英単語帳といえば、いろんな種類がありますが、その中でも定番中の定番が「システム英単語」、通称「シス単」です。
高校生や受験生なら一度は聞いたことがあると思います。でも、いざ選ぼうとすると「Basic?通常版?どれを使えばいいの?」と迷いますよね。
この記事では、シス単の特徴やレベル別の選び方、そして効率的な使い方までをわかりやすく解説します。これから英語学習を本格的に始めたい人も、すでに使っているけど伸び悩んでいる人も、きっと参考になるはずです。
シス単とは?どんな英単語帳なのか
シス単は、駿台文庫が出版している英単語帳シリーズで、「頻出順・レベル順」で単語が並んでいるのが最大の特徴です。
多くの単語帳はテーマや品詞別に分かれていますが、シス単は実際の入試での出現頻度に基づいて構成されており、効率よく“出る順”で覚えられるように作られています。
もう一つの特徴は、「ミニマル・フレーズ」と呼ばれる短い例文。
単語単体ではなく、2~5語程度の自然なフレーズで覚えることで、「意味は分かるけど使えない」を防ぎます。
たとえば「run」は「走る」だけでなく、「run a company=会社を経営する」などの使い方もありますよね。そうした“生きた使い方”を自然に身につけられるのがシス単の強みです。
音声データも充実していて、CDやダウンロード音声を使えばリスニング対策や発音練習にも役立ちます。つまり、読む・聞く・話すの三拍子をそろえた万能単語帳なんです。
シス単の種類とレベルを整理しよう
シス単シリーズには、主に以下のラインナップがあります。
- システム英単語 Basic:高校初級者や基礎固めをしたい人向け
- システム英単語(標準版):共通テスト~MARCH・早慶レベルをカバー
- 多義語編(上級者向け):単語の複数の意味・熟語的用法を徹底
それぞれ対象レベルが違うため、自分の英語力や目標に合わせて選ぶのが大切です。
Basicはこんな人におすすめ
英単語の基礎をしっかり固めたい人。
高校1年生や英検2級レベルを目指す段階なら、Basicで十分です。基本的な1500語前後を、入試に出る順番で効率的に覚えられます。
標準版はこんな人におすすめ
共通テストや私大・国公立二次試験など、受験本番を意識して勉強する人。
掲載語数は1900語以上で、MARCH~早慶レベルまで対応します。
この1冊を完璧に仕上げれば、大学受験で必要な語彙の9割はカバーできるといわれています。
多義語・上級章はこんな人におすすめ
難関大を目指す人、または読解力をさらに高めたい人。
「run」「make」「take」など、入試で頻出の多義語を深く理解できる構成で、長文問題の得点力を伸ばす助けになります。
レベル別おすすめの選び方
どのレベルを選ぶかは、今の自分の英語力と志望校のレベルで決めましょう。
- 英語が苦手/中学英文法があやしい人:まずはBasicから。
- 共通テストを中心に勉強したい人:標準版の前半(Stage1~2)を重点的に。
- MARCHや関関同立レベルを狙う人:標準版全章+多義語章。
- 早慶・旧帝大レベルを目指す人:標準版をやり込み、余裕があれば難単語帳を追加。
「難しそうだから最初から標準版を!」と手を出す人も多いですが、基礎が抜けていると結局定着しません。
最初はBasicをスピーディーに1周→標準版へ移行、というステップアップ型の方が結果的に早く伸びます。
シス単の効率的な使い方
ただ眺めるだけでは単語は覚えられません。
シス単を使いこなすには、「反復」「音声」「フレーズ」を意識することが大切です。
1. まずは1周ざっと見る
最初から完璧を目指す必要はありません。
1周目は「見たことがある単語」と「全く知らない単語」を仕分けるくらいでOKです。
1ページ3秒ペースで進めても構いません。全体像をつかむことが目的です。
2. 赤シートと音声で覚える
シス単には赤シート対応の日本語訳が付いています。
意味を隠して、英単語を見た瞬間に意味が浮かぶかチェック。
音声を同時に流すと、耳と目の両方から刺激が入るので定着率が上がります。
特に通学中やスキマ時間の“ながら学習”におすすめです。
3. ミニマルフレーズを活用する
シス単の真価は、このミニマルフレーズにあります。
「単語=意味」ではなく、「単語+使われ方」で覚えるのがコツ。
たとえば“apply”なら「apply for a job(仕事に応募する)」と一緒に覚えると、実際の英文で迷いません。
入試長文でもそのまま出てくることが多く、読解力アップにもつながります。
4. 復習サイクルを決める
「覚えた」と思っても、1週間後には忘れているのが人間。
1日目→翌日→3日後→1週間後という間隔で復習する“スパン学習”が効果的です。
アプリやスケジュール帳を使って記録するのもおすすめです。
5. 書くより声に出す
ノートに書くのも悪くありませんが、時間がかかる割に定着しにくいことも。
音読やシャドーイングで「口を動かす」ほうが記憶に残りやすいです。
これは“プロダクション効果”と呼ばれ、実際に声に出すことで記憶の引き出しが強化されると言われています。
よくある失敗と注意点
シス単は優秀な単語帳ですが、使い方を間違えると効果が半減します。
特によくあるのが次のパターンです。
- 1冊を終わらせる前に別の単語帳に浮気する
→ “広く浅く”ではなく、“狭く深く”のほうが記憶に残ります。 - ノート作りに時間をかけすぎる
→ 単語帳は書く教材ではなく「見る教材」です。 - 覚える量を詰め込みすぎる
→ 1日100語よりも、50語×3日で反復するほうが効率的です。
特定の単語帳が絶対に「最強」というわけではありません。
大切なのは“自分に合う1冊をやり切ること”。
シス単はそのための「完成度の高い土台」として最適なんです。
シス単を使うときに意識したいこと
- 目標を明確にする(どの章をいつまでに終えるか)
- スマホや音声データでスキマ時間を活用する
- フレーズで覚えて実際に使う
- 定期的に自己テストをする
- 1冊を何周も回す
この5つを意識すれば、シス単の効果は倍増します。
英単語は「時間×反復」でしか定着しませんが、やり方を工夫すれば結果は確実に出ます。
シス単はどれがいい?レベル別おすすめ英単語帳と効率的な使い方を解説
結論として、「どのシス単がいいか」はあなたの英語力と目標次第です。
基礎から固めたいならシステム英単語 Basic、受験本番レベルを目指すならシステム英単語、難関校なら多義語まで。
そして何より大事なのは、「選んだ1冊を徹底的に使い込む」こと。
シス単は受験英語だけでなく、英検・TOEIC・大学以降の英語学習にもつながる“長く使える教材”です。
今日から少しずつでも、1日30語ずつでも構いません。
積み重ねていけば、半年後には確実に「読める」「聞ける」英語力がついています。
システム英単語はどれがいい?
迷う時間があるなら、まずは手に取って始めてみましょう。
その1冊をやり切る経験が、英語学習を変える第一歩になります。
