ウイスキー好きの間で長く愛されてきた「グレンモーレンジ18年」。
その名を聞くだけで、あの華やかで深みのある香りを思い出す人も多いでしょう。
ところが最近、この18年モデルが「終売になったのでは?」という声が増えています。SNSや酒販店の表記にも「終売品」という言葉が並び、ファンの間でちょっとした騒動になっているのです。
果たして本当に終売なのか? 今回は、現状と背景、そして再販の可能性について掘り下げていきます。
グレンモーレンジ18年とは?ハイランドの名門が誇る華やかなモルト
グレンモーレンジ18年(Glenmorangie)は、スコットランド・ハイランド地方のタインにある老舗蒸溜所です。
LVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)グループ傘下にあることでも知られ、世界的に高級シングルモルトブランドとして位置づけられています。
その特徴は何と言っても「背の高い蒸溜器」。
首の長いスチルで蒸留することで、より軽やかで繊細、そしてフルーティーな香味を実現しています。
この技術がグレンモーレンジ18年を「エレガントなモルト」として世界中のファンから支持される理由です。
さらに、熟成に使用される樽にもこだわりがあります。
主にバーボン樽を用いながら、一部にはシェリー樽やワイン樽などを組み合わせ、バランスの取れた深みを生み出しています。
その集大成ともいえるのが「グレンモーレンジ エクストリームリィ・レア」です。
グレンモーレンジ エクストリームリィ・レアとは?“エクストリームリィ・レア”と呼ばれる理由
「グレンモーレンジ エクストリームリィ・レア」は、ブランドのプレステージレンジに位置する長期熟成モデルです。
18年間の長い眠りの中で、バーボン樽とシェリー樽の原酒をブレンドし、深みと芳醇さを兼ね備えた味わいを完成させています。
香りはオレンジやハチミツ、ナッツのような柔らかい甘さが立ち上がり、口に含むとトフィーやドライフルーツのようなコク。
余韻にはシルクのような滑らかさが残り、まさに「熟成の極み」と呼ぶにふさわしい一本です。
一方で、近年では「グレンモーレンジ ザ・インフィニータ18年」という新名称のボトルが公式サイトに掲載されています。
このため、旧ラベルの「グレンモーレンジ エクストリームリィ・レア」が“終売品”として扱われ、新しい18年へと移行している可能性が指摘されています。
終売の噂は本当?ショップ表記から見る現状
日本国内では、いくつかのウイスキー専門店が「終売品」という表記を付けて販売しており、旧ボトルはすでに在庫限りの扱いになっています。
これは「メーカーが製造を終了した」ことを意味する場合もありますが、単に「日本国内での流通が終わった」「旧ラベル在庫がなくなった」というケースも多いのです。
実際、グレンモーレンジの公式サイトでは「グレンモーレンジ ザ・インフィニータ18年」が現行ラインとして掲載されており、「18年」という熟成年数そのものが消滅したわけではありません。
つまり、旧仕様が終売となった一方で、新仕様へのリニューアルが進んでいる――というのが現在の実情に近いと考えられます。
なぜ“終売”と騒がれたのか?背景にある3つの要因
グレンモーレンジ18年の「終売」説には、いくつかの要因が絡んでいます。
1. 長期熟成原酒の不足
18年以上熟成された原酒は非常に貴重で、需要の高まりに対して供給が追いつかない状況が続いています。
特に世界的なウイスキーブームの中で、長期熟成ものは一気に在庫が枯渇しやすくなっています。
そのため、メーカーが一時的に生産を絞る、もしくは次ロットまで販売を休止することは珍しくありません。
2. ブランド戦略の刷新
グレンモーレンジは近年、パッケージデザインや名称を段階的に刷新しています。
「グレンモーレンジ オリジナル 10年」が「グレンモーレンジ オリジナル 12年」に移行するなど、ブランドのリブランディングが進行中。
その一環として、18年も旧ラベル「グレンモーレンジ エクストリームリィ・レア」から「グレンモーレンジ ザ・インフィニータ18年」へ切り替えられたと見られます。
これを知らない消費者が「終売になった」と誤解した可能性があります。
3. 国内流通の断絶
輸入代理店の変更、為替の影響、法規対応(酒類ラベル表示義務など)によって、日本市場への入荷が一時的に止まることもあります。
特に高価格帯商品は在庫リスクが大きいため、販売店側が仕入れを控えた結果、「入手できない=終売」と見られがちです。
公式発表は?グレンモーレンジからの明言はなし
結論から言うと、グレンモーレンジ蒸溜所やLVMHから「18年の製造終了」を正式に発表した事実は確認されていません。
むしろ、公式サイト上で新しい18年モデル「グレンモーレンジ ザ・インフィニータ18年」が紹介されていることからも、製品としては継続中と考えるのが妥当でしょう。
ただし、旧ボトルが市場から姿を消しているのは確かであり、「終売品」として扱われている在庫が出回っている現状を踏まえると、入手難易度は明らかに上がっています。
旧ラベルをコレクションしたい方は、早めのチェックが必要かもしれません。
再販の可能性は?新仕様での継続が濃厚
旧仕様の「グレンモーレンジ エクストリームリィ・レア」は終売に近い状態ですが、18年熟成のモデル自体は新名称「グレンモーレンジ ザ・インフィニータ18年」として継続しています。
つまり「終売ではなく、リニューアル」――それが実際のところに近いでしょう。
この流れは他の蒸溜所でもよく見られる現象です。
年数表記を変える、ノンエイジドモデルを出す、ラベルデザインを刷新するなど、ブランドの再構築が進むたびに「旧モデルが終売扱い」になるのです。
グレンモーレンジも例外ではありません。
再販というよりも、「別仕様として再登場」する形が今後の主流になりそうです。
実際、公式サイトでは「新しい表現」「進化した味わい」というキーワードが並び、旧18年のDNAを受け継ぎつつ、新たな方向性を示しています。
入手したい人が今できること
もし「グレンモーレンジ18年」を探しているなら、以下の方法を検討してみてください。
- 信頼できる酒販店で在庫を確認(終売品として残っている場合も)
- 並行輸入品・免税店・海外ECでの取り扱いをチェック
- 新仕様「グレンモーレンジ ザ・インフィニータ18年」の国内発売情報をウォッチ
- フリマやオークションなど二次流通市場での購入は、真贋確認を慎重に行う
また、グレンモーレンジ 19年やグレンモーレンジ 25年といった上位レンジ、あるいは「グレンモーレンジ ネクタードール 16年」などの派生モデルを試してみるのも一つの手です。
グレンモーレンジの哲学を味わううえで、どのボトルも個性的で完成度が高いことに変わりはありません。
グレンモーレンジ18年 終売の真相と今後
ここまで見てきたように、「グレンモーレンジ18年が終売か?」という話題の背景には、複数の要因が絡んでいます。
旧ボトルの在庫終了に伴い「終売」と表記されている一方で、実際には「名称・デザインを変えて継続」しているのが実情です。
公式サイトではすでに新しい18年モデルが紹介されており、完全な生産停止とは考えにくい状況です。
ただし、日本国内では旧仕様の入手が難しくなっており、コレクション価値は高まっています。
限定的な流通と高い完成度が相まって、「グレンモーレンジ18年」は今後ますます特別な一本として語られていくでしょう。
長期熟成のウイスキーが希少化する今、18年という時間を経た一杯の価値は、ますます重みを増しています。
手に取る機会があるなら、それはきっと、今この瞬間がベストタイミングです。

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