「新政ヴィリジアンが終売になるらしい」という話題、最近日本酒ファンの間でよく耳にしますよね。
あの深い緑のラベルに惹かれ、初めて口にしたときの厚みと余韻を忘れられないという人も多いはず。
今回は、その「ヴィリジアン終売」の真相と、今後どこでどう手に入るのかを徹底的に掘り下げます。
新政ヴィリジアンとは？Colorsシリーズの中でも特別な存在
まず、「ヴィリジアン」とはどんなお酒なのかを整理しておきましょう。
秋田の新政酒造が手がける「Colors（カラーズ）」シリーズのひとつで、火入れタイプの純米酒です。
原料米には秋田県産の高級酒米「美郷錦（みさとにしき）」を使用。木桶仕込み・生酛造りという新政らしい伝統的な製法で造られています。
公式説明によると、ヴィリジアンはシリーズ中でも最も厚みがあり、余韻の長さが特徴とされる一本。
火入れながらも生酒に近いふくよかさを持ち、芳醇な旨味と柔らかな酸味のバランスが魅力です。
精米歩合は麹米45％、掛米50％という贅沢な設計で、まさに「新政Colorsの顔」と言える存在でした。
このヴィリジアン、見た目も印象的ですよね。深い緑を思わせるラベルデザインは、名前の「Viridian＝天鵞絨（びろうど）」をそのまま表現しています。
上品で重厚感のある味わいと、ラベルの色調が見事にリンクしているのも人気の理由のひとつです。
終売の噂は本当？背景にあるのは酒米とシリーズ刷新の流れ
そんな人気酒・新政ヴィリジアンに「終売」の話が浮上したのは2024年ごろ。
SNSや酒販店のブログで、「2025年前後で販売終了になる」という情報が徐々に広まりました。
では、なぜ終売に向かうのか。理由は大きく3つあると考えられています。
1. 酒米「美郷錦」の栽培・供給の問題
ヴィリジアンの要となる「美郷錦」は、秋田県で限られた農家が生産する希少米です。
新政酒造では、無農薬・有機栽培への転換を進めており、収量が安定しにくい時期があるとのこと。
蔵元からは「あと数年は作付けを続けるが、種籾の確保や品質安定のために時間がかかる」との説明も出ていました。
つまり、原料米の供給が限定的になっているのが一因です。
2. Colorsシリーズの再編・ブランド刷新
新政酒造はここ数年、既存シリーズの再構築を進めています。
「ラピス（美山錦）」がすでに終売となり、代わりに「タンジェリン（山吹色）」が登場したのも記憶に新しいところ。
ヴィリジアンもその流れを受けて、次の新シリーズや新酒米へと切り替える可能性が高いとみられています。
3. 限定生産ゆえの供給難
ヴィリジアンはもともと少量仕込みで、木桶での発酵や瓶囲いなど、手間のかかる工程を経ています。
タンク1本ごとの限定出荷が基本で、需要に対して供給が追いつかない状態が続いていました。
新政酒造全体が「品質重視・量産しない方針」を取っているため、終売や縮小は自然な流れとも言えるでしょう。
終売はいつ？正式発表と現場の声
蔵元からの正式リリースは現時点で確認されていませんが、複数の酒販店や愛飲者が次のような情報を発信しています。
- 「酒米不足のため、2026年1月いっぱいで終売決定」
- 「2025年が最後の仕込みになる見込み」
- 「蔵元から“遠くない将来に姿を消す”とアナウンスがあった」
いずれも信頼性の高い販売店や長年新政を扱っている筋からの情報で、信ぴょう性は高いとみられます。
つまり、「完全に終売」になるのは2025〜2026年の間が濃厚です。
ラピスが終売した際と同様に、「新しい酒米でリニューアル」や「別ラベルでの再登場」という可能性も否定できませんが、現行ヴィリジアンとしての販売は確実に終息へ向かっているようです。
入手が難しい今、どうすれば買える？
終売が現実味を帯びるなか、「今のうちに手に入れたい！」という人も多いでしょう。
ここからは、現実的な入手ルートと注意点を整理します。
1. 特約酒販店での抽選・限定販売
新政酒造は、品質管理を徹底するために特約酒販店経由でのみ販売しています。
そのため、一般的なECサイトや量販店にはまず出回りません。
販売店のSNSやメールマガジンで「入荷・抽選・販売告知」が行われることが多いので、情報をフォローしておくのがポイントです。
一部店舗では、店頭抽選や購入履歴による優先販売を行っているケースもあります。
信頼できる酒屋と関係を築いておくと、こうした限定入荷のチャンスを逃さずに済むでしょう。
2. 蔵元直営・地元秋田の販路
新政酒造のある秋田市周辺では、地元酒販店にわずかながら在庫が入る場合があります。
現地のイベントやフェアなどで提供されるケースもあり、タイミング次第では試飲・購入できることも。
旅行ついでに現地の特約店を巡ってみるのも一つの手です。
3. オンライン通販（正規店・限定販売）
ごく一部の正規取扱店では、終売告知とともに「最後の入荷分」を販売する可能性があります。
ただし、転売防止のために会員限定・数量制限が設けられている場合も。
また、冷蔵管理が求められるお酒なので、通販では配送温度や保存状態を確認することが大切です。
4. 二次流通（プレミア価格に注意）
メルカリやオークションなどで出回るケースも増えていますが、価格高騰や保存状態の悪化には注意。
公式に推奨されている流通経路ではないため、品質保証がないことを理解したうえで慎重に判断しましょう。
どうしても飲んでみたい場合は、信頼できる日本酒専門店での購入がおすすめです。
手に入れたらどうする？熟成・保存のコツ
ヴィリジアンは火入れ酒でありながら、厚みと余韻があり、熟成にも向くとされています。
実際、ファンの間では「寝かせてから開けると深みが増す」という声も多く聞かれます。
保存のポイントは以下の通りです。
- 冷蔵庫またはワインセラーなど、10℃以下の安定した低温で保管
- 光を避け、暗所に置く
- 長期熟成させる場合は、瓶を横にせず立てて保管
火入れタイプとはいえ、繊細な香味を保つためには温度管理が命。
新政酒造自体が「鮮度を大切にしてほしい」と繰り返し発信しているため、保存環境には気を配りたいところです。
終売後の展開と後継銘柄の可能性
気になるのは、ヴィリジアンの後を継ぐ銘柄が登場するのかどうか。
2024年以降、「タンジェリン（山吹色）」という新しい火入れ酒が限定出荷されており、これがColorsシリーズ再編の象徴といわれています。
美郷錦に代わり、別の酒米を使った新作が登場する可能性も十分考えられます。
新政酒造は常に挑戦的で、伝統的な製法を守りながら新しい酒質を模索している蔵。
ヴィリジアンの終売も「終わり」ではなく、「新しい一歩」と捉えると、次の展開がより楽しみになります。
新政ヴィリジアン終売の真相と、今できること
ここまで見てきたように、新政ヴィリジアンの終売はほぼ確実視されています。
背景には、原料米の供給問題やシリーズ再編など、蔵としての戦略的判断があるようです。
それは「品質を守るための前向きな終売」と言っていいでしょう。
今後は、市場在庫が少しずつ減っていき、入手難易度はさらに上がります。
もし見かけたら、迷わず確保しておくのが正解。
そして、手に入れた1本は、丁寧に保存し、特別な日にゆっくりと味わうのが最高の贅沢です。
新政ヴィリジアンという名酒が残した余韻は、これからも多くのファンの記憶に生き続けるでしょう。
そして、いつか再び新しい形で生まれ変わる日を期待して、今この瞬間を大切にしたいですね。
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