「ロータスドッグフードが終売になった」という話題を目にして驚いた方も多いのではないでしょうか。
ナチュラル志向の愛犬家から高く支持されていたブランドだけに、「なぜ販売終了になったの?」「もう買えないの?」と心配の声が広がっています。
今回は、ロータスドッグフードが終売に至った背景、安全性の評価、そして後継ブランド・代替商品の情報までをわかりやすく整理してご紹介します。
ロータスドッグフードとは?ナチュラル志向で人気だった理由
ロータスドッグフード(LOTUS)はカナダ発のプレミアムドッグフードブランド。
「人間が食べられる品質(ヒューマングレード)」を掲げ、人工保存料や香料、着色料を一切使わず、素材本来の味と栄養を重視した製品づくりが特徴でした。
なかでも有名だったのが、独自の「オーブンベイク製法」。
高温高圧で一気に押し出す一般的なエクストルーダー方式ではなく、じっくり低温で焼き上げる製法を採用していました。
この方法により、素材の風味を残しつつ栄養素の損失を抑えられるとして、多くの飼い主から支持されていたのです。
「添加物をできるだけ避けたい」「素材の味を大事にしたい」といったナチュラル志向の家庭では、ロータスドッグフードが“安心できるごはん”の定番として定着していました。
終売の発表とその時期
ロータスドッグフードジャパン公式サイトによると、2022年11月のメーカー出荷分をもって、在庫がなくなり次第販売終了とする旨が案内されています。
対象は一部のウェット缶やドライフードのシリーズで、「グレインフリー フィッシュレシピ」以外の多くの製品が終売となりました。
販売店や代理店のブログでも同様に、「2022年11月度の出荷をもって順次終売」と告知されています。
すでに流通在庫は減少しており、店頭や通販で見かけても在庫限りという状況です。
終売の主な理由:鳥インフルエンザによる輸入規制
今回の終売の最大の要因は「輸入規制」にあります。
ロータスドッグフードの製品はカナダで製造されており、原材料の多くにチキンやターキーなどの家禽肉が使われていました。
ところが、2022年前後にカナダで鳥インフルエンザ(高病原性家禽インフルエンザ)が発生。
これにより、日本の動物検疫制度上、カナダ産の家禽類を含むペットフードの輸入が制限されました。
農林水産省の定める「加熱処理条件(70℃で30分以上など)」を満たさない製法の製品は、輸入ができなくなったのです。
ロータスドッグフードの「オーブンベイク製法」は低温・低圧で素材を焼く調理方法。
一般的な高温殺菌ではないため、輸入条件を満たせず、結果的に家禽類を使ったレシピは日本への輸入を継続できなくなったとされています。
つまり、ロータスドッグフードは品質や安全性に問題があったわけではなく、「輸入規制によって日本で販売できなくなった」というのが真相に近いのです。
継続販売される製品もある?
すべてのロータスドッグフード製品が終売というわけではありません。
現時点で「グレインフリー フィッシュレシピ」など魚原料を中心にした一部商品は販売が続いています。
フィッシュレシピは家禽類を使用しておらず、輸入規制の対象外となったためです。
ただし、今後も継続的に供給されるかどうかは不透明で、販売店によっては在庫限りと記載しているところもあります。
長期的に使用している方は、継続販売の可否を店舗や販売元に確認しておくのが安心です。
ロータスドッグフードの安全性と品質評価
終売が発表される前まで、ロータスドッグフードは「安全で信頼できるブランド」として高い評価を受けていました。
その理由を改めて整理してみましょう。
- ヒューマングレードの原材料
人間が口にできる品質の食材を厳選して使用。 - 人工添加物を不使用
合成保存料・香料・着色料は使わず、自然由来の原料で栄養を補う設計。 - 低温オーブンベイク製法
高温処理による栄養損失を防ぎ、素材の風味を活かす調理法。 - リコール歴がない
長年にわたり大きな安全トラブルやリコール報告はなし。 - ノンオイルコーティング
外側に油を吹きかける加工をせず、脂肪酸の酸化リスクを軽減。
実際、口コミやレビューサイトでは「食いつきが良い」「うんちの状態が安定している」「毛艶が良くなった」などの声が多く見られました。
価格帯はやや高めでしたが、その分、品質と安心感を求める層に支持されていたのです。
終売による飼い主への影響
ロータスドッグフードを長年使っていた飼い主にとっては、終売は大きな打撃です。
いきなり別のフードに変えると、犬の胃腸がびっくりして下痢や食欲不振を起こすこともあります。
特にシニア犬やアレルギーを持つ犬は、急な切り替えが難しいケースも少なくありません。
「在庫があるうちに少し余裕を持って確保し、徐々に代替品へ慣らしていく」というのが現実的な対応になります。
また、終売情報を知らずに転売や高額販売に手を出すケースも見られますが、これは推奨されません。
賞味期限や保管状態が不明な製品も多く、安全面のリスクを伴います。
公式または信頼できる販売店での購入・相談を心がけましょう。
ロータスドッグフードの後継・代替ブランドとは?
終売後、ロータスジャパンは「ウェルカムホーム(Welcome Home)」という新ブランドを展開しています。
このフードはアメリカ製で、エクストルーダー方式による製造を採用しており、ロータスとは異なる製法です。
ただし販売元が同じため、「ロータスドッグフードの代わりに」と紹介されることもあります。
ウェルカムホームは、ロータス同様に人工添加物不使用・高品質な原材料を使用。
食いつきや香りに関してはやや違いがあるようですが、自然派フードとしての方向性は共通しています。
また、同じようにオーブンベイク製法を採用するブランドも国内外に存在します。
たとえば以下のようなフードが、ロータス愛用者の“後継候補”として挙げられることがあります。
- フィッシュ4ドッグ
魚主体のグレインフリーフード。ロータスドッグフードのフィッシュレシピに近いコンセプト。 - ナウフレッシュ
カナダ産の高品質フードで、オーブンベイクではないものの、低温調理にこだわりあり。 - ジウィピーク
エアドライ製法で素材の栄養を保つ高級フード。原料も厳選されており、嗜好性が高い。
これらの中から、愛犬の体質や嗜好、年齢に合わせて比較検討するのがおすすめです。
フード切り替え時のポイント
ロータスドッグフードから他のフードへ切り替える際は、以下の点を意識しましょう。
- 少しずつ混ぜて与える
いきなり100%切り替えず、1週間ほどかけて徐々に新しいフードの割合を増やします。 - 体調や便の状態を観察する
下痢・軟便・食欲不振などが見られた場合は、一時的に旧フードへ戻すのも選択肢。 - 原材料と栄養成分を比較する
タンパク質・脂質・穀物の有無など、ロータスと似たバランスのものを選ぶとスムーズです。 - 信頼できる販売ルートを利用する
個人輸入や転売品は品質保証が不十分な場合があります。正規代理店・公式サイトを利用しましょう。
終売が示すペットフード業界の課題
今回のロータスドッグフード終売は、単なるメーカー都合ではなく「国際的な衛生規制」が背景にあります。
輸入原料に依存するプレミアムフードは、こうした外的要因で突如販売が止まるリスクを抱えているのです。
一方で、日本国内でも国産の高品質ナチュラルフードが増えています。
今後は「安心して長く継続できるか」という観点で、原産国や製造方法を重視する傾向がさらに強まるでしょう。
まとめ:ロータスドッグフード終売の理由と今後の選び方
ロータスドッグフード終売の理由は、品質や安全性の問題ではなく、輸入規制によるやむを得ない事情でした。
家禽由来の原料を使う製品が輸入停止となり、多くのレシピが販売終了に。
しかし、グレインフリー フィッシュレシピなど一部は継続販売されており、完全に姿を消したわけではありません。
今後は、ロータスドッグフードの理念を引き継ぐウェルカムホームや、類似のナチュラルフードを選ぶことで、愛犬に安心できる食生活を続けることができます。
突然の終売に戸惑う方も多いと思いますが、焦らず、愛犬の体調や好みに合わせた次の一歩を選んでいきましょう。

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