春の訪れを感じさせるリキュールとして人気を集めていた「サントリージャポネ桜」。その華やかな香りと上品な甘みは、多くのファンに愛されてきました。しかし近年、「店頭から姿を消した」「もう買えない」という声が増えています。今回は、このサントリージャポネ桜がなぜ終売となったのか、そして今後の再販や代替商品の可能性について詳しく見ていきます。
サントリージャポネ桜とは?和の香りが魅力のリキュール
サントリージャポネ桜は、国産の桜花と桜葉を使った“和のフレーバーリキュール”です。神奈川県小田原産の八重桜の花と、静岡県伊豆産の大島桜の葉を漬け込み、その香りと風味を抽出。まるで桜餅のような香りと、やさしい甘みが特徴で、春のカクテルにぴったりの一本として多くのバーで採用されていました。
容量は500mL、アルコール度数は約24%。見た目にも淡いピンク色が美しく、ボトルデザインも上品でギフト需要もありました。日本の季節感を感じさせるお酒として、海外のファンも多かったといわれています。
終売が確認された背景
「サントリージャポネ桜」は、すでにメーカー出荷が終了しています。酒販店のオンラインストアでは「メーカー終売のため在庫限り」と明記され、入手できるのは残り在庫や中古流通のみ。メルカリなどでは「終売品」「廃盤リキュール」として出品されるケースも多く、通常の流通ルートでは入手困難な状況です。
ただし、サントリーから「終売のお知らせ」が公式発表されたわけではありません。そのため正確な終了時期は明確ではないものの、2019年頃から姿を消し始めたことが確認されています。
終売の理由と背景にあるブランド戦略
終売の背景には、サントリーのリキュールラインの再編が大きく関係しています。ジャポネシリーズは「和の素材を使ったリキュール」というコンセプトを持っていましたが、その流れを引き継ぐ形で誕生したのが「奏〈桜〉」シリーズです。
奏〈桜〉へのブランド移行
2019年にサントリーが発表した「ジャパニーズクラフトリキュール 奏〈桜〉」は、まさにサントリージャポネ桜の後継とも言える存在です。こちらも国産の桜花と桜葉を使用し、浸漬や蒸溜といった丁寧な製法で香りを引き出しています。
「奏〈桜〉」はアルコール度数22%で、よりやわらかな味わいと上品な香りに仕上げられており、従来のサントリージャポネ桜から一段階洗練された印象を与えます。
リキュール市場の変化
近年、国内のカクテル文化は“クラフト志向”へと移行しています。単なるフレーバーリキュールではなく、素材や製法にこだわったプレミアムな商品が求められるようになりました。
この流れを受け、サントリーも従来の「ジャポネ」シリーズを刷新し、より職人技を感じさせる「奏〈桜〉」ブランドに統一したと考えられます。ブランド構成の見直しにより、ジャポネシリーズは静かに幕を下ろしたというわけです。
サントリージャポネ桜の味わいと魅力を振り返る
ファンの間では、サントリージャポネ桜特有の「桜餅のような香り」が今も語り継がれています。
口に含むと、やさしい甘みとほのかな苦味が広がり、和菓子や抹茶スイーツと相性抜群。ロックやソーダ割りはもちろん、白ワインやスパークリングワインと合わせても上品な一杯になります。
バーテンダーの間でも人気が高く、かつてのカクテルコンテストでは「サントリージャポネ桜」を使った創作カクテルが入賞した例もあります。華やかで春らしい香りは、まさに日本らしさを象徴する一杯といえるでしょう。
現在の入手方法と在庫状況
すでに生産は終了しているため、入手ルートは限られます。
現在確認できる主な方法は以下のとおりです。
- 在庫を抱える酒販店のオンラインストア
一部の専門店では「在庫限り」で販売されている場合があります。価格は定価よりも高騰していることが多く、購入時は保管状態を確認することが大切です。 - フリマサイトやオークション
メルカリやヤフオクなどで「終売品」として出品されています。ただし、転売価格が高く、真贋の確認が難しいため注意が必要です。 - バーや飲食店での在庫提供
一部のバーでは、まだ開封されていない在庫をカクテル用として提供していることがあります。季節限定のカクテルフェアなどで出会えるかもしれません。
代わりに楽しめるリキュール
「サントリージャポネ桜がもう買えない」と嘆く声は多いですが、似たテイストのリキュールもいくつか存在します。
とくに以下の製品は、桜の香りを楽しみたい方におすすめです。
- 奏〈桜〉(サントリー)
ジャポネの実質的な後継。香り立ちがよく、より自然で上品な味わい。ソーダ割りやカクテルベースに使いやすい。 - チェリーブロッサムリキュール(中野BC)
和歌山のメーカーが手がける桜リキュール。天然の桜花エキスを使用し、やや濃厚で甘みが強いタイプ。 - 桜スピリッツ/桜ジン系クラフト商品
最近ではクラフト蒸溜所からも桜を使ったジンやスピリッツが登場しており、よりドライで香水のような香りを楽しめます。
桜リキュールは春限定で登場することも多いため、2月〜4月頃にチェックしておくと新しい出会いがあるかもしれません。
サントリージャポネ桜の再販や復活の可能性
現時点でサントリーから「サントリージャポネ桜を再販する」という公式発表はありません。
ただし、近年のリキュール市場では“限定復刻”や“アニバーサリーエディション”が企画される例も多く、完全に望みがないとは言えません。
仮に再登場する場合、ブランド名は「奏〈桜〉」シリーズの一部として限定版が出る可能性が高いでしょう。
過去の名品がクラフトリキュールとして生まれ変わる動きは業界でも注目されており、「あの味をもう一度」というファンの声が大きければ、何らかの形で復活する日が来るかもしれません。
ファンに愛された理由と今後への期待
サントリージャポネ桜が多くの人に愛された理由は、その“日本らしさ”にあります。桜というモチーフだけでなく、香り・味わい・ボトルデザインのすべてに「四季を感じるお酒」という哲学が宿っていました。
終売から時間が経った今もなお、SNSやバーの会話で名前が挙がるのは、その完成度の高さを物語っています。
もしこの記事を読んで「もう一度あの味を楽しみたい」と思った方は、奏〈桜〉や他社の桜リキュールを試しながら、自分好みの“春の一杯”を探してみてください。
そしていつか、サントリーから“復刻版サントリージャポネ桜”が登場する日を、静かに待つのも一つの楽しみ方かもしれません。
まとめ:サントリージャポネ桜が終売に?今も残る香りの記憶
サントリージャポネ桜は、確かに終売となっています。
しかし、その精神や味わいは「奏〈桜〉」という形で受け継がれています。華やかな香りとやさしい甘みをもう一度楽しみたい人には、後継商品や他社の桜リキュールが良い選択肢になるでしょう。
春を感じさせる香りを求める人にとって、サントリージャポネ桜は今なお特別な存在です。
そしてその存在が再び形を変えて咲く日を、多くのファンが待ち望んでいます。

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