「最近、あの“すっきり系”のチューハイが見かけない…？」
そう感じた方、多いのではないでしょうか。そう、キリンの人気RTDシリーズ「麒麟特製」から登場していた「麒麟特製クリア酎ハイボール」が、ついに終売となってしまいました。今回はその販売終了の背景や、今後の再発売の可能性について詳しく掘り下げていきます。
麒麟特製クリア酎ハイボールとはどんな商品だったのか
「麒麟特製クリア酎ハイボール」は、キリンビールが2022年9月に全国発売したRTD（Ready To Drink）系のアルコール飲料。
アルコール度数7％、350mlと500mlの2種類が展開されていました。
コンセプトは「焼酎で仕立てたウオッカベースのハイボール」。
ウイスキーベースのハイボールとは異なり、焼酎のすっきり感をベースに、ほのかに柑橘が香る飲み飽きない味わいが特徴です。
甘さをぐっと抑えた味わいとキリッとした飲み心地が支持され、「甘くない酎ハイが好き」という層から根強い人気を集めていました。
麒麟特製シリーズ自体は「上質なうまさ」「食事に合うサワー」というテーマで展開されており、居酒屋の味を家庭でも楽しめることをコンセプトにしていました。
その中でも「麒麟特製クリア酎ハイボール」は、特に“爽快感と透明感”を打ち出した一本として印象的な存在でした。
終売の事実と時期の確認
「最近、どこのスーパーにもない」「通販でも売り切れ」──そんな声が相次ぎ、SNSでも話題になったのが2024年末から2025年にかけての時期。
実際、キリンの公式サイトでは「麒麟特製 クリアサワー ALC.6％」が2025年9月に出荷終了予定として記載されています。
「麒麟特製クリア酎ハイボール」自体の名称はリストから消えていますが、ブランド再編の中で整理された可能性が高いでしょう。
さらに、小売サイトや卸業者のページでも「終売」「メーカー出荷終了」と明記されています。
一部では「2024年11月で販売終了していた」との情報もあり、流通在庫の枯渇が進んでいるようです。
つまり、現状では在庫限りの入手しかできず、メーカー出荷は完全に終了している＝実質的な終売というのが実情です。
なぜ終売になったのか？5つの背景
「人気があったのに、なぜ終売に？」と感じる方も多いはず。
ここでは、考えられる主な理由を5つの視点から整理します。
1. ブランドの再編と商品ライン整理
2024年2月、キリンは「麒麟特製」ブランドをリニューアル。
パッケージ刷新・中味改良を行い、「麒麟特製 レモンサワー」「麒麟特製 ホワイトサワー」「麒麟特製 コーラサワー」「麒麟特製 ジンジャーエールサワー」「麒麟特製 グレープサワー」などを中心に再展開しました。
この新ラインナップには「麒麟特製クリア酎ハイボール」の名前がなく、ブランド戦略上の整理対象になったと考えられます。
多品種展開による製造・販促コストの増大を抑え、主力商品に注力する流れは、他メーカーでも共通の傾向です。
2. 市場の嗜好変化とポジショニングの難しさ
RTD市場では、果実感の強いサワーや低アルコール志向の商品が台頭しています。
「麒麟特製クリア酎ハイボール」はアルコール7％とやや高めで、甘さも控えめ。
本格派には好まれた一方で、“軽く飲みたい層”や“フレーバー重視派”には少し地味な印象だったかもしれません。
また、「ハイボール」と「酎ハイ」というカテゴリの間にある独特の立ち位置が、マーケティング的にわかりづらかった点も否めません。
3. 原材料や物流コストの上昇
飲料業界全体で、近年はアルコールや果汁、缶資材、輸送費の高騰が続いています。
採算ラインの見直しが必要となり、販売量の少ないフレーバーや限定系商品から優先的に整理されるケースが増えています。
「麒麟特製クリア酎ハイボール」も例外ではなかったでしょう。
4. 製造・出荷体制の最適化
RTDブランドを長期的に維持するには、安定した製造ラインの確保が欠かせません。
「麒麟特製クリア酎ハイボール」はベースに焼酎とウオッカをブレンドした独自設計で、他ラインとは製造工程が異なっていたと推測されます。
結果的に、他商品との生産効率を優先した結果、統合・終了という選択肢が取られた可能性があります。
5. 販売戦略の転換と限定商品の強化
キリンは2024年以降、「期間限定」「地域限定」商品の展開を強化しています。
たとえば「麒麟特製 クリアサワー（期間限定）」が2024年9月に発売されており、クリア系コンセプト自体は継続中。
つまり、“麒麟特製クリア酎ハイボール”という形ではなく、“期間限定のクリア系サワー”として生まれ変わっていると考えられます。
ファンの声：「あの味が忘れられない」
SNSでは、終売を惜しむ声が多く見られます。
- 「どこにも売ってなくてショック…」
- 「甘くなくて一番好きだったのに」
- 「他に代わりがない！」
実際にレビューサイトでも、「焼酎ベースのすっきり感」「後味の良さ」を評価するコメントが多く、ファン層の厚さがうかがえます。
“通好み”の一本として支持されていたことは間違いありません。
再発売の可能性はある？
さて、気になるのは「また飲める日が来るのか」という点。
ここでは再登場の可能性を現実的に考えてみましょう。
可能性がある理由
- クリア系の需要が根強い
「すっきり」「無糖」「ドライ系」チューハイの需要は依然高く、他社も次々に新商品を投入しています。
キリン自身も“麒麟特製 クリアサワー”を限定で発売しており、コンセプトとしては今も有効です。 - ブランド再構築後の復刻余地
リニューアルによって整理された商品が、後に“復刻”や“限定再発売”として登場するケースは多くあります。
麒麟特製シリーズは人気ブランドであるため、需要が確認できれば再登場の可能性も十分にありそうです。 - ファンの声が後押しする可能性
SNSでの反響やレビュー数が多い商品は、メーカー側も注目します。
過去にはファンの要望から“期間限定復刻”となった事例も少なくありません。
難しい理由
一方で、現状では再発売が難しい要因もあります。
- ブランド再編で同コンセプト商品がすでに存在
- 製造ラインが統廃合されている可能性
- 原材料コストの上昇
- 低アルコールトレンドへのシフト
このため、「完全復活」という形ではなく、「別名・新仕様」での再登場となる可能性が高いでしょう。
今買えるうちに試しておきたい代替品
「もう買えないの？」という方に向けて、近い味わいのチューハイを探すのも一案です。
- 麒麟特製 クリアサワー（期間限定）
2024年発売の期間限定商品で、クリア系の爽快感を継承。
甘さ控えめ・アルコール6％のすっきりテイストです。 - キリン 氷結 ドライレモン
アルコール度数7％で、「甘くないチューハイ」の代表格。
酎ハイボール好きにも違和感のない飲み心地。 - 宝焼酎ハイボール ドライ
昭和から続くロングセラー。辛口・無糖系で、麒麟特製クリア酎ハイボールの代替として人気です。
在庫があるうちは、通販や業務スーパーなどを探せばまだ手に入ることも。
ただし終売商品なので、在庫が切れれば入手は難しくなります。
麒麟特製クリア酎ハイボールの終売まとめ
- 発売：2022年9月
- 終売：2024〜2025年にかけて出荷終了（公式リストより）
- 特徴：焼酎仕立て・柑橘香る甘くない酎ハイボール
- 理由：ブランド再編、原材料コスト高、販売戦略転換など
- 再発売の可能性：低いが、限定復刻や派生商品の形で再登場の余地あり
すっきりとした味わいでファンを惹きつけた「麒麟特製クリア酎ハイボール」。
惜しまれながらの終売ですが、キリンの“クリア系DNA”は別の形で受け継がれていくでしょう。
【まとめ】麒麟特製クリア酎ハイボール終売と今後の期待
「麒麟特製クリア酎ハイボールが終売」というニュースは、日常の小さな楽しみを奪われたような寂しさを覚えるものです。
しかし、キリンが展開する「麒麟特製」シリーズは今も進化を続けています。
すっきり飲みやすい系のサワーが再び登場する日を、静かに楽しみに待ちたいところです。
今後、新しい“クリア”の形がどんな姿で現れるのか──。
またあの一口を味わえる日が来ることを、期待せずにはいられません。
コメント