Amazonの格安タブレットとして長く親しまれてきた「Fire 7」。しかし最近、「販売終了」「在庫切れ」といった声が多く聞かれます。この記事では、なぜFire 7が販売終了と噂されているのか、その背景や最新モデルとの違い、そして代わりになるおすすめタブレットについて詳しく見ていきましょう。
Fire 7とはどんなタブレット?
Fire 7は、Amazonが展開する「Fireタブレットシリーズ」の中でもっとも手軽なモデルです。7インチのコンパクトな画面に、動画視聴・読書・ネットサーフィンなどの基本機能を備え、低価格で購入できるのが最大の特徴でした。
特に2022年発売のFire 7(第12世代)モデルは、これまでのmicro-USBからUSB-Cに変更され、バッテリー駆動時間が約10時間に延長。性能も多少向上し、「サブ端末」や「子ども用タブレット」として人気を集めていました。
それでも、あくまで“エントリーモデル”という位置づけ。解像度や処理速度は控えめで、動画を見たり電子書籍を読む程度の用途に向いていたと言えます。
Fire 7が販売終了といわれる理由
最近ではAmazon公式サイトでも「現在お取り扱いできません」と表示されることが増え、「販売終了では?」と噂されるようになりました。では、なぜそうなったのでしょうか。いくつかの要因を整理してみます。
1. ユーザーの需要が変化した
タブレット市場全体を見ても、7インチサイズの需要は減少傾向にあります。スマートフォンが大型化したことで、7インチとのサイズ差が小さくなり、わざわざ小型タブレットを持つ意味が薄れてしまったのです。
その一方で、「もう少し大きな画面で見たい」というニーズが強まり、8〜10インチのFire HD 8シリーズが主流になってきました。結果的に、Fire 7の存在価値が薄れてしまったとも言えます。
2. 製品ラインの整理
Amazonは、Fireタブレットシリーズ全体の構成を定期的に見直しています。
性能・価格・サポート体制を考えると、最も安価なFire 7を継続するメリットが薄くなったと考えられます。特に、RAMや画面解像度が限られているFire 7は、コストパフォーマンス面で他モデルに押されてしまいました。
3. 生産コストと利益率の問題
Fire 7は非常に安価な価格設定(1万円以下)で販売されていました。しかし、半導体価格の高騰や物流コストの増加など、世界的なコスト上昇の影響を受けやすい製品でもあります。
安さを維持するためには性能を抑える必要があり、その結果「他モデルとの性能差が大きすぎる」と感じるユーザーも増えました。こうしたバランスの難しさが、ライン終了の一因とみられます。
4. 次期モデルの登場がない
2019年モデル、2022年モデルと続いてきたFire 7ですが、2023〜2025年にかけて新型の発表はありません。AmazonはFire HD 8やFire HD 10の刷新を進めていますが、Fire 7に関しては音沙汰がなく、次期モデルの予定も見えていません。
つまり「自然消滅型の販売終了」に近い状態になっているわけです。
最新モデルとの違いをチェック
Fire 7の特徴や限界を理解するには、ほかのFireタブレットシリーズと比較するのが早いです。ここでは2022年版Fire 7(第12世代)とFire HD 8(2022年モデル)を比べながら、その差を見ていきましょう。
- ディスプレイ:Fire 7は1024×600と低解像度。一方、Fire HD 8は1280×800で動画や電子書籍もくっきり。
- メモリ:Fire 7は2GB、Fire HD 8は3GB。アプリの起動や動作の滑らかさが明確に違います。
- スピーカー:Fire 7はモノラル、Fire HD 8はステレオ。映画や音楽を楽しむならHD 8のほうが断然快適。
- 価格:Fire 7は1万円未満、Fire HD 8は1万3千円前後。差額数千円で使い勝手が大きく変わります。
こうして見ると、Fire 7が廉価モデルとして成立していた時代は過ぎ去り、わずかな価格差で性能が大きく上がるFire HD 8へシフトしたのも自然な流れといえるでしょう。
Fire 7が向いていた人たちと、その後の選択肢
かつてFire 7を愛用していたユーザーは、どんな使い方をしていたでしょうか。代表的なケースは以下の通りです。
- 子ども用の動画・学習端末
- ベッドサイドや外出時の電子書籍リーダー
- Amazonプライムビデオ専用機
- 音声アシスタント(Alexa)対応のサブデバイス
このような“ライトユーザー向け”の用途は、今も一定のニーズがあります。
そのため、Fire 7がなくなったからといって困る人もいるでしょう。そんな人のために、代わりになりそうな端末をいくつか紹介します。
Fire 7の代替としておすすめのモデル
Fire HD 8(2022年モデル)
最も自然な後継がこれ。8インチの画面で見やすく、性能もアップしています。重さは約337gと少し増えますが、USB-C対応で充電も早く、動画視聴には十分。
価格も手頃で、セール時には1万円台前半で購入できることがあります。Amazonコンテンツとの親和性も高く、Fire 7からの移行先として最有力候補です。
Fire HD 10(2023年モデル)
「大画面で動画を快適に楽しみたい」という人にはこちら。10.1インチのフルHDディスプレイを搭載し、スピーカーもステレオ仕様。軽量化が進んでおり、持ち運びもしやすくなっています。
電子書籍や映画視聴に特化するなら満足度が高いでしょう。
Fire HD 8 Kidsモデル
小さな子ども向けの端末として人気。耐衝撃ケース付きで、ペアレンタルコントロール機能も備えています。Fire 7が“子ども用タブレット”として活躍していた層には、このモデルが最適です。
AndroidタブレットやiPadも選択肢に
Amazon製品にこだわらなければ、LenovoタブレットやHUAWEIタブレットなどのAndroidタブレットやiPadも選択肢にも検討できます。
特にGoogle Playアプリを使いたい人には、Fireタブレットシリーズよりこちらの方が自由度が高いでしょう。
Fire 7が今も手に入る可能性は?
Amazon公式では在庫切れ状態が続いていますが、家電量販店や中古販売サイトでは、2022年モデルが時々見つかることもあります。
ただし、在庫が古くなるとメーカー保証が受けづらくなる場合もあり、長期使用を考えるなら新モデルを選ぶ方が安心です。
また、Fire OSのアップデートも将来的には打ち切られる可能性があるため、セキュリティ面を重視するなら早めの乗り換えがおすすめです。
Fire 7販売終了のまとめと今後の展望
Fire 7が販売終了といわれる背景には、ユーザーの需要変化とAmazonの製品戦略の転換がありました。
スマートフォンの大型化、タブレット市場の成熟、そしてより性能を重視する流れの中で、Fire 7はその役割を終えつつあるといえます。
しかし、Fireタブレットシリーズ自体が終わったわけではありません。むしろ、8インチや10インチのモデルが進化を続けており、より快適でコスパの良い端末が登場しています。
もし「手軽にAmazonのサービスを楽しみたい」「コスパ重視で動画や電子書籍を見たい」と思っているなら、Fire HD 8が現時点では最もおすすめです。
今後、Amazonが新たな小型モデルを投入する可能性もゼロではありませんが、現時点ではFire 7の販売再開の見通しは立っていません。
Fire 7のコンパクトさや気軽さを懐かしみつつも、次の一歩としてより快適なタブレットを選ぶタイミングなのかもしれません。
Fire 7の販売終了は少し寂しいニュースですが、タブレット市場の変化を映す自然な流れでもあります。
用途に合わせた代替モデルを選び、自分にぴったりの使い方を見つけてみてください。
