「えっ、松屋のカレー終わっちゃうの!?」
そんな驚きの声がSNSにあふれたのは、2025年5月のこと。松屋の人気メニュー「ごろごろ煮込みチキンカレー」が“まもなく終売”と公式に発表された瞬間でした。
実は松屋のカレー終売騒動は、今回が初めてではありません。長年ファンを虜にしてきたカレーメニューは、これまでもたびたび姿を消しては復活を繰り返してきたのです。
この記事では、なぜ松屋のカレーが終売を迎えるのか、背景やファンの反応、そして復活の可能性までを徹底的に掘り下げていきます。
松屋のカレー、これまでの変遷をおさらい
松屋といえば牛めしの印象が強いものの、実は「カレーの松屋」と呼ばれるほどカレーメニューにも定評がありました。
しかしその歩みは、意外にも“変化と終売”の連続です。
2019年には、長年親しまれた「オリジナルカレー」が終売。その後は「創業ビーフカレー」がレギュラーメニューとして登場し、ビーフの旨味とスパイシーさでファンの心をつかみました。
ところがこの「創業ビーフカレー」も、数年後には姿を消します。2022年頃からは「ごろごろ煮込みチキンカレー」が主役となり、定番化。鶏肉のボリューム感と食べ応えで大ヒットを記録しました。
ただ、2025年5月、公式X(旧Twitter)に「まもなく終売になります」という告知が出ると再び波紋が広がります。ファンの間では「また終わるの?」「次は何が来るの?」とざわつきが止まりませんでした。
なぜ松屋のカレーは終売を繰り返すのか?
一見すると「人気なのになぜ?」と思うこの動き。
そこには、松屋が抱える経営的・戦略的な事情が複雑に絡んでいます。
まず一つ目は、原材料コストの高騰。
牛肉や鶏肉、野菜、スパイスなど、カレーに使う食材は世界的に値上がりしています。特に「ごろごろ煮込みチキンカレー」のような具材たっぷりメニューは、原価が重くのしかかります。チェーン全店で安定供給するにはコスト的にもリスクが高いのです。
二つ目は、オペレーションの複雑さ。
松屋のカレーは“セントラルキッチン”方式ではなく、各店舗で温め・盛り付けを行う工程が多いとされます。トッピングやソースの種類が増えるほど手間がかかり、忙しい時間帯には提供スピードが落ちる。こうした事情から、限られた人員で効率よく回せるメニュー構成に見直している可能性があります。
三つ目は、ブランド戦略の再構築。
「松屋=牛めし屋」という原点回帰の動きも指摘されています。牛めし・定食に注力し、あえてカレーを限定メニュー扱いにすることで、ブランドイメージを整理しているとも考えられます。
ファンの反応は?終売に惜しむ声が続出
終売発表のたびに、SNSにはファンの悲鳴が溢れます。
「チキンカレーがなくなるなんて信じられない」「これを食べるために松屋に通ってたのに」といった投稿が相次ぎ、Xのトレンドにも上がるほど。
中には「終売前に食べ納めしてきた」「在庫があるうちにもう一回行く」という“駆け込み需要”も発生。終売直前の一週間は、ごろごろ煮込みチキンカレー目当ての客が急増したという声も見られました。
過去の「オリジナルカレー」や「創業ビーフカレー」の終了時も同様で、松屋のカレーがいかに根強い人気を誇っているかがよく分かります。
終売の裏側にある松屋の戦略とは?
実は、松屋のカレー終売は“完全撤退”ではなく、“再登場の布石”という見方もあります。
過去の事例を振り返ると、終売と同時に新作カレーが発表されるケースが多いのです。
2019年にオリジナルカレーが終売したときも、翌週には「創業ビーフカレー」が登場しました。
さらに2022年にはオリジナルカレーが復活、2023年にはオリジナルチキンカレーがレギュラー化。
つまり松屋は“終売→リニューアル→復活”というサイクルで、常に話題性を生み出しているのです。
これは単なるメニュー変更ではなく、**「終売=マーケティング手法」**という見方もできます。
「まもなく終売」という言葉がSNSで拡散されるたびに、ファンは「今のうちに食べよう」と動く。結果として、終売直前に売上が跳ね上がるのです。
そして一定期間を置いた後、“復活”という形で再投入すれば、再び話題を呼び戻す。まさに“終売も戦略の一部”といえるでしょう。
終売メニューは本当に食べられないのか?
結論から言うと、終売しても完全に食べられなくなるわけではありません。
松屋は過去にも何度も「復刻カレー」を発売しており、人気メニューは定期的に限定復活しています。
たとえば2022年には「オリジナルカレー」が約2年半ぶりに復活し、大きな話題となりました。
さらに2025年6月10日からは、期間限定で「創業ビーフカレー」が再登場予定と告知されています。
つまり、今後「ごろごろ煮込みチキンカレー」が戻ってくる可能性も十分にあるということです。
また、松屋フーズが展開する別業態「マイカリー食堂」では、松屋とは異なる形でカレーメニューを継続提供しています。
もし松屋店舗で見かけなくなっても、系列ブランドで“あの味”に再会できる可能性もあります。
終売は時代の流れ?食文化としての松屋カレー
松屋のカレーは、単なるチェーンメニューではなく“食文化”として愛されてきました。
具材が大ぶりで、スパイスの効いた濃厚なルー。安価でありながら満足感が高く、「カレー専門店より松屋派」というファンも多かったのです。
しかし外食業界全体を見ても、原材料の高騰や人手不足、メニュー整理の波は避けられません。
「松屋カレーの終売」は、時代の変化とともに外食チェーンが選択を迫られている象徴的な出来事といえます。
それでも、完全に姿を消すわけではなく、形を変えて戻ってくる。
それが松屋の強みであり、ファンが支持し続ける理由でしょう。
復活の可能性と今後の展望
松屋の公式発表では「またいつの日か復活する時をお待ちいただければ幸いです」と明言されています。
この一文が示すように、ごろごろ煮込みチキンカレーや創業ビーフカレーは、今後の季節限定・復刻フェアなどで再登場する可能性が高いと見られます。
復活の際には、味や具材が一部リニューアルされることも多く、過去とは違う進化を見せるケースも。
「終売は終わりではなく、リセット」という松屋の姿勢を象徴しているともいえるでしょう。
また、昨今の傾向として、アレンジ商品(たとえばチーズカレー、にんにく増し、ハンバーグカレーなど)が好調であることから、今後はトッピングやスパイスを変えた“派生型”のカレーが登場する可能性もあります。
松屋のカレー終売をどう受け止めるか
長年親しんできた味がなくなるのは、やはり寂しいものです。
しかし、松屋の終売は「終了」ではなく「進化の予告」でもあります。
味の改良、提供体制の見直し、原価の最適化――すべては次のステージへの準備段階と捉えられます。
ファンとしてできることは、終売前にしっかり食べ納めをしておくこと。
そして、次の復活の知らせを楽しみに待つことです。
松屋のカレーが終売へ?その先に見える“復活の香り”
松屋のカレーは、何度終売になっても消えません。
それは、ファンがその味を求め続けているから。
「終売」という言葉の裏には、次の復活を見据えた松屋の戦略と覚悟があります。
次に登場するカレーが、どんな形で私たちの食卓に帰ってくるのか――。
それを想像しながら、今日も「最後の一皿」を味わう人々の姿が全国にあります。
松屋のカレーは終わらない。
そしてまた、きっと戻ってくる。

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