「サクマドロップスが終売になったらしい」と聞いて、驚いた人も多いのではないでしょうか。
長い歴史を持ち、子どものころから親しんできたあの赤い缶――。
実は、今回話題になっているのは「サクマドロップス」と「サクマ式ドロップス」という、名前の似た別の商品に関する出来事です。この記事では、販売終了の真相やその背景、さらに今後の入手方法や代わりに選べる商品まで、じっくり解説します。
「サクマドロップス」と「サクマ式ドロップス」は別物
まず最初に整理しておきたいのが、2つの「サクマ」ブランドの違いです。
どちらも元をたどれば同じルーツを持ちますが、実は製造していた会社が違います。
- サクマ式ドロップス(赤缶) … 佐久間製菓(東京都豊島区)
- サクマドロップス(緑缶) … サクマ製菓(東京都目黒区)
赤い缶の「サクマ式ドロップス」は2022年に製造終了となりましたが、緑の缶の「サクマドロップス」は今も変わらず販売されています。
SNSなどで「サクマドロップスが終売」という誤解が広まったのは、この2つのブランドが長年共存していたためです。
終売となったのは「サクマ式ドロップス」だった
ニュースで話題になったのは、佐久間製菓が手掛けていた「サクマ式ドロップス(赤缶)」です。
同社は2022年末に製造を終了し、翌2023年1月20日をもって廃業しました。
つまり、あの赤い缶のドロップスは現在では新しく生産されていません。
発表当時、「子どものころからの味がなくなる」「映画『火垂るの墓』を思い出す」と、多くの人がSNSで惜しむ声を上げました。
それだけ、この商品が日本人の記憶に深く根付いていたということです。
なぜサクマ式ドロップスは販売終了したのか
では、なぜ100年以上の歴史を誇る老舗が終売に至ったのでしょうか。
その背景には、いくつかの現実的な理由があります。
- 原材料費・エネルギーコストの高騰
砂糖や果汁などの原材料価格が上昇し、加えて電気・ガスなどのエネルギーコストも急増。
昔ながらの製法を守りながら価格を維持するのが難しくなっていました。 - コロナ禍による需要減少
外出自粛や人流減少で、スーパーや観光地での販売機会が激減。
「懐かしい缶入りドロップス」というギフト需要も減少してしまいました。 - 人材不足と設備維持の限界
製造ラインの維持や熟練スタッフの確保も難しくなり、経営的に持続が困難な状況に。
「伝統を守るために価格転嫁ができなかった」というコメントも報道で取り上げられています。
こうした要因が重なり、佐久間製菓はやむを得ず製造を終了。
経営判断として“終売”を選ぶ結果となりました。
「終売」でも買える可能性はまだある?
「もう手に入らないの?」という声も多く聞かれます。
実際のところ、完全に消滅したわけではありません。
- 2022年末の製造終了後も、在庫分は市場に流通していました。
- 一部の通販サイトや小売店では、在庫限りで販売されているケースもあります。
- ただし、希少化によりプレミア価格がつくこともあり、注意が必要です。
ネット上では、オークションやフリマアプリで高値取引されていることもありますが、転売品の購入はおすすめできません。
賞味期限の管理や品質保証が不明なものも多いため、正規ルートの在庫を探すのが安全です。
現在も手に入る「サクマドロップス(緑缶)」
一方で、今も店頭や通販で手に入るのが「サクマドロップス(緑缶)」です。
こちらはサクマ製菓が製造しており、味や見た目は赤缶とよく似ています。
内容はフルーツ味のドロップスで、缶のデザインもレトロ感を残しつつ、時代に合わせてアレンジ。
最近ではアニメやゲームとのコラボ缶も登場し、若い世代にも再注目されています。
つまり、「サクマドロップスが終売」というのは誤解。
正確には「サクマ式ドロップス(赤缶)」が終売で、「サクマドロップス(緑缶)」は今も健在というわけです。
終売の裏にある“老舗ブランド”の葛藤
佐久間製菓の廃業は、単なる一企業の終焉ではなく、「老舗ブランドの時代変化への苦悩」を象徴しています。
創業から100年以上、同じ製法・同じ味を守り続けたことは間違いなく誇るべき歴史です。
しかしその「守る姿勢」が、コスト上昇や消費トレンドの変化に対応しづらい一面も生んでしまったのでしょう。
近年は「健康志向」「低糖質」「機能性お菓子」といった新しい価値が求められています。
一方で、昔ながらの甘いドロップスは“懐かしさ”や“思い出”という情緒的価値で愛されてきました。
そのギャップを埋めることができなかったことが、結果として終売につながったとも考えられます。
消費者が支える「懐かしさのブランド」
サクマドロップスは、日本人にとって特別な意味を持つお菓子です。
映画『火垂るの墓』で登場したことで知られ、缶を見ただけで涙ぐむという人も少なくありません。
単なる飴ではなく、「家族との記憶」や「昭和の味」を思い出させる存在として、多くの人に愛されてきました。
廃業発表後には「もう一度あの味を」「復活してほしい」という声がSNSにあふれ、
それがまた“日本の文化としてのドロップス”を再認識させるきっかけにもなりました。
代わりに選べるおすすめ商品
「赤缶がもう買えないなら、何を選べばいいの?」という方へ。
いくつかの選択肢を紹介します。
- サクマドロップス(緑缶)
赤缶に最も近い味とデザイン。現在もスーパーや通販で購入可能です。 - 季節限定やコラボ缶シリーズ
人気アニメやキャラクターとコラボしたデザイン缶が続々登場しています。
缶をコレクションする楽しみもあります。 - 他メーカーのフルーツドロップス
カンロやUHA味覚糖などからも類似のキャンディが販売されており、
味のバリエーションで選ぶのもおすすめです。
昔ながらの缶入りドロップスを探しているなら、「サクマドロップス」で検索してみましょう。
懐かしい味を今でも楽しむことができます。
サクマドロップスが教えてくれること
サクマ式ドロップスの終売は、単なる商品の終了ではなく、時代の節目でもあります。
多くの人が「子どものころの思い出」とともにこの飴を思い出し、
その存在の大きさを改めて感じたのではないでしょうか。
そして今も残る「サクマドロップス(緑缶)」は、過去から未来へとつながる象徴です。
老舗の味を守りながら、新しい世代にも親しまれている。
これからもその缶を手にしたとき、きっと誰もが同じように微笑むはずです。
サクマドロップスが終売って本当?懐かしの味はこれからも生き続ける
結論として、「サクマドロップス(緑缶)」は現在も販売中であり、
終売となったのは「サクマ式ドロップス(赤缶)」のみです。
長年愛された赤い缶は幕を下ろしましたが、その精神と味は緑缶の中に受け継がれています。
もし懐かしの味をもう一度楽しみたいなら、今も販売されているサクマドロップスを手に取ってみてください。
あの優しい甘さと、レトロな缶の輝きが、きっと心の中に昔の記憶をよみがえらせてくれるはずです。

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