サントリーの「果実酒房」シリーズといえば、長年にわたり親しまれてきた果実リキュールブランド。梅酒、あんず酒、すもも酒など、果実の香りと甘酸っぱさを生かしたラインナップで、家庭用から業務用まで幅広く愛されてきました。そんな「果実酒房」シリーズが、ついに終売（販売終了）との情報が広がっています。今回は、その背景と今後の入手方法について詳しく解説します。
果実酒房とは？長年愛されたサントリーの果実系リキュール
「果実酒房」は、サントリーが1996年に発売した果実リキュールシリーズ。発売当初は200mlの小瓶で展開され、「梅酒」「あんず酒」「すもも酒」の3種類がラインナップされていました。その後、飲食店など業務用向けのニーズに応える形で、1.8Lのコンク（濃縮）タイプが中心になり、家庭でも「割って楽しむ果実酒」として親しまれてきました。
特に人気を集めたのが「特撰果実酒房 山梨産巨峰酒」や「特撰果実酒房 青森産津軽りんご酒」。果実の産地名を冠するこだわりや、果汁感の強さが魅力で、「他の果実酒よりもフルーティー」と支持する声も多く見られました。
なぜ終売になったのか？背景にある複合的な理由
サントリーから「果実酒房」シリーズ終売の公式アナウンスは出ていませんが、複数の酒販店や卸サイトで「メーカー終売のため在庫限り終了」との記載が確認されています。つまり、すでに製造が終了し、流通在庫のみが残っている状態です。
では、なぜ長年愛された果実酒房が終売に至ったのでしょうか。考えられる理由を整理します。
1. 商品ライフサイクルの終焉
果実酒房シリーズは発売から約30年近くが経過。果実リキュール市場において、ブランドのライフサイクルを終えた可能性があります。長年にわたる製造の中で販売数が減少し、新ブランドや他カテゴリーへの需要シフトが進んだことが一因と考えられます。
2. 原材料・製造コストの上昇
果実系リキュールは果汁や浸漬果実の調達コスト、アルコール原料や瓶など資材費の影響を強く受けます。原材料の価格上昇や製造工程の効率化に伴い、採算性が低下したことも製造終了の一因とみられます。
3. 飲料市場の変化と競争の激化
かつては“果実を漬けたお酒”が家庭の定番でしたが、現在は缶チューハイやRTD（Ready To Drink）飲料の市場が急拡大。手軽に楽しめる缶タイプが主流となり、濃縮リキュールを割って作るタイプの需要が減少しています。消費者の嗜好が「時短」「即飲」に移ったことで、コンク型リキュールの存在感が薄れていったのです。
4. ブランド整理とリニューアル戦略
サントリーは多様な酒類ブランドを抱える大手メーカーです。その中で、販売規模が小さくなったブランドやカテゴリを整理するケースも珍しくありません。「果実酒房」も、そうしたブランドポートフォリオ見直しの一環として整理された可能性があります。
果実酒房シリーズの現状：一部製品はまだ入手可能
「果実酒房」シリーズ全体が一度に終売したわけではありません。実際に、以下のような状況が確認されています。
- 「特撰果実酒房 山梨産巨峰酒」：複数の販売店で「メーカー終売」「在庫限り終了」と明記。すでに流通在庫のみ。
- 「特撰果実酒房 青森産津軽りんご酒」「特撰果実酒房 南米産アセロラ ローズヒップ」など一部商品は、オンラインショップで在庫販売が続く場合あり。
- サントリー公式「製造終了商品一覧」にも、果実酒房シリーズの一部が掲載。
つまり、シリーズ全体としては縮小・整理の段階に入り、一部銘柄のみが在庫限りで販売されているという段階です。
今後の入手方法：在庫を探すなら今が最後のチャンス
終売が進行している「果実酒房」シリーズですが、現時点で入手する方法はまだあります。購入を検討する際は以下のポイントを参考にしてください。
1. 公式の製造終了リストを確認
サントリー公式サイトには「製造終了商品一覧（酒類）」のページがあり、終売対象商品が掲載されています。まずはここで、対象の銘柄が掲載されているかをチェックしましょう。
2. 在庫限りの通販サイトを活用
楽天市場やYahoo!ショッピング、酒販店のオンラインストアなどでは、「在庫限り」「終売予定」などの表示とともに販売が続いているケースがあります。キーワード検索で「サントリー 果実酒房」と入力し、販売状況を比較してみるのが有効です。
3. 実店舗や業務用卸をチェック
飲食店向けに在庫を抱えている業務用酒販店や地域のスーパーなどでは、まだ棚に残っている場合もあります。大型酒販店（リカーマウンテン、カクヤスなど）もチェックしておくと良いでしょう。
4. プレミア価格に注意
終売商品は、流通在庫が減るにつれて価格が高騰する傾向があります。希少価値が出て転売価格が上がることもあるため、正規販売店・信頼できるルートから購入するのが安心です。
果実酒房の代替・後継候補となる商品
「果実酒房」の味わいが好きだった方に向けて、同系統のリキュール・果実酒を紹介します。
- 澄みわたる シリーズ
果実の爽やかさとスッキリとした後味が特徴。レモン・梅・葡萄など、果実酒房に近い系統の味が楽しめます。 - さらりとした梅酒 シリーズ
果実感を重視した飲みやすい梅酒。スーパーでも入手しやすく、果実酒房ファンにも馴染みやすい味わいです。 - 鍛高譚の梅酒 や 鍛高譚のすもも酒
果実の個性を生かしたリキュールとして人気。果実酒房のように“香りを楽しむ”タイプです。 - リキュールベースのサワー用コンク
業務用で展開されているコンクタイプも豊富。味を自分好みに調整できる点で、果実酒房の代替として活用できます。
終売の現実と、残された“果実酒房”の価値
「終売」と聞くと少し寂しい響きがありますが、果実酒房が果実リキュール文化に残した功績は大きいものがあります。梅酒やあんず酒を家庭で気軽に楽しめる文化を広げた功労者といっても過言ではありません。
今なお在庫が残るボトルを見つけたら、それは“最後の果実酒房”かもしれません。長年親しんできた味をもう一度楽しむチャンスとして、大切に味わうのもいいでしょう。
サントリー果実酒房が終売へ？販売終了の理由と今後の入手方法まとめ
・「果実酒房」シリーズは1996年発売のロングセラー果実リキュール
・ 現在は一部銘柄が終売、「在庫限り販売」となる製品が多数
・ 背景には市場変化・コスト高・ブランド整理など複合的な要因
・ 現在はオンライン・一部店舗でわずかに在庫あり
・ 終売後は代替商品として「澄みわたる」シリーズや他社果実酒を検討
終売は寂しいものですが、それだけ長く愛された証でもあります。果実酒房のやさしい甘みをもう一度味わいたい人は、今のうちにチェックしておくのがおすすめです。
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