランドの後継モデル。アルコール度数は40％に抑えられていますが、
バニラの甘みとモルトの厚みが調和した、バランスの良い味わい。
「クラシック」と比較すると軽やかでモダンな印象です。
シーバスリーガル18年
ブレンデッドスコッチの定番。ドライフルーツ、チョコレート、スパイスの複雑さが特徴。
まろやかさと香りの豊かさではクラシック18年に通じる部分があります。
バランタイン17年
バニラやナッツの風味、スモーキーな余韻が楽しめる一本。
飲みやすさと奥行きのバランスがよく、価格も比較的安定しています。
ジョニーウォーカー グリーンラベル15年
ブレンデッドモルト仕様で、クラシック18年と同じモルト主体のスタイル。
草の香りと甘さ、スモークが融合した味わいは、モルト好きに特におすすめです。
いずれもオールドパー18年クラシックの“深み”“余韻”“品格”を求める方に適した選択肢です。
終売を嘆く前に知っておきたいこと
ウイスキーの「終売」は、必ずしも悲しい出来事とは限りません。
ブランドは時代とともに進化し、より多くのファンに届けるために形を変えていきます。
オールドパー18年クラシックの記憶は残しつつも、新しいオールドパー18年が目指す「次の時代の味わい」に目を向けてみるのも一つの楽しみ方です。
また、旧ボトルを手にする機会があれば、それはもう一つの“時間旅行”。
封を切った瞬間、18年という熟成の重みとともに、当時のブレンダーたちの情熱を感じ取ることができるでしょう。
オールドパー18年クラシック終売のまとめ
・オールドパー18年クラシックは2019年頃に終売
・背景にはブランド刷新と原酒供給の難しさ
・現在は新仕様「オールドパー18年（40％）」が主流
・旧ボトルはプレミア化が進行中
・代替ウイスキーとして18年クラスの他ブランドも有力
終売という言葉には寂しさが残りますが、ウイスキーの世界は常に循環しています。
熟成とともに、時代も人の味覚も変化していくもの。
「オールドパー18年クラシック」が語り継いだ伝統は、これからも多くのボトルに受け継がれていくでしょう。
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