「富士御殿場蒸溜所ピュアモルトウイスキーが終売したらしい」という噂を耳にして、驚いた人も多いのではないでしょうか。
長年キリンの富士御殿場蒸溜所で愛されてきた人気ウイスキーだけに、突然の販売終了の情報には少しショックを受けますよね。
この記事では、富士御殿場蒸溜所ピュアモルトウイスキーの終売の真相、販売終了の背景、そして今後の再販や代替商品の可能性について、最新の情報をもとにわかりやすく解説していきます。
富士御殿場蒸溜所とは?日本のウイスキー文化を支える名門
まずは、富士御殿場蒸溜所について簡単におさらいしておきましょう。
富士御殿場蒸溜所は、キリングループが1973年に静岡県御殿場市で設立したウイスキー蒸溜所です。
富士山の伏流水を仕込み水に使用し、冷涼な気候のもとでモルト・グレーン両方のウイスキーを一貫製造しています。
日本でも数少ない「モルト・グレーン・ブレンデッドを全て自社でつくれる蒸溜所」として知られており、その高い技術と繊細な味わいは世界的にも評価されています。
「日本の食卓に合うウイスキーをつくる」という理念のもと、和食にも寄り添う上品な香りと柔らかな口当たりが特徴。
近年では「キリン シングルグレーンウイスキー 富士」や「シングルモルトウイスキー 富士」など、ハイエンドなシリーズも展開し、国内外で注目を集めています。
富士御殿場蒸溜所ピュアモルトウイスキーとはどんなお酒?
「富士御殿場蒸溜所ピュアモルトウイスキー」は、同蒸溜所が限定的に販売していたモルトウイスキー。
蒸溜所直販やオンラインショップ「DRINX」でのみ入手できる、知る人ぞ知る一本でした。
容量は500mlまたは600ml、アルコール度数は40%。
香りは青リンゴや洋梨のようにフルーティーで、味わいはハチミツのような甘さとスムースな口当たりが特徴です。
「モルトウイスキーの魅力を手軽に楽しめる」として、ウイスキー初心者からも人気がありました。
飲みやすいのに、奥行きがある。
そんなバランス感が、富士御殿場蒸溜所らしさでもあります。
一部のレビューでは「タイプの異なる蒸留器の原酒をヴァッティングしている」とも言われており、単なるブレンドではなく、富士御殿場蒸溜所の実験精神が感じられる意欲作だったことがわかります。
終売の噂は本当?販売終了の背景を探る
では、この富士御殿場蒸溜所ピュアモルトウイスキーが「終売」と言われている理由はどこにあるのでしょうか。
実際のところ、キリンから公式に「終売です」と発表された情報はありません。
ただし、流通状況を見ると「事実上の終売」と言っていい状態にあることがわかります。
終売の兆候:店頭・通販サイトで姿を消す
まず、現在では公式通販サイトや酒販店の在庫がほぼ見当たりません。
メルカリなどのフリマサイトでは「終売」「在庫限り」「もう手に入らない」といった文言で出品され、価格が定価の倍近くに上がっているものもあります。
一方、ヤフオクなどでは2,000〜5,000円程度で取引されており、「日常的に買える価格帯ではなくなった」状況です。
終売の理由① 原酒の不足と熟成管理の問題
国産ウイスキー全体が直面している問題のひとつが「原酒不足」。
2010年代後半からのウイスキーブームで需要が急増し、長期熟成の原酒ストックが枯渇したことが各メーカー共通の課題となっています。
富士御殿場蒸溜所も例外ではなく、限られた原酒をより価値の高い製品(キリン シングルグレーンウイスキー 富士やシングルモルトウイスキー 富士)に振り向けるため、ピュアモルトの生産を絞った可能性があります。
終売の理由② ブランド再編と新シリーズへの移行
もうひとつの理由として、キリンのウイスキーブランド再編があります。
近年、キリンは「富士」ブランドのリニューアルを進めており、2020年代に入ってから次々と新シリーズを発売しています。
- 2020年:「キリン シングルグレーンウイスキー 富士」
- 2022年:「シングルブレンデッドジャパニーズウイスキー 富士」
- 2023年:「シングルモルトウイスキー 富士」
このように、ブランド全体を「富士シリーズ」として統一する動きがある中で、旧来の「ピュアモルト」ブランドを整理したと考えられます。
特にピュアモルトは蒸溜所限定品で販売規模も小さく、製造コストやマーケティング面で再構築が必要になったのかもしれません。
終売の理由③ 限定流通モデルの役割を終えた可能性
富士御殿場蒸溜所ピュアモルトウイスキーは、元々「蒸溜所限定」や「DRINX限定」として販売されていました。
つまり、一般流通で大量に出すタイプの商品ではなく、ファン向けの小ロット商品です。
新しい「富士」ブランドが全国展開される今、この限定モデルの役割が終わったと見るのが自然でしょう。
いま買える?富士御殿場蒸溜所ピュアモルトウイスキーの現状
結論から言うと、現在はほぼ終売状態です。
一般的な酒販店や量販店では取り扱いがなく、手に入れるには中古市場を探すしかありません。
中古市場の相場
メルカリでは未開栓ボトルが5,000〜7,000円前後で取引されています。
ヤフオクでは少し安めに落札される傾向もありますが、流通量は減少傾向。
「終売」として扱われているため、在庫が尽き次第さらに価格が上がる可能性もあります。
注意点:酒類の転売と真偽の見極め
フリマやオークションでの購入は、出品者や保管状態の信頼性を確認することが大切です。
酒税法や景品表示法に基づき、販売業者でない個人の転売には制限もあります。
購入する際は、「正規品」「未開栓」「保管環境が良好」であることを確認しましょう。
再販の可能性はあるのか?
現時点で、キリンが当該ピュアモルトを再販するという情報は出ていません。
しかし希望がないわけではありません。
富士御殿場蒸溜所では、定期的に限定ボトルや蒸溜所オリジナルのブレンドを発売しています。
たとえば「富士御殿場蒸溜所シングルカスクセレクション」など、特別なシリーズが出ることもあります。
そのため、同コンセプトを持つ後継ボトルや、類似のピュアモルトが今後再登場する可能性はゼロではありません。
また、現在販売中の「シングルモルトウイスキー 富士」は、より洗練された味わいと品質で評価が高く、「ピュアモルトの進化版」とも言える存在。
「富士御殿場のモルトを味わいたい」という人には、こちらが最適な代替品になるでしょう。
富士御殿場蒸溜所ピュアモルトを手にした人の感想
実際に飲んだ人たちからは、こんな声が寄せられています。
- 「青リンゴや洋梨の香りが心地よく、飲みやすい」
- 「甘く滑らかで、食後にもぴったり」
- 「これが終売はもったいない。常備したかった」
特に初心者にも飲みやすい口当たりと、上品な甘さが高く評価されています。
一方で、限定流通のため「もう一度買いたくても買えない」という声が多いのも事実です。
終売は残念だけど、「富士」の未来は明るい
確かに「富士御殿場蒸溜所ピュアモルトウイスキー」の終売は惜しいニュースです。
しかし、それはキリンが新たな方向へ舵を切った証でもあります。
現在の「富士」シリーズは、国内外のコンペティションで高評価を受けており、日本のクラフトウイスキー文化を世界に発信する存在へと進化しています。
つまり、「ピュアモルトの味わい」は姿を変えて、より完成度の高いボトルへと受け継がれているのです。
今後、富士御殿場蒸溜所が新しい限定ボトルやピュアモルト系ウイスキーを再び世に出す可能性もあります。
ファンとしては、その日を静かに楽しみに待ちたいところですね。
富士御殿場蒸溜所ピュアモルトウイスキー終売のまとめ
最後に、今回のポイントを整理します。
- 公式発表はないが、実質的に終売状態
- 理由は原酒不足・ブランド再編・限定流通モデルの終了が重なったため
- 中古市場では5,000円前後で取引中
- 再販予定は未定だが、新シリーズ「富士」ブランドが後継的存在
富士御殿場蒸溜所ピュアモルトウイスキーは、派手さはないけれど、飲む人を穏やかに満たしてくれる優しいウイスキーでした。
その姿が消えてしまうのは寂しいですが、富士の精神はこれからも続いていくはずです。
次に訪れる富士御殿場蒸溜所の新しいボトルが、また私たちの心をときめかせてくれることを願って。

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